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副業してたら、特殊詐欺の被害者になってしまった話【後編】

こちらの話を読む前に、前編をまだお読みでない方はそちらをお先にご覧ください。

おさらいはせず、さっそく、後編に入ります。

私はカスタマーサポートからの連絡を2日間ほど無視し続けました。
もちろん、その間もひたすらにメッセージが来ます

『多くのお金を手にして成功するには、リスクがつきもの。投資と一緒だ』
『私たちは、あなたに給与を受け取ってほしいだけなのです』
『ハロー』
『返事をくれ』
『10000円でも良い』
『私たちは、あなたが給与を受け取る準備を進めている』


いかにも手続きしてますよ。みたいな写真も送られてきます。午前1時6分。

そんな中、別の人物からメッセージが届きます。

シャルロットの再来

その人物とは、シャルロット。最初にやり取りをしていた、私に仕事を与えたクライアントです。

『やあ、何かあったの?』

どうやら、私が給与を受け取っていないことを、シャルロットも知っているようです。

私がこれまであったことを彼女にざっくりと説明すると

『待って、給与を受け取る前に、カスタマーサポートはあなたに追加の支払いを頼んだの?いくら?』

と聞いてきます。てっきりグルだと思っていたシャルロットが、驚いていたのが意外でした。まぁこれも彼女の演技だったのですが。

その時の私は"シャルロットは詐欺のグループではないのか…?どこまでが本当で、どこからが詐欺なんだ?"とワケが分からなくなってきます。

ここで、私はカスタマーサポートとのやり取りのスクショなどを送り、彼女に説明をします。


途中から、なぜか日本語で会話してきます。赤い部分は私の名前です。

すると、シャルロットは『ちょっと待ってて、ローズ(支払い責任者)にも確認をとるね。』と言い、数分待った後にこう言ってきます。

『彼女に確認をしたら、支払いは必要です。彼女は支払い責任者だから、彼女の言うことに従わないといけません。』

やはり納得いきません。
ここで私は質問をします。

Lionbridge Translationの社員である証拠を出せ

そもそも、Lionbridge Translationの社員であるなら証拠が出せるはず。
私は証拠を出すよう、求めました。

すると、以下の写真が送られました。


これが、LionbridgeTranslationがワーカーに支払った証明だと彼女は言いました。

「いやこれGoogleか何かで検索した画面だよね?そんなん私でも出せるで。ほら。(自分で検索して似たような画面を送る)これは証拠にならんわ。名刺でも何でも良いから送って」と言い返しました。

すると数分待ったのち、以下のメッセージが送られてきました。

LionbridgeTranslationのYouTube動画を送ってきました。そして意味の分からない質問。
さっきから、私の質問に答えるふりして、一切答えてないんですよね。

私は動画を見もせず、一蹴します。もうこいつダメだと思って、無視します。

なんか疲れてきて、思考がおかしくなる

シャルロットとの連絡中はおとなしかったカスタマーサポートですが、シャルロットの連絡を無視して数時間後、今度はカスタマーサポートから連絡が来ます。

『やあ、給与をぜひ受け取ってください。』
「私はあなたにお金を渡すと、もう生活できなくなる」(大げさに言いました)
6000円で良いです。特別に努力して値段を下げました。』

この辺から、私もだんだんおかしくなってきます。
無視している間も、このやりとりのことが頭をグルグルし続け、疲れて正常な判断ができなくなったのでしょう。
6000円なら支払ってもいいのかなっていう気持ちになってしまったのです。

あんなに無視していたのに、あんなに自分の質問をはぐらかされていたのに、なぜかこの時支払ってやっても良いかという思いになったのです。

「その支払いをしたら、給与を受け取れるんですか?誓えますか?6000円を支払い、あなたから追加の料金を請求されたら、完全に詐欺とみなします」

『えぇ、誓います。これ以上の支払いは必要ありません。』

何度も言いますが、このあたりから考えすぎておかしくなっています。

  • こんな少額を奪うために、詐欺師が何日も連絡をしてくるものなのか?

  • 私が引き出さないと行き場のないお金が出来て困っているのか?

  • シャルロットは、追加の料金に驚いていたし…

  • 最後、最後にこれだけ支払ってみて、詐欺ならもういいや…

  • 実際に働いて納品したんだから…

  • 自分が詐欺被害に遭っているなんて、信じたくない

ずっと、こんな感じのがグルグルし続けます。

気持ち的には、クレーンゲームでお金をつぎ込んだから取れるまで諦めきれないというような…ギャンブラーが失ったお金をお金で取り返そうとするような…

私が3日間かけて働いた労力や、最初に支払った1万6000円や、ずっとメッセージでやり取りしていた時間が、もしかしたら取り返せるんじゃないか?という思いになってるんですね。
自分の質問には一切答えてもらってすらいないのに。

ここで、私は再びL-VEN(LINE Payを支払う相手)を指定され、6000円を支払ってしまいます。

ポーリーン(上司?マネージャー)の登場

支払った証拠のスクリーンショットをカスタマーサポートに送り、しばらく待つと、最後の登場人物であるポーリーンのTelegramを紹介されます。

ここで、私はさらなる請求が無かったことに、安堵してしまいます。

ポーリーンはカスタマーサポートの上司であり、彼が最終段階だ。彼に連絡をとってくれ、とのこと。
何人もやり取りをし、疲れ果てていますが、最後と言われ連絡をすることに。

彼に連絡をし、金額と居住国を伝えました。
すると彼は『分かった。では手続きを進めます。証拠はきちんと送るので心配しないで。』

すると、数分後、以下のような写真が送られてきました。

PayPalの振替が完了した的な写真

私はこれを見て、やっと終わったんだ…と思いました。
しかし、相手は詐欺師です。いくら待ってもPayPalの残高が増えることはありません。

すると、彼は言います。
『振替を完了するのに手数料が必要だ。』と。書いてて怖すぎて泣きそうになってきました。

繰り返される支払いループ

このあたりから完全に自分の中のストッパーが壊れてきたのでしょう。

あれだけ頑なに拒んでいた支払いや、決め込んだ無視の決意が崩れていきます。なんならむしろ「5万円まで支払ってみて、ダメならもう諦めよう」みたいな気持ちに若干なっています。

ポーリーンは、10000円を要求してきました。私はL-VENにすぐに支払い、スクリーンショットを送ります。
すると、20分ほど待ち、今度はこう言われます。

『米国預金保険会社が、現在支払いを保留している。手数料50ドルを支払って、ロックを解除してください。支払えば、すぐに支払いが行われます。』(本当はもっと長ーーーーーい文章です)
『時間を無駄にしないで。』
『早く支払って、スクリーンショットを送るんだ。』

私の思考はもう働いていません。彼に言われるままに、指示された9000円を支払います。

すると、お馴染みのパターン。
『国際徴収手数料を支払う必要があります。30分以内に支払ってください。さもなければ、給与が消えてしまいます。』(本当はもっと長ーーーーーい文章です)

ここで、私の中でプツンと何かが切れました。

ブチギレ&テレグラムのアンインストール

「このクソ詐欺師が。二度と私に連絡をしてくるな。私の人生に関わるな。」
『その言葉を二度と言うな』(やはり詐欺という言葉には敏感ですね)

「私に二度と連絡をしてくるな。私の人生に関わるな。私は所持金の大半を失った。(嘘)私には息子がいる。(嘘)息子に約束していた誕生日プレゼントは、お前たちのせいで買えなくなった。(嘘)私はもう生きていけない。テレグラムはアンインストールする。さよなら。」

こう言い、私はTelegramをアンインストールしました。

ほとんど同じやり取りの繰り返しなので、少し省いたのですが、結局合計して私は詐欺師に46000円を支払ってしまいました。

私は46000円でしたが、人によってはもっと莫大なお金を払ってしまったようです。
おそらくですが、例えば3万円を請求されてすぐに支払えば、今度は5万を請求され、さらに支払えば10万を請求され…と少しずつ額が膨らんだのでしょう。

しかし、私は最初から無視をしたり、支払いを拒んだので、4万の請求が2万になり、1万になり、6000円になり…
少しだけでもお金を取る方向に進んだのだと思います。

46000円で済んだのは、不幸中の幸いかもしれません。正直かなり痛いですが。

まとめ【こんな取引には注意&私に聞いてください】

今回の経験を通して、これから副業をされる方、既にしている方に気を付けて頂きたいことをまとめます

まず、以下にあてはまるクライアントとは絶対に仕事をしないでください。もしくは、すぐに連絡を切ってください。

  • クラウドソーシングサイトから外部のチャットツールに移行しようとする
    →直接契約が必ずしも悪いとは言いませんが、やるなら飛ばれる覚悟で。その覚悟が無いならクラウドソーシングサイト上でやり取りを続けましょう。

  • クラウドソーシングサイトで相手がBANになって連絡が取れない
    →BANになったからには、何かしら悪い理由があります

  • 給与の支払いを受け取る前に、自分が支払わなければならない
    →特に、支払いを急かされたら150%詐欺師です

上記にあてはまるクライアントとは、絶対に関わってはいけません。
どれだけあなたが大変な仕事をこなしても です。
私も、詐欺は "楽でカンタンな仕事なのに、高収入!" という謳い文句のみと思っていました。

しかし、今回は私は立派なファイルを貰い、3日間仕事をしました。
前編で紹介したナレーターの方も、100ページの文章をナレーションし、3時間超えの作品を納品しています。
それでも、給与を受け取れず、詐欺に遭っているのです。

そして、私はこの経験で初めて知ったのですが、Telegramは時間経過でメッセージを消せるというシステム上、詐欺や闇バイトに使われやすいそうです。そういった知識も備えておくと良かったです。

また、確実に危ないとは言えませんが、ほぼ詐欺師で間違いないだろうクライアントの特徴は以下です。

  • こちらが連絡を返せないと、ストーカーのごとく連絡をしてくる

  • こちらの質問に答えない&はぐらかす

  • 1つの案件に、何人もの意味の分からない人物が関わってくる

そして、彼らは騙すために様々な"証拠っぽいもの"を用意しています。
今回で言うと、ワーカーの感謝の声や、PayPalの振替完了画面などですね。

どんな証拠を用意されても、自分の元にお金が入っていない以上、絶対に信用してはいけません。
そして、やり取りの中で違和感を感じた場合、それは大概当たっています。すぐに逃げてください。

もし、クライアントとのやり取りで「これはどうなんだろう?」と思った時は、私に連絡をしてください。

私も、1人で考えたため、客観的に物事を判断することができず無駄な支払いをしてしまいました。
「これはどうなんだろう?」と思った時点で、詐欺師である確率は高いですが、私が更に詐欺師の刻印を押します。離れるための背中を押しますので、XのDMでも結構ですので連絡してください。

申し訳ないですが、支払ってしまったあとのサポートやお金を取り返すというのはできかねますので、その場合は然るべき機関に連絡してください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

また、愚かで情けない今の私にとっては、閲覧していただくこと・拡散していただくことや、スキ・サポートが励みです。

ぜひ、30秒お時間をいただけたら幸いです。

余談~今も鳴り続けるTelegram~

私が今回の出来事をnoteに書くために、2~3日ぶりにアンインストールしたTelegramを再び開きました。

すると、ポーリーンやカスタマーサポートから、たくさんのメッセージが届いていました…。
私がTelegramを開いたので、相手にも私がオンラインであることが見えたのでしょう。すぐに追加のメッセージが来ます。


すごい執念
最初は1万2000円だった請求も、7000円→5000円と値下げされています
すぐに支払わないと取消になるって言った割には、すごく長い間待ってくれています

もちろん、これ以上は払いません。

スクリーンショットを撮っている間にも、ポーリーンから何度も着信が来ます。最初はワン切りしていましたが、何度もかけてきてあまりにもうざったいので、YouTubeにある怖い音楽を聞かせてあげました。

ちなみに、何度もかけてくる割には、こちらが出ると向こうは喋らず、5秒ほどで切れます。

少しでも後ろめたい気持ちにさせられないかと思い、架空の存在である私の息子は、詐欺師にお金を支払ったことで手術費用が足りなくて治療を受けられず、亡くなった。私も息子の後を追う、サヨナラ。ということにしました。だいぶ無理のある設定ですが。
(同じ境遇の方を馬鹿にするつもりは一切ありません。ただ、海外は家族との繋がりを大切にするイメージがあるので、少しでも相手にダメージを与えられないかという、私の小さな反撃です。無駄かもしれませんが)

息子が亡くなって狂った母を演出。少しでも悔やんでくれるといいですが、まぁ無理でしょう
私はあなたに幸せになってほしいじゃねぇよ。不幸の元凶のくせに…

それでもお金をとるために、必死に連絡をしてきます。
ちなみに、今でも『ハロー』と来ます。

これで、すべて終わりです。

結婚式の資金を貯めるために、お金を失うなんて、本当に情けなくて愚かな数日間でした。
もう少し気持ちが落ち着いたら、このnoteを夫にも見せる予定です。
事後報告にはなりますが、勝手に判断したこと、私の財布とはいえお金を無駄にしてしまったことを謝るつもりです。

余談までお読みいただき、ありがとうございました。
これを読んでいるあなたに、悲しい出来事が起こらず、悪い人が近寄らず、毎日幸せで過ごせるようお祈りします。






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