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上司が暴言「幼稚園児以下」障害者雇用 職場でパワハラ

勤務先の上司から
「幼稚園児以下だ」などの
暴言を受けていた
知的障害のある男性が
会社などを訴えた裁判で
6日、和解が成立しました。
男性が裁判を通じ
訴え続けたこととは・・・。
(NEWS23 2018年11月6日放送)

知的障害がある
鈴木大翔(すずき・ひろと)さん。
(仮名・28)

2008年
大手スーパー「いなげや」で
障害者雇用の枠で
採用されましたが、

指導役の女性から
暴言などのパワハラを
受けたといいます。


指導役の女性から
鈴木さんの家族に向けて書かれた
連絡ノートには・・・。


「前日にやったことは、
 どの程度、記憶していられるのでしょうか」

「今一度、初心にかえってみて下さい。
 かなり難しいことだとは思いますが」

鈴木さんは精神的に
追い込まれて退職したあと、

「いなげや」が
障害者に配慮した
環境整備を怠ったとして

会社と指導役の女性に
賠償を求めて提訴。

一審の東京地裁は
「幼稚園児以下だ」などとした
女性の暴言を認め、

22万円の賠償を命じましたが、
会社側の責任は認めなかったため
鈴木さんは控訴しました。

そして、11月6日
二審の東京高裁で
和解が成立しました。

「いなげや」が会社側の責任を認め、

「今後は知的障害者の特性を理解し、
 これを踏まえた職場環境を用意すること」

を約束したのです。

和解を受けて、「いなげや」は

「今後とも障がい者の方々の
 職場環境の整備などに一層の努力をする」

とコメントしています。

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鈴木さんの“生きがい”は
知的障害者の国体で
メダルを獲得するほどの
実力をもつ水泳です。

しかし、「いなげや」では
その水泳をすることさえ
非難されたといいます。

一方、現在の職場は
水泳に打ち込む鈴木さんを尊重し
応援してくれています。

この日、出場した水泳大会では
準優勝の結果をおさめました。

鈴木さんの母親
「いろいろな子がいるので、
 特性を十分に理解して
 雇う側が注意してもらいたい」

「出だしはちょっと大変かなと思うが、
 軌道にのればうまくやってくれる子」

雇用率ばかりが
クローズアップされがちな
障害者雇用問題。

鈴木さん
「自分みたいな障害者の
 個性をちゃんとみて、
 働きやすい環境になるんじゃないかなと
 思ったのがよかったです」

「裁判を起こしたことで少しは
 救われたんじゃないかなと思う」

採用する「数」だけでなく、
障害者が働きがいを持てる場を
きちんと提供できているかも
問われています。

【雨宮キャスター】
会社側の責任が明らかになったのは
良かったと思いますが、そもそも、
障害者を雇用する段階で
環境はセットといいますか、
当然障害に応じて
環境が整備されているものではないんですか?

【星キャスター】
国の機関などが
障害者雇用の水増しをしていましたよね。
そのために来年度以降、
障害者雇用を大幅に増やすという。
数自体を増やすのは結構だが、
障害者と一緒に働ける環境作りが大事だという
「意識改革」を進めてもらいたいと思いますね。