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現代人はなぜ太るのか? 過去30年間のデータで明らかに

現代人はなぜ太るのか? 過去30年間のデータで明らかに

あなたは昔の人に比べて、現代の人のほうが太っている人が多いと感じたことはありませんか?

世界的にここ数十年で肥満の人は増えています。不健康な人は増加傾向なのです。
この肥満が増えている理由は何でしょうか?

今回は、現代人に肥満が多い理由を最新の研究から解説します。

・消費エネルギーが減っている

各国の研究チームが共同で行った研究によると、現代人が太っている原因は、消費エネルギーが減っていることだというのです。

消費エネルギーとは、人間が生きていくために必要なエネルギーのことです。消費エネルギーは、以下の3つに分けられます。

TEE:必要エネルギー消費量。一日に必要なエネルギーです。
BEE:基礎エネルギー消費量。生命活動を維持する上で最低限必要なエネルギーです。
AEE:活動エネルギー消費量。その人が運動によって消費したエネルギーです。

研究者は、IAEA(国際原子力機関)の1981年~2017年までのデータを使って、アメリカとヨーロッパに住む4799人のデータを分析しました。

その結果、過去30年間でTEEが、男性は7.7%、女性は5.6%の減少が確認されました!

これは男性で約230キロカロリー、女性で約130キロカロリーに相当します。
つまり、昔の人に比べて、現代人は代謝が落ちているのです。

・消費エネルギーが減った理由

では、どうして現代人の消費エネルギーが減ったのでしょうか?

研究者は、以下の3つの仮説を考えています。

仮説1:運動不足

現代人は運動不足と言われています。単純に運動をしなくなったので、消費エネルギーが減ったのかもしれません。

しかし、この仮説には問題があります。実は、昔に比べて、現代人の余暇時間に行う運動量はわずかに増加しているそうです。

しかし、仕事中の運動量は減少しています。
現代人の多くはオフィスで椅子に座って仕事をします。仕事中の運動量が減ることで、消費エネルギーが減ったと考えられます。
余暇時間の運動量が増えても、仕事中の運動量が減ることで、その差はマイナスになっているのかもしれません。

仮説2:気温

気温が低いと、人間の体は熱を生み出して体温を上げます。これも消費エネルギーの一種です。

しかし、現代の住居は快適です。暑くもなければ、寒くもありません。熱を発生させるというエネルギー消費がなくなったので、消費エネルギーが減ったのかもしれません。

それに、地球温暖化も進んでいます。寒くてエネルギーを消費する機会が減っていることでしょう。

仮説3:食事

食事も消費エネルギーに影響を与えます。食べ物の種類や量によって、消化や代謝にかかるエネルギーが変わります。

現代人の食生活は、昔と比べて大きく変化しています。バターやラードなどの動物性脂肪の摂取が減り、オメガ6の摂取が増加しました。これが消費エネルギーに影響を与えたのかもしれません。

ただし、この仮説には根拠が乏しいです。多くの研究でオメガ6は代謝に影響を与えない、という結果が出ています。なぜ食事の変化で、消費エネルギーに違いが出るのか理由は定かではありません。

・まとめ

いずれの仮説も、完全には証明されていません。理由は不明ですが、過去30年間で人間の基礎代謝が下がっているのは間違いないようです。

現代に生きるあなたは、消費エネルギーを意識しましょう。運動を増やしたり、温度調節をしたり、食事に気を付けたりすることで、肥満を防ぐことができます。

肥満は、糖尿病や心臓病などの生活習慣病のリスクを高めます。健康で長生きするためには、消費エネルギーを上げることが大切です。

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