パーパスの策定について:「組織の存在意義を見つける3つのステップ」
今回は、「パーパスの策定」におけるポイントについてです。
1.きっかけとなるパーパスの検討
2.きっかけとなるパーパスの上下にあるパーパスの探求
3.目標とするパーパスを設定する
1.きっかけとなるパーパスの検討
きっかけとなるパーパスを探す切り口は、パーパス・モデルから主に3つあることが分かります。
➢組織の思いからパーパスを直接問う
組織の思いは誰のためにあるのか
組織が貢献しようとする対象に対して、どのようになって欲しいのか?
組織は誰(人に限らず)がどのようになるために存在しようとするのか?
など
➢組織の現状の働きかけからパーパスを問う
組織が貢献しようとする対象に対して、現在働きかけている商品やサービスはどのように貢献しているのか?
現在働きかけている商品やサービスによって、組織が貢献しようとする対象はどのような姿になるのか?
など
➢対象の現状の問題からパーパスを問う
組織が貢献しようとする対象は、現在抱えている問題や課題が解決するとどのような姿になるか?
組織が貢献しようとする対象は、現状の姿をどのような姿に変えたいのか?
など
以上のような問いかけから、検討をスタートさせる「きっかけとなるパーパス」を見出します。そして、きっかけとなるパーパスは、できれば「実現可能なパーパス」であることが望ましいです。
しかし、上記のような問いかけにより描かれるパーパスで、「組織の思いからパーパスを直接問う」ことから見出されたパーパスは、理想的なパーパスに成りやすい傾向にあるので、他の二つの問いかけとは、若干違ったイメージを抱かれるかもしれません。
2.きっかけとなるパーパスの上下にあるパーパスの探求
きっかけとなるパーパスが見つかったら、その上下にあるパーパスを抽出します。
この時、パーパス(目的)展開という考え方で、パーパスの骨格となる基本階層の作成に取り組みます。
基本となるパーパスの階層について、実現可能性のレベル(実現可能なパーパス、技術的に実現可能なパーパス、理論的に実現可能なパーパス)を整理します。
3.目標とするパーパスを設定する
パーパスの基本階層が作成出来たら、目標となるパーパスを検討します。この目標となるパーパスが、組織が目指すパーパス、つまりパーパスステートメントに描かれるパーパスとなります。
まず、パーパスの実現可能性を選択します。つまり、どのレベルのパーパスを設定するかを決めることが重要です。
例えば、実現可能性が高いレベル(たとえば、理論的に実現可能領域)の目的は、チャレンジするという側面もありますが、実現できないアドバルーン的なパーパスになる可能性があります。設定当初は良いのですが、もし長期間に渡って実現できなかった場合、結果的にパーパスの効力を失うことになります。
一方、すぐに実現できるないしは既に実現できているパーパスを選択した場合、顧客に訴える力が弱い、社内の士気が上がらないなど、パーパスを設定する意味が無いのではないかと思うかもしれません。
また、ライバル企業が自社が設定した目標とするパーパスより高いパーパスを策定し順調に推移している場合、上位のパーパスは下位のパーパスを駆逐するという性格から自社の事業は駆逐される可能性があります。
このように、パーパス策定の効果を長期間享受するための丁度よいパーパスを選択することが重要です。そのポイントとしては、
・対象の実態を考慮し、現状より上位のパーパスを選ぶこと
➢できれば技術的に「実現可能なパーパス」の領域にあると良いです
➢ある程度チャレンジするパーパスであると良いです
・理想や理論的実現性を追求し過ぎないこと
➢方向づけとしてのパーパス(目標とするパーパスの先にあるパーパス)であれば良いです。
・自社の開発能力などを考慮し、実現可能性の評価を行うこと
➢長くても5年程度で実現できるパーパス
➢10年超の場合でもマイルストーンが描けていれば良いです。
などです。
以上
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