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上位のパーパスは下位のパーパスを駆逐する。

 10年以上前の記事がベースですが、「上位のパーパスは下位のパーパスを駆逐する」という法則が何となく分かって頂ける記事だと思いますので、敢えて投稿します。

 アブダビ原発の発注失敗という記事で、日本は韓国に敗れるという内容です。
 ポイントは、“日本はアブダビに対し原子力発電所プラントを売り込んだが、韓国は60年間の安定的な電気を供給するということを提案した。”というものです。

 記事では、韓国の李明博大統領のトップセールスを取り上げています。当時は、日本の「トップセールス」の問題が、良く取り上げられていました。

 しかし、どんなにトップセールスという手法に力を入れても、勝てなかったのではないでしょうか。 
 そもそもアプローチの出発点としてのパーパスが違っていたのですから、負けて当たり前なのでしょう。

 アブダビサイドに立ったパーパス展開を考えれば、当然の結果であったことが分かります。
 アブダビは“発電所のプラント”が欲しかったのは正しいでしょう。しかし、“発電所のプラント”を欲しがる上位のパーパスは、“電気を得る”ことであったハズです。しかも、その電気は、“安定的に供給される”ことを望むでしょう。

 つまり、“電気が安定的に供給される”システムは、“発電所のプラント”より上位に位置し、そのことが実現できる提案であれば、当然、上位のパーパスを達成するシステムを選択するに決まっています。(ベースには、適切な予算であることが前提です)

 当時、日本の技術力は優れているが、韓国や中国・インドに世界の市場で負けている原因は、この点にあるように思います。どんなに技術力が優れていても、あるパーパスを達成する一部の手段にしかならず、より上位のパーパスを達成する社会システム的なアプローチが必要なのでしょう。

 世界市場で優位に立つためには、今一度、パーパスにおける原則“上位パーパスは下位パーパスを駆逐する”という点を踏まえ、技術力を生かした上位の社会システムを実現する提案を考える必要があります。
 世界の市場での競争は、如何に上位システムを実現する提案ができるかということが焦点になっていくでしょう。

 現在は、そうなっていると思います。この記事の例は、あくまでもパーパスの性質を捉えるための記事事例として取り上げました。
以上です。

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