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自分の山を探検する

私が買った山はかなりわかりやすい場所にあります。
ざっくり600m✕100mのひょうたんを横に倒したような地形で長辺の両側が田んぼ(片方は放棄田)で、短辺の片方は2車線の地方道、もう片方だけ他の人の山ですが境界の確認は終わっています。
従って「うちの土地はどこなんだー!!」ってGPS片手に探す必要はありません。

ありません、はずなんですが、それでも山の初心者にとってはやっぱり難しいということを初めての踏査(実際に足を運んで調べ明確にすること)で知りました。

さすがに迷子になることはなかったものの、スマホの地図がなかったらかなり心細い思いをしたはずです。

まず車から降り立った景色がこれです。

この藪から向こうが自分の山のはずなんですけど…

放置林ですから当然にただの藪です。本当はこの反対側の隣地の作業道から入るのがわかりやすいらしいのですが、今は積雪で入れません。ここからアプローチするしかないです。

自分の土地のはずなのに、妙にドキドキします。道路を車が行き過ぎると思わず身を隠してしまいそうになります。何も悪いことしてないのに。

装備はまだ本格的なものは持っていないのですが、とりあえずヘルメットと山林作業用の靴を履いて、手袋はしてます。こんな藪では装備なしでは全身擦り傷になることはいくら初心者でもわかります。

意を決して斜面のゆるいところを藪をかき分けて進みます。

土地の半分はこんな感じ、どこを向いてもこの景色

10mも進むと360度全部この景色です。見通しが悪いので太陽がなかったら方角もわかりません。

境界には不動産屋さんが測量した3年前くらいに杭が打ってあるはずなので、それを探そうとするのですが、正直最初は全然わかりませんでした。

足元が斜面で障害物だらけなので、下を見ながら足を踏み出し、正面の顔に当たりそうな障害物を避けながら進むんですが当然に右に左に移動しながら進むのでどっちを向いているかよくわからなくなるのです。

葉が茂っていない冬ですらこれですから、夏はきっと全く侵入不能の地だと思います。植林した山でも放っておくとこうなっちゃうんですね。
「人が入れる山にしよう」ってよく聞くんですが、確かにこれは人が入れません。スマホがない時代だったら迷子になってもおかしくないです。

いや、おかしいです、自分の山ですよ、ここ。

下草刈りって、高い杉の木があって根本に草が生えていてそれを刈るのかと思ったら、草というよりこれは雑木ですね。
公園の草刈りみたいに刈払い機を左右に払って進んだらすぐ終わるというレベルではないです。チップソーか場合によっては高枝用のチェンソーとか使いそうです。

境界線である尾根を目指してしばらく登ると、突然見通しが良くなりました。
尾根筋のここは整備されていたようです。

これなら普通に歩けます

そしてやっと境界杭を発見!

右下の笹に隠れている赤いやつが境界を示す杭です

杭は図面を見る限り全部で80本ほどあるはずです。しかしこの日は時間がなかったこともあり、アプリのテストとか全体的な地形の感覚を掴むことを優先したので、10本程度しか見つけられませんでした。

頂上付近は杉ではなくケヤキが植えられていて、その周囲は手入れされた跡があります。見晴らしの良い場所は半分がうちの土地で半分が町有林なのですが、尾根筋ということでいっしょに手入れしたんでしょうね。

この手入れされた場所は全体の2割程度で、あとは杉林というより雑木林に杉が生えている感じで、もっと薪が取れるかと期待していた私はちょっと肩透かしでした。

で、初心者としては勘がない分をツールで補います。今回使ってみたGPSアプリはジオグラフィカです。

林業用のアプリって無料もしくは安価なものはほとんどなくて、その代わりにたくさん出ている登山用アプリを使うことが多いようです。
その中でも、登山に一番特化していなくて汎用的に使えそうなこのアプリを選びました。

ポイントポイントを記録したり、通った軌跡を記録していってくれます。
もちろんある程度の範囲の地図は取り込んでくれていて、電波がないところでも位置情報を記録し、地図で現在位置を表示してくれます。

このときにGPSの受信状況とGPS情報の誤差がどれくらいか表示してくれて便利です。
誤差10mとか15mとか出ているときは地図もほとんど信用できませんが、誤差5mまで来ると、杭の場所の記録して帰ってから測量図とGISを合わせるのにかなり役立ちました。

ポイントを記録するときは多くのGPS衛星を捕まえて精度が5m程度になるまでスマホの向きや高さを変えたり、時間を置いたりしてました

このときは不覚にも測量図のコピーを忘れてきて、自分の山がどこまでかはっきりとわからない状態だったので、あまり奥までは入らず、杭のある場所か南側の放棄田との境界線沿い(南側は田んぼの脇の用水までうちの土地になるのでわかりやすい)を歩いてみました。

もっとあるかと思ったけど倒木らしいものは少なかった。春になったら道を通そう

この用具小屋はうちの敷地の中なのですが、田んぼで使っていた可能性もあるので一度調べないといけませんね。人工物はこれだけでした。
でも釘で蓋をしてあるので、外から眺めるだけに。

家に帰ってからジオグラフィカのデータを出そうとすると、トレースデータが取れていなくて超ショック!!
ボタンを押したはずが、指が乾いていて反応しなかったようです。ON状態かOFF状態かわかりにくいのですが、それの見方も調べたので次は大丈夫でしょう。

ポイント記録のデータは残っていたので、地形ソフトのカシミール3Dと合わせてみました。

日本人が作っているフリーソフトのGISなのですが、恐ろしく高機能です。びっくりしました。

カシミール3Dとに読み込ませたジオグラフィカのGPXデータと測量図の外周を重ねて見る

撮った写真も読み込ませてみると、こんな感じで撮った場所とカメラの向きを表示します。施業の報告にはめっちゃ役立ちそうです。

見つけた杭をとりあえず全部記録!(これは2回目の踏査のときのもの)

ということで2時間ほど山の中をウロウロして一度目の踏査は終了。
確かに見てみないと管理の計画は立てられないなとつくづく思いました。
次はもうちょっと雪が溶けたら、杭をできるだけ見つけることと、軽トラで現場までアプローチする経路を見つけることを目標に入りたいと思います。

あ、帰り道に郵便局繋がり(私の古民家は元郵便局)で、近くの現役木造郵便局に寄りました。

三波簡易郵便局

ポスターにも選ばれたロケーション抜群の郵便局で、うちよりちょっと遅れての建造で築80年くらいですが、ほぼ建造当時のままで運用されています。

入口の部分などは民家へ改装する前はこうだったのかなと、かなり参考になりました。

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