【逆転の思考】#2

逆転の発想でヒットした商品が世の中にはたくさんあります。
ターゲットや時期、ブランディングなどこれまでの常識と逆手にとった
施策を行うことによって弱点だったものが魅力、武器になることがあると感じました。

今回は特に気になった4つの事例を紹介します。


①ヴィレッジヴァンガード(ヴィレッジヴァンガードコーポレーション)

・クソまずいドリンクをバカ売れさせた方法

海外からある飲み物を大量に輸入しましたが、まったく売れません。

それはなぜか?
じつはこの飲み物とても「まずい」のだそうです。
売れない商品を大量に抱え込んでしまい、困っていましたが、
商品のところにある張り紙をしたところ飛ぶように売れるようになりました。

まずくて全く売れない飲み物を売れるようにした言葉とはなにか。
それが,このキャッチコピーです。


罰ゲームにどうぞ。」

ヴィレッジヴァンガード 逆転の発想: リアルETの英語学習 (seesaa.net)

このキャッチコピーにより、”まずい”という圧倒的な弱みが、
むしろ強みになっていると感じます。
「どんな味がするんだろう?」「なんか面白そう」「誰かに飲ませてみたい」などといったように弱みが前面に出ていることによって、購入後の想像が膨らみました。


②UNIQLO(ファーストリテイリング)

・ユニクロが成長した最大の理由

ユニクロがこれだけ成長した最大の理由は、この「服に興味がない人」というターゲット設定にある。アパレル企業は「服にこだわりのある人」を性別、年齢、社会的属性、好みのテイストなどで細分化し、ブランドを開発するのが当たり前だった。一方、柳井氏は、ファッションのことなど考えたくない、あれこれ選ぶこと自体がストレスと感じる消費者の方が大多数であると見極め、彼らに売る戦略を考え抜いた。

気がつけばみんな「ユニクロ」を着ている 平成に起きたアパレル革命 - WWDJAPAN

あえて服にに興味がない人を狙うという、ターゲット設定があったということに驚きました。最近では、綾瀬はるかさんを起用したCMや、ハイブランドとのコラボなど、むしろユニクロ=オシャレ、服に興味がある人も買うブランドに変わってきているなと感じています。


③カップヌードル(日清食品)

・ふとんの中でひらめいた、“逆転の発想”          

・麺をカップに入れるのではなく、カップを麺に被せる

カップの中央に宙吊り状態にして固定させる「中間保持構造」を採用。これにより、めんはカップの中央で内側に密着してカップの強度を高め、めん折れを防ぐとともに3分間で素早い湯戻しを実現した。

しかし、めん塊を自動化ラインでカップの中央に固定するのは至難の技であった。めんの平らな部分を水平にするのは難しく、機械でつかむとめんの形が崩れてしまう。安藤百福は昼も夜もその解決法に頭を悩ませていた。ある夜、寝床で目を覚ますと、錯覚なのか天井がゆっくりと回転しているように思った。天と地が逆になった感じである。この時にひらめいたのが、めん塊を下に置いてカップを上からかぶせる方法で、まさに、逆転の発想であった。
翌朝、研究所で試してみると、めん塊はカップの中にうまく固定された。こうしてインスタントラーメンに新たな歴史を開く「カップヌードル」の量産化が可能になったのである。

https://www.nissin.com/jp/about/history/columns/1648

安藤百福氏がアメリカに視察にいった際に、チキンラーメンを2つに折って紙コップに入れお湯を注いで食べたことから、カップラーメンの着想を得たそうです。1つの世界・コミュニティだけではなく色々な世界を見ることの重要性に気づかされます。生産の過程でも逆の発想が生かされているのだと参考になりました。


④雪見だいふく(ロッテ)

・後発メーカーだからこそ逆転の発想で勝負
・冬に売れるアイスクリーム”

アイスクリームは夏の定番商品。だが、あえてそれを冬に売る。業界の誰も考えなかった逆転の発想だ。

雪見だいふくから9年遡る72年、ロッテはアイスクリーム市場に参入した。当時、市場は雪印乳業、明治乳業、森永乳業の3社に席巻されていた。


雪見だいふくは、マーケティング戦略、アイデア、技術に独自性のある商品だ。
「夏でなく、冬に売れるアイス」というマーケティング戦略、「アイスをやわらかい餅で包む和風テイスト」というアイデア、そして「冷蔵しても硬くならない餅」を開発した技術。これらの独自性に加え、パッケージデザインにもオリジナリティが貫かれている。なんと容器の封は赤色が基調だ。アイス商品のデザインは青色など寒色系が主流とされたとき、あえて暖色系を採用した。冬に温かい室内で食べるほのぼのとしたイメージを醸し出す。それは"冬に食べるアイス"というマーケティング戦略に適ったデザインだった。

雪見だいふくは、餡であるアイスの主体はバニラにし、92年以降はよもぎ、いちご、生チョコレートなど期間限定のフレーバーも発売している。メインターゲットである女子中高生より少し上の年齢層を取り込む狙いだ。また、小ぶりの雪見だいふくが9個入ったファミリー向け商品も販売している。メインターゲットばかりでなく、ファミリー層も含めた広い購買層へ対応するための商品展開だ。

冬季アイス市場で確たる地位を保つ「雪見だいふく」。それを支える技術は特許で守られ、他の追随を許さない

冬に食べるアイスという新しいジャンルをつくり、冬季市場で躍進する雪見だいふく。これだけのヒット商品になると通常は競合メーカーが追随するものだが、雪見だいふくはそれを許さない。その秘密が特許にある。「被覆冷菓およびその製造法」という製法特許で競合品の参入を阻み、その特許の権利満了(01年)後も新技術の特許(01年3月19日出願、09年5月29日登録)により冬季アイス市場で確たる地位を保っている。

後発メーカーが市場で勝負するためには常識を超えた発想で挑む。その発想を陰で支える技術がこの特許に象徴されている。雪見だいふくの地位はしばらく揺るぐことはないようだ。

「雪見だいふく」後発メーカーだからこそ逆転の発想で勝負する | あの人気商品はこうして開発された「食品編」」 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] (smrj.go.jp)

後発だからこそ、”どう売るか”、”他社とは違う戦略”を行う重要性を感じました。今でこそ、冬のアイスは当たり前かもしれませんが、当時アイス業界の売上の80%が夏ということを考えると、逆に振り切った戦略かと思います。パッケージにも、冬に温かい室内で食べるイメージを醸し出すために、暖色系の色を使っているなど、パッケージデザインの参考にもなりました。
ちなみに私の出身の北海道では冬のアイス消費量が日本一と言われているそうです。

上記4つの事例に関して
採用に置き換えてみると、弱みや懸念をむしろ魅力にできたり、
ターゲットをあえて変えてみる、他社がやらない採用手法を取り入れてみるなどといったように様々なことができると思います。
現に、O社やH社といったように、ノルマがきつそう、忙しそうといった会社でも”圧倒的な営業力”を身に着けられるという解釈もでき、それが魅力に映る人もいる印象があります。

一見不利な状況、弱点でも”逆転の発想”でプラスにできることは
多くあると感じました。
自分の業務にも落とし込める内容だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?