NS (Noritaka Shintani)

小児科専門医/小児科一般/北海道 Twitter: https://twitter.c…

NS (Noritaka Shintani)

小児科専門医/小児科一般/北海道 Twitter: https://twitter.com/nuno40801

マガジン

  • トランスミッションⅠ

    • 101,251本

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  • 小児の感染症

    小児でみられやすい感染症についてQ&A方式の記事を作成しています

  • 小児疾患のミニレビュー

    小児の疾患に関して簡単なレビューです

  • 小児科ミニコラム

  • 小児の予防接種

    小児で関係する予防接種(ワクチン)について簡単にまとめています. 内容としては一般の方から, 少し知っている方に役立つような内容にしたいと思っています.

最近の記事

SARS-CoV-2感染と1型糖尿病との関連性についての新たな話題から

SARS-CoV-2の発生とそれに伴うCOVID-19のパンデミック以後, SARS-CoV-2感染と1型糖尿病発症についての関係性についていくつかの研究が報告されてきている[1-5]. 最近, 新たにSARS-CoV-2感染と1型糖尿病の発症につながる膵島自己免疫の形成との間で関連性があることを示唆する研究が報告された[6]. 対象は1型糖尿病発症のリスクが比較的高い乳児で, 児はこれまで知られている知見[7, 8]から様々な遺伝因子からリスクが高いと判断されている. S

    • 小児急性脳症診療ガイドライン 改訂のポイント

      2022年12月に「小児急性脳症診療ガイドライン 2023」が公開された. 2016年の旧版のガイドライン公開から6年超を経た改訂となり, その期間中に発表された様々な知見, あるいは提唱などを踏まえた内容となっている. 大小さまざまな点について変更されているが, 今回個人的に思った改訂ポイントについて以下で述べていくこととする. 主な改訂ポイントの概要各論 1. 急性脳症を疑う患児に対する, AESDへの進展, 後遺症の予防目的での体温管理療法の実施に関してクリニカル

      • 熱性けいれん診療ガイドライン 2023 改訂のポイント (工事中)

        2022年12月に「熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン 2023」が公開された. 2015年の旧版のガイドライン公開から7年超を経た改訂となり, その期間中に発表された様々な知見, あるいは提唱などを踏まえた内容となっている. 大小さまざまな点について変更されているが, 今回個人的に思った改訂ポイントについて以下で述べていくこととする. 主な改訂ポイントの概要1. 熱性けいれんという病名に一部で熱性発作という病名が併記されるようになった(以下工事中)

        • クループの重症度評価とWestleyスコア

          ・Westley scoreは1978年によってWestleyらによって作成されたクループの重症度スコアであり(*1), 特に臨床試験でのクループの重症度を評価する上ではよく用いられている(*4, *5). ・Westley scoreではクループの重症度を意識レベル, チアノーゼ, 喘鳴(stridor), 空気の入り(air entry)および陥没呼吸の5つの因子で評価する(表1). これらのスコアを合計して重症度を判断する. ・合計スコアは2点以下が軽症, 3-7点

        SARS-CoV-2感染と1型糖尿病との関連性についての新たな話題から

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        記事

          マイコプラズマ誘発性発疹・粘膜炎

          ・M. pneumoniaeは小児の市中肺炎を引き起こす比較的頻度の高い原因の1つである(*4). ・M. pneumoniae感染症では肺炎だけでなく様々な肺外合併症がみられる. 皮膚粘膜の合併症もよく知られた合併症で小児のM.pneumoniaeによる市中肺炎の20-30%で皮膚粘膜症状がみられると報告されている(*2). ・様々な臨床像がみられるが, 近年Stevens-Johnson症候群や多型紅斑とは異なる存在としてMycoplasma pneumoniae-ind

          マイコプラズマ誘発性発疹・粘膜炎

          次はいつRSウイルスの強く意識をしたらよいか

          一般小児科医から見て, 2021年におけるRSウイルスの流行には主に以下のような特徴がみられていました: ・従来ではあまりみられなかった時期に流行が発生した ・従来よりも流行の規模が大きかった ・地域による流行の発生時期のばらつきが大きかった 全国レベルでは2021年の7月半ばが流行のピークで, その後は徐々に報告数は減少し, 現在データが公表されている2021年末(12月下旬頃)においても, 報告数は比較的少ない状況となっています. ただCOVID-19パンデミック発

          次はいつRSウイルスの強く意識をしたらよいか

          日本脳炎の「注意報」について

          昨今さまざまな感染症が話題となりますが, その中では季節性をもつものも少なくありません. 一般的にもっともよく知られた感染症の1つであるインフルエンザは冬に流行することから感染症は主に冬に流行しやすい, というイメージもあるかもしれません. ただ夏でも流行に注意が必要な感染症は数多くあり, 小児における代表例としてはヘルパンギーナや手足口病, 咽頭結膜熱(プール熱)といった夏かぜなどがあげられます. それ以外でも注意が必要となってくる感染症の1つが日本脳炎です. 日本脳

          日本脳炎の「注意報」について

          徐々に広がりをみせるRSウイルス感染症

          2020-2021年シーズンは結局インフルエンザについて大きな流行が起こることがありませんでした. これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する感染対策がインフルエンザに対する対策と共通する点が多いため, 前者への対策によりインフルエンザの流行抑制に有効だったのでは, など様々な要因が考えられています. 2020年はインフルエンザの流行がみられないことと並行して, RSウイルス感染症に関しても例年のような流行の兆しがみられないことが一部で注目されました(図1:

          徐々に広がりをみせるRSウイルス感染症

          ワクチン供給不足の年齢別での影響

          *2021年5月24日改訂: おたふくかぜワクチンに関連した内容(1歳, 就学前1年)を変更 *2021年10月19日改訂: おたふくかぜワクチンの供給再開に関連した内容を追記 残念ながら, 2021年になってから子どもたちが関係してくるワクチンが相次いで供給不足となっています. 具体的には1月に日本脳炎ワクチン, 4月におたふくかぜワクチンの供給制限が発生しています. 日本脳炎ワクチンとおたふくかぜワクチンは, 定期接種か任意接種という点や, 標準的な接種年齢などが異

          ワクチン供給不足の年齢別での影響

          5歳以降での熱性けいれん

          熱性けいれんは小児期に発熱に伴って引き起こされるけいれん性疾患であり, 小児でみられるけいれん性疾患の中でも最も一般的である. 熱性けいれんは『熱性けいれん診療ガイドライン2015』で 「熱性けいれんは主に生後6-60か月までの乳幼児期に起こる, 通常38℃以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性, 非けいれん性を含む)で, 髄膜炎などの中枢神経感染症, 代謝異常, その他の明らかな発作の原因がみられないもので, てんかんの既往のあるものは除外する」 と定義されているように

          5歳以降での熱性けいれん

          溶連菌性咽頭炎

          溶連菌性咽頭炎は"溶連菌"とよく呼ばれるA群β溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)による咽頭炎で, 小児の代表的な細菌感染症の1つです. 溶連菌性咽頭炎は治療は単純ですが, 診断・管理などでは色々考慮すべきこともありますので, 簡単にまとめてみました. 要約・5-15歳に見られやすく, 咽頭炎の20-30%を占めるが, 低年齢ではより頻度は低い ・1年中みられるが, 特に冬から春にかけて流行しやすい ・発熱, 咽頭痛, 頭痛など様々な症状がみられる

          溶連菌性咽頭炎

          クループ

          はじめに・クループは犬吠様咳嗽が特徴的な小児でよくみられる呼吸器疾患であり, 通常吸気性喘鳴や嗄声を伴う. 分類・クループは原因や障害部位によって大きく以下の4つに分類される:(*12)  ・喉頭気管炎  ・喉頭気管気管支炎および喉頭気管気管支肺炎  ・痙性クループ  ・喉頭ジフテリア ・上記の分類のうち, クループの多くは喉頭気管炎か痙性クループである ・用語として似たものが多く, クループは総称して急性喉頭炎と呼ばれることもあるが厳密には異なるものである. 痙性クルー

          気持ちだけじゃ足りない

          テレビ番組において医療に関する不適切な情報が提供され, それに対して問題を指摘されている, ということが散見されます. こういった問題に対して, 作り手の中には「いいものを作りたい」という熱意を持っている人もいる, といった意見もあります. どのような方々が作っているかはわからないですが, ものすごい数の人を対象としたものを作るのですから, 情熱をもって取り組んでいる人がいるといえばたしかにそうなのでしょう. ただ, 大事なのは, 結果として集団から出されるアウトプットだ

          気持ちだけじゃ足りない

          肘内障のメモ

          はじめに・肘内障は小児でみられることがある肘関節の亜脱臼であり, いわゆる肘が抜けてしまった状態をさす. ・何らかの理由で腕が引っ張られることによって起こる. 疫学・肘内障は1-4歳, 特に2歳頃に起こりやすく, 性別としては男女差がないというものや, 女児の方が起こりやすいというものもある(*1, *2, *3). ・左腕にやや起こりやすい傾向がみられている(*1, *2). 症状・診断・肘内障は腕を引っ張られて発生するというのが典型的であるものの, 引っ張られる以外の

          日本脳炎ワクチンと「3歳」という年齢について

          日本脳炎は日本脳炎ウイルスによって引き起こされる感染症で, 現在では小児において極めて稀な病気となりました. ただし実際に発症した場合には重篤となることが多いです. 医療が発達した近年においても小児例の約半数で神経学的後遺症を残しています(*1). 日本脳炎の予防においては日本脳炎ワクチンが定期接種として導入されており, 自己負担なく接種することができます. 定期接種となっている他の予防接種では定期接種の対象年齢となったら速やかに接種を開始することを勧められているものがほと

          日本脳炎ワクチンと「3歳」という年齢について

          川崎病におけるフルルビプロフェン

          2020年10月に川崎病急性期治療のガイドラインが8年ぶりに改訂された(*1). 2012年以降に様々な研究結果により川崎病に対する治療のエビデンスが蓄積したことにより, 治療の進歩を踏まえての改訂となった. そんな中で川崎病に対する治療薬の中でも最も古くから用いられていて, 現在も標準的な治療薬の1つであるもアスピリンの項目にも様々な変化があった. 以下のような記載もその1つである. 治療前に肝逸脱酵素上昇があっても,KDの胆道系浮腫によるうっ滞性肝障害によるものであり

          川崎病におけるフルルビプロフェン