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DMMを退職して、Black Inc.を立ち上げました

2018年11月末をもって、合同会社DMM.comを退職しました。

入社の経緯

一部抜粋するとこんな感じです。

DMMで仕事することになったきっかけは、今年一月に告知された「DMMアカデミー」です。
18歳〜22歳限定でDMMのアセットを存分に使える機会がもらえるということで、募集要項をよく読まず応募してしまったのですが、フルタイムで契約社員形態のプログラムだと知ったのは、二次審査を通過し面接の直前になってからでした。
二年ほど前に数人と立ち上げたNEWPEACE Inc.に全力を注いでいるので、フルタイムでの契約は難しく、結果、「DMMアカデミー」は最終面接で辞退せざるを得ませんでした。
その直後、「DMMアカデミー」を統括している人事部長の方に、業務委託ならフレキシブルな働き方ができるのでどうか、というお誘いをいただき、挑戦してみることにしました!

聞くところによると、DMMとしてもこういった、直属の弟子のような形の採用はほぼ初めてらしく色々ご迷惑おかけするかもしれませんが、ご容赦ください。
ちゃんとは確認していませんが、「DMMアカデミー」を除くと、恐らく最年少なんじゃないかとのことでした。

自分は、エンジニア兼企画のようなロールで、IT戦略本部長の Osamu Iwasaki さんの弟子のような立場から、プロの仕事を間近に見て学びつつ、しっかりとした成果を出していきたいと思っています。

情報システム部でやったこと

入ってから一ヶ月ぐらい自由にしてていいよ、ということだったので、全巻揃ってるオライリー本を読んだり、色んな部署に顔を出して友達を増やしたりしていました。

社内にいないと実感がわかないかもしれませんが、DMMは今年20周年で、日本のIT企業としては結構歴史がある会社です。

当然、随所に「歴史的経緯」があって、それまでコミュニケーションツールは、Garoonのメッセージとメーリングリスト(Google Groups)、あとは部署によってSkypeとかChatworkとかSlackとかを使っていて、全員必ずアカウントを持っているのはメールだけ、という状況でした。

同時にDMMグループ全体の完璧な社員名簿も存在しないという状況で、分離した複数のLDAPからActive DirectoryかGoogle Cloud Identityに整理して統合しようとしていました。

その先駆けとして、まずはSlackを導入して部署ごとに分離したコミュニケーションをまとめましょうということをやりました。


DMMのSlack Enterprise Grid導入直後の2017/11に「Slack Developer Meetup - Tokyo」という日本初のSlackオフィシャルイベントがあり(日本語版Slackが発表される前日)、働き方改革やインサイドのビッグデータが活用などの文脈も絡ませた発表をしました。

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会長室でやったこと

ある朝起きて会社のメールをチェックすると、自分の所属が情報システム部から新設された「DMM.comグループ 会長室」という部署に変わっていました!

驚いて確認すると、採用を担当してもらった沼野井さん(入社の経緯を参照)が、人事部長から会長室室長に異動する関係で、自分の所属も変わったようでした。

かなり特殊な契約で入社させてもらった結果、それまでも正式な所属は人事部で実務は情報システム部で、という形だったので実際的には何も変わらないはずでした。

ところが、少し時間軸は前後するのですが、直属していた情報システム部長の岩﨑さんが転職するということで、結果、正式に会長室という肩書きになりました。

会長室の人数は自分含めて5人、ただ自分以外は部署としてまとまって、イメージ的には「DMMの特命係」のような仕事をしていて別行動なので、とりあえず具体的な仕事は与えられず放置するから、自分で仕事を見つけて、という感じでした。

最初は、DMMのエバンジェリストのような活動をしようかと、Apple WWDC 2018Firebase Summit 2018などの国内外のテックイベントに参加したり登壇したりして交友関係を広めたり、Streaming Conferenceというライブストリーミング系のイベントを主催したりしていました。


亀山会長の実家に泊まらせてもらい、新規事業を企画する

そんなある日、DMMアカデミー生の代表をしていて何度も飲みに行ったり、深夜まで一緒に仕事したりしていた親友の長谷川文二郎から、金沢でやる面白い新卒研修を一緒に受けに行かないか、と誘われました。

なんでも、マネジメントゲームという実際の経営に直結するようなボードゲームをやるらしいのです。

もちろん、と言って数時間後に出発の夜行バス(業務ではないので自腹)に、DMMアカデミー生2人と自分の計3人で飛び乗って翌日のマネジメントゲームを楽しみました。

そろそろ新幹線で帰るかというタイミングで、文二郎に亀山会長からメッセージが届きました。

亀山会長「金沢いるならうち泊まる?」

亀山会長の冗談半分のメッセージを本気にした3人は、そのまま亀山会長の実家に押し掛け、半ば強引にお邪魔させていただくことになりました(笑)。

ちなみにその時点で亀山会長とは1年ほど前にDMMアカデミーの面接でお話して以来ほとんどお話ししていません。。

「自分誰や?」と聞かれて、「会長室の小川です。」と言ったら「なんで俺の知らない会長室の人間がいるんだ(笑)」と言われたのがほぼファーストコンタクトでした。

とはいえ、マネジメントゲームの話をしたり、いまのDMMの話をしたり、その他色々これまで聞いてみたかったことを聞いたりしていたら、いつのまにか朝になっていました。

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(DMMの発祥の地である「KC」というレンタルビデオ店)


それ以来自分の名前を覚えていただけたようで、06月頃に亀山会長から、さくらインターネットの共同創業者でDMM.makeの立ち上げにも関わった小笠原治さんをアワバーで紹介してもらってこう言われました。

亀山会長「小笠原と一緒にDMMのインフラのコストを下げる方法を考えてこい。」

後日、小笠原さんとディスカッションしているうちになぜか、インフラのコストダウンが、toC向けサービスになってしまいました。

小笠原さんはお忙しいので関わっていただいたのはそのディスカッションだけで、方向性が決まったあとは1人で情報収集しつつ、お金の計算をしたり、市場調査したり、ビジョンを決めたりして、08月末に亀山会長と片桐社長にプレゼンテーションしました。

片桐さんからは特に好評で「とにかく、めっちゃいい!」と最後にも念を押すように言われたのが嬉しかったです!

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💡追記(2019/12/24
ここで書いていた「toC向けサービス」は「OOParts」ではありません。

今後について:スタートアップを立ち上げました

幸いなことに在職中から某六本木の人材ブラックホールな会社には、こちらから1度、その後むこうから1度、計2回真剣に転職を考えたり、その他様々な企業からアプローチをいただいていました。

ただ結局はDMMから転職しませんでした。
毎週のようにスタートアップを買収し、新しく松本勇気さんもCTOとして参画して、これからいままでにも増してエキサイティングな毎日が待っていることは想像に難くなかったからです。

しかし退職しました。
結論から言うと、自分で新しいスタートアップを立ち上げるためです。

じつは8月末にもNEWPEACE Inc.という3年半前に立ち上げたベンチャー企業を退職しました。

こちらのブログも読んだ人はデジャブかと思ったかもしれません(汗)

理由はまったく同じで、NEWPEACE Inc.を退職した08月末時点では、DMM社内でプレゼンテーションした事業にフルコミットするつもりだったのですが、様々な事情ですぐには事業部化して動き出すのは難しくなってしまいました。

亀山会長から示されたルートはふたつ。

ひとつは、いまあるどこかの子会社の役員になってマネジメントの経験を積むこと。

もうひとつは、この企画を持って社外で独立すること。

ただ、かつては起業に憧れたことがあったものの、直近で独立することは考えていませんでしたし、どうするか迷いました。

どちらの道も検討すべく、DMMの子会社であるピックアップの宮本さんや、ネクストカレンシーの乾さんハッシャダイの久世さんに相談しつつ、ベンチャーキャピタルにも話を持って行って、手探りの中資金調達も始めました。

結果として、お話ししたベンチャーキャピタルのほとんどから興味を持っていただき、最終的に数社と契約を結ぶ直前の段階で、最終調整をしています。

メンバーも知り合いの中から専門的な技術と信頼の両側面で最高だと思う人だけに声をかけ、ベターではなくベストなメンバーになりました。

エンジニアが5人、PRが1人、リーガルが2人(2つの弁護士事務所)、会計士・税理士が1人。

その他まだFixしていない人もいますが全体で10人弱のメンバーで始めることになりそうです。
一旦フルコミットは自分だけで、他のメンバーは複業のような形で手伝ってもらう予定です。

会社は2018/11/22に登記を完了しました。
社名はBlack Inc.(株式会社ブラック)としました。

これからは積極的に黒い服を着るべく、とりあえずZOZOで黒いTシャツを何枚か買いました。

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またメンバーも募集中です!
特にBizDev経験のある方、ソフトウェア開発ディレクター経験のある方、UI/UXデザイナーの方お待ちしています!

こちらまでメッセージください!
info@by.black
Facebook Messenger

事業内容を一般公開するのはもう少し先の予定です。
興味がある方はメッセージください、ごはんかお茶にでも行きましょう!

Alpha版のプロダクトは2019/03 - 04ぐらいにリリース予定です!

💡追記(2019/12/24
ここで書いていた「事業」は「OOParts」ではありません。

DMMの環境・待遇のよいところ

最近話題のNTT退職ブログにならって、会社の環境と待遇も書いておきます。

DMMの待遇は大変良いです。はっきり言って辞めたくないです。

具体的には、昨年(2017/06 - 2018/05)の年収は1,200万円ほどでした。

高校時代にある人から「新卒の年齢で自分は1,000万円以上の年収をもらっていた。」という話を聞いて、自分もそうなりたいと思っていました。
結果的に、自分はいま23歳・新卒1年目の年齢なので、ひとつの目標が達成できて嬉しいです。

もちろんDMMだけでなくNEWPEACE Inc.と複業などを合わせた金額で、個人事業主として確定申告も行なっています。
ただ少なくない割合をDMMが占めているのも事実です。

人生で初めて残業手当をもらいました。みなし残業などもなく、働いた分満額いただきました。

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住友不動産六本木グランドタワーのオフィスはめちゃくちゃ快適です。

暑かったり寒かったりすると途端に気が散って集中できなくなるのですが、夏でも冬でも気温や湿度が気になった記憶がありません。最適な温度になっていて季節を忘れてしまうぐらいです。

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通勤は渋谷の自宅から自転車で通っていましたが、15分弱で着くので寒すぎる日と雨の日以外は快適でした。

ビル内にある歯科もなるべく痛くないようにしてくれる先生でオススメです。

DMMの代名詞にもなっている24Fの「六本木のジャングル」という会議室スペースはいらっしゃる方みなさんに驚かれるのでやっぱりいいです!

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(ちなみに、どうやって植物が育つかたまに聞かれるのですが、夜間はこうやって日光っぽいものをあてています。)

PCも標準機はMacBook Pro 13-inchThinkPad X1 Carbonなのですが、15インチがいいと言ったら、発売したばかりの最新のMacBook Pro 15-inchを買ってくれました。

ディスプレイとキーボードも入社初日に希望を聞かれたので、MacBook Proと相性抜群の「LG UltraFine 5K Display」を所望したところ、流石に高額すぎるということで、Dellの4Kディスプレイになりました。キーボードは3万円ぐらいするHHKBを普通に買ってもらえました。

ルールや自由度は部署とポジションによってかと思います。
自分にとっては極めて自由でした。

DMMの環境・待遇の悪いところ

これはシンプルで、無意味なルールや習慣があることです。
例えば副業禁止や、朝の出社時間が決まっているなど。

ただ、これに関しては今後もっとグローバルに様々な事業を展開していく上で普通に障害になるはずなのでだんだん解決していくのではないでしょうか。

現状だと障害になりそうな部署内だけでルールが変わっていく形なので、小さいプレイグラウンドで試した結果を全社にフィードバックする仕組みがあるといいのかなと思います。

あとは、ルールや情報公開などあらゆることが、性悪説的なホワイトリスト(許可されるものを列挙する)方式で行われていることも問題です。

性善説的なブラックリスト(許可されないものを列挙する)方式に変わっていかないといけないんでしょうが、その価値観の変更は今後の課題だと思っていました。

まずはSlackのチャンネルのパブリックチャンネルとプライベートチャンネルの比率を逆転させるとかを目標にするといいんじゃないかと思います。

友達によく聞かれるのですが、DMMポイントが無限にもらえたりとか、社割があったりとかはありません。
噂で聞いたところ、かつて業務用のポイントを個人利用した人がいたとかいなかったとか。。

これも友達によく聞かれるのですが、社内でのアダルトの扱いは部署によると思います。直接触れる機会が多い部署もあれば少ない部署も。

ただ、デジタルコンテンツに関わりのない部署では触れる機会はないと思いますので、新規事業系の部署ならそんなに気にしなくていいと思います。

ちなみにマシーンラーニングの仕事をしているエンジニアの人がシーン解析をするための画像素材10,000枚ぐらいにそのシーンを表すタグ付けをしていたときは周囲の目がツラかったと言っていました(笑)。

まとめ

自分は高校を卒業してすぐにKAI-YOUというメディア企業に就職したのですが、そのときに就職したかった会社が3社ありました。

1. KAI-YOU
当時、自分のWebメディアをやりたくて参考にしていた。

2. DMM
当時はほとんど情報が出てこない謎の会社だったがDCMAテイクダウンの申請でよくみるのですごい会社だと思っていた。

3. Spotify
日本上陸宣言直後のSpotify。結局上陸するのはその数年後。


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(KAI-YOU時代に打ち合わせではじめてDMMのオフィスにお邪魔したとき。)


数年越しでDMMで仕事するという夢が叶って、最高に面白い仕事をさせてもらえて感謝しかありません。


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改めて、とくにお世話になった会長室の沼野井さん星野さん、情報システム部の岩﨑さん金井さん、DMMアカデミー生代表でいつも一緒に深夜まで仕事した“戦友”の長谷川文二郎、そして最後まであたたかいアドバイスを下さった亀山会長、ありがとうございました!

今後、日本ではDMMの潤沢な資本とリソースに端を発したPayPalマフィアならぬ「DMMマフィア」が続々と誕生するんじゃないかと思っています。

Black Inc.がそのひとつとなれるよう、突き進んでいきます!

今後ともよろしくお願いします!

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