見出し画像

スタワンプロって歌って見たの最適解じゃないだろうか?

我々スタジオの人間にとってはProtoolsが必須アイテムであり、何でもかんでもこのソフトを使う。とはいえ、コロナ以降で一気にDTM人口が増え(増えたよね?)、子供たちは「歌ってみた」という形でカラオケボックスに行くことなく、自分の歌声を世の中に解き放った。

マイク実験は他の記事で色々と書いてるのでいいとして録音して編集(ミックスダウン)まで行うとすると、Studio One Proって最適解だよなぁ、と思ったので、そこに関して触れて見たい。

先に言っておくと、このソフトの全ての便利機能を紹介するつもりはない。それは他の詳しいサイトやヘルプで探してもらいたい。

2mix音源がほとんどだからこそ

歌ってみたってのは、楽曲のインストは大体の場合作家が「商用利用じゃないならご自由に」という形で公開してくれているものを扱う。

ピアプロが多いのかな

こんな感じで入手した音源に対して歌を録音して、ミックスダウンして、という流れになる。

ほとんどの場合はすでに2mixされた音源を用いることになる。

当たり前だけど、曲として完成されているものになるので歌を乗っけることはできても、綺麗に混ぜるとなると至難の技

歌の入り込む隙間はあんまりない

この大前提に立つと、ちょっと工夫しないことにはインストに対してただ歌声を重ねただけで、超ダサい「歌ってみた作品」が生まれるだけになる。

そこで便利機能を手軽に使う

スプリッタの手軽さ

この画面の段階でわかる人には死ぬほど便利なことがわかるスプリッタ。この機能はStudio Oneの最上位版Proに搭載されている。

これは簡単にいうと名前の通りスプリット(分割)するのだが、左右であったり周波数であったりと使い勝手がいい単位で手軽に分割できる。それも分岐の数は増やすことが可能。

当然ながら分岐した先でプラグインを差し込むこともできる

実際に2mixのインストに対して、周波数帯である程度分割して、その帯域ごとにプラグインをさして調整して見たのが以下の画像になる。

一例

こんなふうに、2mix済みのインストに対して帯域を分けて、それぞれにプラグインを差し込んで調整していくことができるのだ。
これ、2mixのインストをいじる前提ならとても便利。むしろ、これなかったらセンド駆使して色々と準備しないとできない。

無料版のスタワンプライムで録音そのものに慣れた人や、インターフェイス購入してアーティスト持ってる人であればすでに操作は慣れているはず。
そういう人たちが次に「自分でセルフミックスだ!」となった時に移行しやすいだろうし、機能としてもこの一点だけでも歌って見たに向いている。

レイヤートラックで録音楽々

これは他のDAWでも存在しているものの、スタワンユーザーが案外気がついていない機能になる。というか、「存在しないわけはないだろ」ってぐらい仕事だと当たり前の機能なのだが、スタワンユーザーはなぜか使っていない機能なのでこの機会に紹介しておきたい。

レイヤートラックというのは、同じトラックに複数バージョンのテイクを保持できるものだ。

録音

トラックを追加せずに録音すると普通に上書きになる。
ただ、レイヤートラックを使用するモードにしておくと、そのトラックで録音したものは全て保持されて、部分的に採用などができる。

下が二回目のテイク

例えば、頭の部分は二回目の方がいい感じ!と思った場合は、その部分を選択するだけで自動的に差し変わる。この選択したら自動的に採用トラックに移動するのが本当に恐ろしいほど便利。トラックに録音せずにレイヤーに録音していくだけで、オッケーテイクだけ選んでいけばいいのだ。

選んだだけで自動的に上のオッケーテイクエリアに採用される
画像をよく見るとtake1とtake2で採用されているラベルがわかるはず
ここから歯車マーククリックするとメニューが出てくる

ただし、この機能はあくまでも一本のOKテイクを作るためなので、別テイクは別にトラックを作ってそこはそこでレイヤーを重ねていくことになる。

メロダインも使いやすい

もう見た方が早い。

トラック編集と同じ感覚で使える

見ての通り、トラックの波形編集と同じノリでメロダインを組み込めるので、操作に慣れている人ならとても便利に使うことができる。これも別にスタワンプロのみの機能ではないのだが、便利さ加減で言うとかなりのものとわかるはず。Protoolsのメロダインも今はこの感覚で使えるので使っているが、今までの別プラグインとして使う頃に比べると、はるかに使いやすくなっている。

ね、思ったよりも便利でしょ?

他にも使い勝手のいいところはクリップの音量調整が楽だったりと枚挙に遑がないのだが、ひとまず割愛。

仕事でどうというわけではないが、「歌ってみた」というネット文化で遊ぶなら最適解の一つであることはほぼ間違いないんじゃないだろうか。

当然DAWとしての完成度が高いのは事実なので、他のことでも全然使っていける。

教える立場なのでできる限りはワークショップなどで教えた内容を説明していこうかなと。地方の人やワークショップに事情があって参加できない人たちへのサポートが今後もやっていければと思っています。