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里親のため息(※注意!暗い気持ちになります)

家庭に迎えた里子、預かった母子手帳から読み取れる情報と情緒。

保護時に得られる情報は少なく、かつ、実母から出た情報しか無いので真実の全てを知る術は無い。

児相から預かった書類に目を通していると、母子手帳で手が止まった。

生後からしっかりと残っている予防接種の記録。

2歳半で記載は無くなり白紙となっていた。

その空白の期間に「なにか」が訪れ、3歳になる前に育児困難による緊急入院となり、そのまま児童相談所に保護され、実母は姿を消してしまった。

つい、考えてしまった。
赤ちゃんが泣くのは、悲しいからなのか?
否、知能の発達を考えるとまだ 不快感 しか感情が無い。 
悲しむという複雑な感情には至っていない。

2歳半の子どもはどうか?
調べたデータによると、喜怒哀楽の感情の分化は既に基礎が形成される。

きっと大人の私でも、その衝撃に耐える事が出来ないと思う。
そんな深い傷が心に有る子どもを育てる事、それが受け入れるという事だった。

18歳の成人するまでの間、衣食住の援助をすれば良い。
里親として国から最低限求められる事。

私がこの先15年をかけて、傷ついた心の傷を埋め、他人を愛する事が出来るように育てる事、これはエゴなのだろうか?

すぐ嫌だと泣く、やりたくない!とそっぽを向く。

15年かけて心の傷に塩を擦り込むような、そんな恐怖が頭にちらつく。
しかし、膿んだ傷は処置しないとどんどん悪化してしまう。

嫌な事、どうしようもない事、過ぎた事、、、、
煮詰めて一気に経験してしまった3歳の子。

どれほどの楽しい、嬉しいを得れば傷はいえるのか?

たぶん、一生癒える事は無いと私は感じている。

静かに寝ている里子の頭をなでながら、つい暗い寝室で一人、物思いにふけてしまった。

いろいろあって、ため息をつかせて頂きました。
お読み頂きありがとうございます。

PS
 『人間は忘れるから生きていける』
そんな名言があるように、忘れてしまうくらい忙しく、充実した人生であれば良し!それに、他人の痛みを解ってあげられる優しさを、すでに持っているのだからね、それってすっごく大事な事だからね!

おわり

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