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「何故わたしは恋人のCD棚を端から聴き、レビュするようになったのか漫画」を読んだ。

面白いマンガを読みました。いわゆる同人系ってやつですが。

一部で話題のブログ「うんいち〜運命の1枚をさがせ〜」
http://unmeinoidhimai.bangalog.com/

 それまで音楽にほとんど関心がなかったアラサー女子が、同居している音楽好きの恋人のCDを片っ端から聞いて率直な感想を書きながら「運命の1枚」を探す、というブログです。

 これを更新中の「とあるアラ子」さんが、なぜこういうブログを書くに至ったかという経緯を描いたマンガが「何故わたしは恋人のCD棚を端から聴き、レビュするようになったのか漫画」。

 ブログが面白いのでこのマンガも興味があったんですが、先日ようやく入手して、読むことができました。

タコシェの通販ページ

<ちょっとしたきっかけで音楽、映像、出版業界で働く人たちや、そのファンや読者と現場で、あるいはSNS上で接するうち、その世界に浸かりつつ違和感を感じるアラ子。自分の知識や情報の少なさにコンプレックスを持ちつつ、業界人と知り合っては、いっぱしの通ぶったり…の自分や周囲の人たちのカルチャー青春群像を描きつつ、その渦中で”表現”について、ちょっとまじめに考えながら、自分のメディアや表現を作り出そうとする女子の葛藤を描きます。>

 ブログの方は、音楽に興味も関心のない普通の女性に、マニア好みのオルタナ系ロック(が多い)がどう聞こえるか、まことに率直に書いてあって大変面白いんですが、このマンガも面白い。

 カルチャーにもサブカルチャーにも興味がない一般人の目に、音楽だの映画だのマンガだの出版だのサークルや、その周辺に群がっている人々がどう写っているのか、そのスノッブな生態が実に率直かつ赤裸々に書いてあって、痛いところを突かれたと思う人も多いだろう。

 自分のことも、恋人(私も知り合いの某フリーライター)やその周辺のサブカル系の人たちのことも、ダメなところすべて包み隠さず書いてあるが、主人公が、再会した昔の恋人に言われる一言はなかなか辛辣かつ本質をついている。

 「とあるアラ子」さんがブログを描く際に心がけているのは「賢く見られたいという雑念」を排除することだそうだが、これ、我々でも陥りがちな罠なんですよね。知ったかぶりをして、自分を賢く見せようとして、何かを貶すことで相対的に自分のグレードがあがったような錯覚、気をつけたいもんです。

 渋谷直角のマンガ『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』が面白いと思った人は読むといいでしょう。

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