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Who are you?Vol.6/Ayano


Who are you?は、オランダ在住の日本人の方々に移住のいきさつや日々の生活についてお話をうかがう企画。気になる移住ストーリーをはじめ、お仕事の内容や休日の過ごし方、オランダの好きな場所や地域についてお話していただきました。


第6回は、アムステルダム在住のAyanoさん。


①オランダに移住した理由は?

一番の理由は、コロナ渦で出社の必要がなくなったことです。
10年以上広告の仕事をしていて毎日オフィスに通っていましたが、コロナが始まって急にリモートワークに切り替わったんです。出社しなくても以前のように仕事ができたので、これなら日本にいなくても成立するのでは、と海外移住を考えはじめました。その頃ちょうど30歳だったので、海外にひとりで行ける最後のチャンスだと思って。
2021年の2月にワーキングホリデーでオランダに渡航する準備をしていましたが、出発の二週間前に日本がヨーロッパの入国リストから外れてしまい、計画を一度止めることになりました。悔しい思いをしましたが、せっかく決めた前向きな決断だったので移住はあきらめたくなくて。ワーキングホリデービザは年齢制限で使えなくなりましたが、個人事業主ビザの取得をめざして移住することにしました。
出発が延期になった分、オランダで個人事業主としてスタートする準備期間ができたのはよかった点です。営業活動の時間を取れたこと、また同年代で独立している仲間と仕事をお願いしあうなど、日本にいたからできたことだと思います。



②いつ移住されましたか?

2021年の9月です。当時はコロナでロックダウン中でした。
ヨーロッパに来たのは今回がはじめて。海外生活の経験もありませんが、オランダでの生活は楽しくて肌に合っているように感じます。



③お仕事について教えてください

コピーライターをしています。
10年以上広告業界で仕事をしていて、日本ではソーシャルメディアやマスメディア、CM制作などにプロジェクト単位で参加し、キャッチコピーの作成をメインに行っていました。
フリーランスになってからはより幅広く活動していて、スタートアップ企業のブランディングをお手伝いするなど、コピー作成だけでなくクリエイティブディレクターも兼任しています。人が言葉で説明できない想いを言語化して企業の成功を手助けするのが自分の役割。責任のある仕事ですが、好きなので楽しんで取り組んでいます。

HARRO/ハロー

本業とは別で、オランダに住む日本人の友人たちとオンラインフリーマーケットアプリ「HARRO/ハロー」の運営をしています。
アプリをダウンロードしてアカウント登録をすれば、売りたいモノを出品したり、欲しいモノの購入ができます。日本ではフリマアプリが生活に浸透していて気軽に必要なものを探せますが、オランダの日本人コミュニティではSNSや掲示板でのやりとりが主流だと知って、もっと簡単にモノを売買できる方法はないかと考えてアプリの開発に至りました。
運営メンバーは5名いて、私はキャッチコピーの作成、ブランディング、SNS運用などを担当しています。昨年の9月にアプリをローンチ、年明けにはHARROを知ってもらうためにフリーマーケットを開催して、来場者の方にアプリを試していただきました。現在は在蘭日本人に向けた日本語対応のアプリですが、今後はオランダ人の方にも利用してもらえるように英語対応も検討中です。また、いずれは他のヨーロッパの国で暮らす日本の方にも使っていただきたいので、利用可能地域の拡大をめざしています。

HARRO/ https://beacons.ai/harro.app



④オランダの好きな場所は?

レストランが好きで、アムステルダムウェストにある「Café Binnenvisser」とノードの「cornerstore」が特にお気に入り。どちらもモダンフレンチをベースにした、ワインに合うお料理が楽しめるお店です。
行ってみたい魅力的なお店が他にもたくさんあるので、グーグルマップのお気に入りにまとめて順番に試しています。



写真:Ayanoさん

場所ではないですが、どこにいても夕日を感じられるのがオランダの好きなところ。
東京は高層ビルだらけで空があまり見えなくて、気軽に夕日を見られるスポットがないように感じていました。
オランダは山がなくて建物が低いので遮るものがなく、比較的どこにいてもきれいな夕日が見えるんです。カナルと夕日のグラデーションを見るたびに、ここで暮らせている喜びを感じます。

写真:Ayanoさん



⑤休日の過ごし方は?

アクティブに過ごす日と、ひとりでゆっくりする日があります。
アクティブスイッチが入っているときは、1日で複数の友人と順番に会ってカフェやレストランをはしごすることも。

のんびりしたい日は、計画を立てずにひたすらリラックス。日当たりのいい部屋に住んでいるので、編み物や読書をしながら室内でひなたぼっこをしたりと、そのときの気分でひとりの時間を堪能しています。



⑥ヨーロッパの好きな国や地域

写真:Ayanoさん
写真:Ayanoさん


モンテネグロは、期待以上にすてきで好きになった国です。自分で旅行をするときに候補に上がる旅先ではなかったので、友人のバチェロレッテ・パーティーで行くことができてラッキーでした。昔の街並みを残したまま観光地化されている風情のある街です。コンパクトなので動きやすく、きれいなビーチがあってハイキングができる山もある。海鮮がおいしいので食事も楽しめるし、おすすめの旅先です。


フランスのパリとオーストリアのウィーンでは、芸術に触れてこころが震えた思い出があります。
ウィーンでグスタフ・クリムトの代表作のひとつ「接吻」を見たときと、パリのルーヴル美術館の前でチェロの演奏を聴いたとき、感動して涙が出ました。ずっと見てみたかった絵を見ることができた瞬間、人が行き交う中でチェロの音色を耳にしたとき、意図せず感情があふれだしたんです。ヨーロッパの美しい街並みの中に自分が立っていることや、ひとりで異国に住んでいる現実、今この瞬間に居合わせた知らない人たちと共有している時間をいとおしく思って、胸がいっぱいになりました。非日常が起こしたヨーロッパマジックだったのかもしれません。




写真:Manami
文:Mako

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