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浜松連珠会に行ってみた

10月、緊急事態宣言が全国的に解除されたので、遠くの連珠会にも積極的に行こうと浜松連珠会に初参加した。初めての会場、ほとんどが知らない人たちなのでめちゃくちゃ、正直めちゃくちゃ入るときに緊張した。それでも東京のあすなろ杯や彗星戦予選で対戦したことがあるK親子がいたから安心できたものの、東京連珠会の芭蕉記念館に初めて訪れた人は一体どれほど心細い気持ちで来てくれてたんだろう。もう少し優しくすればよかったと反省した。

心細かった私に主宰の丸山七段は「にゃんこならべがやりたいの?それとも連珠?」と聞いてくれた。「連珠です」と答えると「中学生くらい?」と更に問いかけてくれた。最初中学生のM子ちゃんの妹Hちゃんだと思っていたらしい。年女だけどワンチャン24にサバ読めないかしらと企んでいたがまさか12歳前後に間違えられるとは!丸山七段は東京から来たと言うとすぐに藤田麻衣子と気づいてくれてH子ちゃんに間違えたことを謝られたが、私はとっても嬉しかったですありがとうございました!!笑

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この日は斜月戦ということで、時計を使わず斜月に戦型を固定したのんびり対局を行った。お父さんと来ている娘さんや、お母さんと来ている青年、最近初段に昇段した若者など、みんなみんな優しそうで私と打つのにドギマギされていた。中には家の人にわざわざどうぶつしょうぎを届けてもらってサインを求めて来る方もいた。感想戦の声に「あー!ぞうさんがって話してたひとだ!」と気づいた方も。youtubeの講座も見てもらっているみたいで驚いた。コロナになってからすっかり普及活動も休止してしまい、自分の対局のことしかしていなかったので、こうして自分に会ったりどうぶつしょうぎを指したりして喜んでくれる人がいるということが感慨深かった。

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一通り全員と対局して、連珠会をあとにした。帰るときにみんなが1階まで降りてきて、出口で見送ってくれた。そして車で来たことに驚かれた。2〜3時間東海道を運転しながら、自分がいる環境は当たり前じゃなかったんだよなということをしみじみ感じていた。東京連珠会は最近は人が増えて活気が出てきてて、休んだり辞めたりしても新しい人が常に入ってきている。それに大きく違うのは、上を目指している人が多い。もちろんみんなが上を目指したほうがいいと言いたいのではなく、色んなスタンスの人がいるのが一番の理想だ。そういう意味でいえば、東京は上を目指す人、観戦する人、のんびり楽しんでいる人、運営好きな人、とこれでもまだ色々いる方だ。でも人が少なかったり新陳代謝が起こりにくかったりすると、どうしても多種多様なスタンスが生まれにくいだろう。東京連珠会は趣味の域を超えてストイックに取り組む人が多すぎてどうかとも思うし(笑)、浜松連珠会みたいにのんびり連珠を楽しんでいる人がいたのは嬉しかった。ただ例えばA級棋士の藤田五段の相手になる人はいないだろう。せっかく藤田五段の地元にあるのに難しいものだなと思った。

そうしてみると、趣味で同じ場所で同じ気持ちになれるとか、共感できるって結構奇跡的なことなのかもしれないなあと。だからコミュニティの数や色は多ければ多いほど過ごしやすくなる人が増えていいと思うし、コミュニティが作りにくい環境であるならばネットで仲間を見つけて補うのも大切だし、今あるコミュニティで交流しあえる人たちがいるならばそれぞれの価値観やスタンスを尊重して共存していくのが大事なんじゃないかなと思った。

浜松ではネットリーグ戦も行っているらしく、それぞれの対局に丸山七段がびっしりとコメントをつけたプリントが配られていた。地方のコミュニティはこうした人の熱意によって支えられている。あすなろ杯で対局したことのあるM子ちゃんがまだ連珠を続けているのも嬉しかったし、連珠会や周りの人に恵まれたおかげだろう。浜松連珠会があることもまた奇跡的なことだと思うので、お近くの方で連珠に興味がある方はぜひ一度訪れてほしい。



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