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連珠漬けの夏が来るッ…!

名人戦関東二次予選は4勝1分で、2020年以来2回目のA級出場が決まった。前回は初日で自力になったものの、プレッシャーで一睡もできず2日目に臨み、内容的にも大惨敗してプレーオフにもつれこんでの、ヘロヘロ通過だった。今回は全然違って、2日目の1局目勝てば通過、という条件の中、いつも通り寝て、いつも通り形勢悪くして、でもずっと落ち着いて「勝つこともあれば負けることもある」「目の前の局面で一番いい手、好きな手を探そう」「相手は何をやりたいのかな?応えたい」とあまりA級を意識せず平常心で臨めた。二次予選全体的にミスも多々あったが、終始この心境を貫いて浮足立たずに終えられたことだけは良かった。

関東では有望な若手が多く、チャンスはなかなか巡ってこない。ただ、正しい努力を続けていればこの先ずっとチャンスが0ということはないだろう、というような気持ちでこの何年か過ごしていた。自分なりに前を向いて。たくさん負けて苦しむのもきっと財産になるはず、と。そもそもまだ弱いのだから、目先のことより強くならなくてはならない。

それよりもWTがヤバイ


ところで最近の私は愛に飢えている。
というのもいつもすぐ褒めてくれてた中山九段がここのところパッタリ褒めてくれなくなったからだ。

棋譜を見せても
「可もなく不可もなく」
とそっけない講評。
愚痴を言って甘えても
「頑張りましょう」
とつれない返事。
「大体Katagoと一致してたよ^^」とLINEしたら光の速さで
「中村さんが見てお怒りでした。何が問題かというと…」と電話がかかってくる笑。

中山も私も浮足立たず、大いに危機感を抱いているのは8月に控えている世界選手権のせいだ。私は女子選手のみのトーナメントWTに出場するのだが、耳にした中国選手のレベルが高くて、このままでは相当にヤバい。

まずは世界ランク1位の汪清清。男性に混じってもトップクラスで数々の優勝経験がある。今更WTのタイトル欲しいの……??という疑問に思うレベルの方だ。現在は神谷八段と結婚して、日本に住みつつ、中国棋院で大会があればプロ活動をするために行き来している。今のところ連珠の軸足は中国に置いているけど、もしかしたら将来日本の名人になるかもしれない……そんな人(もうダメだ)。

続いての成艳珍五段は、2018年のSOPAI杯で岡部九段に勝利していて、わたしの全嫉妬を集めている人。いや、わたしも岡部さんに勝ったことはあるんよ…でもあれば先生が自爆しただけで、まだ満足いく一局は一度も打ててないんよ…。それなのにそれなのに…むきーーーーっ!!!(もうアカン)

最後は汪清清と同じ武漢棋院のホープ、黄湘凝。まだ20代前半で連珠の棋譜も少なく強さは未知数……だったが、ちょうど名人戦二次予選と同じ日に行われていた中国のWorld Renju Openで初日から3連勝。トップテーブルで元世界チャンピオンにして、Yixinとの番勝負で互角の結果を残していた祁观と対戦していた。その局は二次予選に向かう途中で中山神谷とLINEしながら見ていたのだが、途中黄湘凝に勝ちがあったようで私は死にそうになりながら会場に辿り着いた。そんな強いとかもう、、、、無理じゃん…!!!!!!!!!
(これを見てたせいで二次予選は気負わずにできたというのはあるかもしれない)

今回出ないけど左の李小青もTUEEEEEEEEのよ。世界は広いのよ。

というわけで、日本でぬるま湯に浸っているぴえこ、YABEEEEEとなって中山はあえて厳しくしてるんだと思う…。

わたしのMacのスクリーンセーバー。WTまであと44日。

中国では上3人はA級に出ても優勝やシード争いするレベルにいるだろう。そう考えると自分とは地力も知識もレベルが違うと思う。あと1ヶ月で私の連珠が戦える力をつけるのはかなり無謀な挑戦だ。

ただ、そういう人たちと戦えるのは幸せなことだ。珠王戦で惨敗したときはもう世界戦行かないほうがいいのかな…?と思ったこともあったが、やっぱり恥を偲んで行くことにしてよかった。こんなワクワクする経験ができるなんて、昔将棋界で腐っていた自分からしたら夢のようなことだと思う。9月のA級と併せて力いっぱい戦ってきたいと思います。どうか暖かく見守ってください。


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