ゆらりゆらりゆらぐ　夢のはじまり
縁もゆかりもない　街を歩く
ふわり肌にさわる　潮のかおり
僕ら歩いた　知らない人どうし

ひとつふたつ影法師　踏み外していく
ふたつみっつ気障（きざ）なこと
触れあってみたり

そこは海風の街（かいふうのまち）
僕らはただの旅人
目に映る景色全ては
まばゆいほどに輝く
縁もゆかりもない
ただの見知らぬふたり
見せつけあった秘めごとも
波の音がかき消すんだ

ふらり道を逸（そ）れる　うつつのさだめ
少し離れた　些細（ささい）なことで
またや移ろう　めぐり合わせ
そして再び　おもむくままに

ふたりひと時の
ぬくもりに触れて
ふたつみっつと流れ星　
はしゃいでみたり

そこは海風の街（かいふうのまち）
僕らはただの旅人
水平線　ともるあかりが
またたくたびに美しく
縁もゆかりもない
ただの見知らぬふたり
突き合わせた小さな孤独も
夜の闇に溶けていく

―――ゆらりゆらり浮世　夢のはじまり
どこへともなく　ただあてもなく
ふわり肌に触る　潮のかおり
ひとり歩いて・・・思い出した

ここは海風の街（かいふうのまち）
あなたはいつかの他人なのさ
目に映る景色全ては
あの日のように美しく
ここは海風の街（かいふうのまち）
すべては過去の中ににじむ
ささやきあった優しい言葉も
頬を撫でる潮のかおりも