日が沈み　待ちぼうけ　街灯はヘドロ色
時計の針　0時を回り
始発電車までのお楽しみ

目と目　合えば　目と目　そらす
こいつは許容範囲内、いや論外？
堂々と近づくのは無理
実は怖がり寂しがり
・・・夜闇の中猫目が光る

エンドループの中の回遊魚
真夏を泳ぐ誰もがJohn Does
目が冴える血が走る胸騒ぎ
反社会的欲望　俺ら哂われてなんぼ

偶然を装った
手が触れたつなぎの彼
染みる脇汗　流れまかせ
しゃがみこんだ　大の個室
破れかぶれ　破裂しそうだ
指先でなぞる
武者震って　
むしゃぶりついて

右曲がり、獣の誇り
無我夢中、しっかりご奉仕中
爆発寸前　もうだめだ！暴発とか言って　
あっという間に崩れ落ちた
・・・まだまだ足りない足りない

エンドループの中の回遊魚
大体顔見知りだけど　みんなJohn　Does
耳立ち鼻きかす　こいつも仲間だ
コントロール不能　獰猛　わきたつ衝動

「どこからともなく　　どこへともなく
埋立地に　公園のトイレに　映画館に　
街のはしっこの暗がりに　小便臭い暗闇に
夜が更ければ、どこからともなく集まって欲望に耽ける
法が裁き、正義が排除し　資本に塗りたくられた
巨大都市、東京の隙間を摺り抜けて
終わることのない日常から
底知れない非日常へとワープする
どうぜやってくる明日という日を殺したい
名も知らぬ誰かと、昨日までの物語を棄てて、ただ記号になりたい
ただ、動物のままでいたい
そう、僕らはただの『変態』です」

見慣れない顔の男たち
「何してるんだお前」「何もしてないさ」
振り返るときらり　銀色の何かが光る
「逃げろ！」声がした

一瞬の出来事　鈍い音
点滅しはじめるよ　便所の天井　
世界歪み　脳が震える　
ここはどこだろう？
何か奪われたみたい
そしてはっきり聞こえた
「変態のくせに！」

エンドロール流れるように
名前を亡くした
俺は誰だ　John　Does（ジョン・ドーズ）
誰か助けて、誰か誰か助けて
壊れちまった　もう手遅れだ