ミッドナイト・サイレント・ディスコ

深夜になると同じ部屋にいるのに静かに過ごそうという意識が生まれる
昼に同じこの部屋に居ればわかる
周りが活発に動いている雑音が当たり前のように耳に入ってくるから、自分以外のザッと半径2〜300メートル以内にいる人たちが活動しているのがなんとなく耳から感じる
となれば、この静かな深夜
エアコンのごうごう鳴るのが目立つのも辺りが静かな証拠
車の通る音や工事の音に負けるこんな風力設定を「静」にしているエアコンの音がうるさいわけがない

東京という街

一応23区

階段を降りて道に出れば、誰もいない

車も通らない

新宿や渋谷でもない限り、眠らない街でもない
全然東京だって眠る

音楽を聴きたくなる

かといってスピーカーでドムドム重低音なんて響かすわけもない

耳に密着する音漏れのしないイヤホンで音楽を聴く
しっぽり大人しく聴く

けれど聴く曲は、最高に盛り上がる絶頂最高ハイパーなノリノリのアッパーチューン

鳴り響いてるのは耳の中だけ

音漏れなんてしない

聴き慣れた曲だけれど、吐息に混じって歌詞をなぞるくらいで熱唱なんてしない

体は揺れているし、頭も振っている

口パクで歌っていたりする
だけども声には出していない
声に出したいなぁなんて思いながら声に出さないで抑えている

好きな曲、思い出した曲、最近気になっていた曲、自分がディスクジョッキーになって好きな曲を流す

それを静かな部屋で誰にも聴こえないように聴く

目を閉じて聴いたり、歌詞をなぞりながら聴いたり

そんなことを楽しんでいる

誰も見ていないし誰も知らないけれど、好きな音楽を聴きながら、キッチンで換気扇をつけて
、サビになったら灰皿にタバコを置いて、椅子の代わりに置いてあるバランスボールに座って縦に揺れている

そんなことは誰も知らない

でも、自分でもこんなことしてるんだから、他にもそんなことしてる人がいるんだろうなと思う


夏ですね スイカでも食いたいもんですわね