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モノクロームな「エル・プラネタ」

カラー映像が当たり前になってから
モノクロの映像に意味が与えられた

それは主人公の心情を、映る社会の雰囲気を
表すものとなった

「エル・プラネタ」はアーティスト、アマリア・ウルマンが
制作した長編デビュー作

レオはロンドンでの学生生活を終えた駆け出しのスタイリスト
父親の死を機にロンドンからスペインの実家の小さな街に帰ってきた
家庭は貧しく、食事もろくに取れないし、電気は止められ
作りかけの服はゴミと間違えられ捨てられる
お金欲しさにマッチングアプリで会った男はなんか違う
たまたま入った雑貨屋の店員の中国人の男と良い雰囲気になり
一夜を共にするが、翌日の朝になって子持ちの既婚者だと判明する
なんだがすべてうまくいかない母娘
これだけ見れば悲惨な現代社会に打ちのめされる二人を想像するが
映画はどこかユーモラスがあり、悲しくなりすぎないところがある
それはラストにも描かれるが、母親の肝の座った感じがそう感じさせるのだろうか。あの母親(アマリアの実の母親!)から生まれたのだから娘のレオもラストの後も大丈夫そうだ

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