WAIS-IV ウェクスラー成人知能検査⑤
3つ目:ワーキングメモリー指標(WMI)
1つ目が言語理解指標(VCI:Verval Comprehension Index)、2つ目が知覚推理指標(PRI:Perceptual Reasoning Index)でした。
3つ目は日本語-英語-略称のつながりを覚えるのが楽なワーキングメモリー指標(WMI:Working Memory Index)です。
ワーキングメモリーとは
ワーキングメモリーは聞いたことある言葉ですが、いまいち意味が分からないという人も多いのではないでしょうか。
ワーキング(working)は「仕事をしている」という意味で、この場合は「今現在仕事をしている」という意味があります。
ワーキングメモリーは現在作動中の記憶、といったイメージを持っておくとよいでしょう。
さらに具体的に言うと、ワーキングメモリーとは入ってきた情報を頭の中で整理して、どの情報を記憶し、どの情報は削除するのかを整理する能力の事です。
例えば会話をするとき、読み書きをするとき、計算をするとき、いつでもワーキングメモリーを使っています。
ワーキングメモリー指標(WMI)で何がわかるか
ワーキングメモリーがわかっていればこの指標は簡単ですね。
この指標では情報を整理し取捨選択する能力をみることができます。
例えばWMIが低いと、
・口頭の指示が覚えられない
・会話が噛み合わないことがある
・質問の内容と回答がズレる
・集中力がすぐ切れてしまう
といった特徴があります。
あれかぶってない???
最初から丁寧に読んでくださっている方は、指標の値が低い人の特徴について「あれ、かぶってない?」と思うかもしれません。
それは全く誤っていません。かぶっています!
それは当然です。
何かできないことがあった時に、その原因には様々な可能性があります。
例えば「熱がある」という症状があったとします。
風邪かもしれないですし、食中毒かもしれません。
もっと言えば、体温計が壊れているかもしれないし、測り方が間違っているかもしれません。
「熱がある」という症状の原因を探るのと同じことを、知能検査や性格検査はやっています。
このことは繰り返し語っていきたいですね。
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