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"インターン"から"アシスタント"の時代へ

最近、私のまわりで「アシスタント募集」がプチブームです。

【親方増量】ライター編集者に教育の機会を増やす!弟子をシェアして育て合う「パラレル親方」(※募集終了)

伊佐知美のアシスタントを募集します。(※募集終了)

アシスタントを募集してます(切実)モリジュンヤさん)

【アシスタント募集】“聞く力”を武器に一緒に文化をつくりましょうくいしんさん)(年末まで募集)

編集ライターのアシスタントを募集します小山さん)

この状況を見て、ふとこんなツイートをしたところ予想以上の「いいね」がついたのですが、これはアシスタントを欲している大人たちからのいいねなの、か…??

これはわりとふざけてつぶやいたのですが、後から考えてみて、もしかしてこれからはインターンより個人のアシスタントの方が人気になる時代がくるのかも?と思いはじめました。

なぜならば、仕事は「何をするか」より「誰とやるか」が大事だから。

今や大学生のうちからベンチャー企業でインターンをするのは珍しくもなくなりましたが、徐々に規模の大きな会社もインターンを採用し始めたことで、より下流の「作業」だけを割り振られるケースも増えてきたのではないかと思います。

もちろん社会経験を積むという意味では、オフィスで大人に囲まれて仕事をする体験はなにものにも代えがたいものですが、意思決定者から離れて黙々と単純作業をする、アルバイトに近いインターン経験になってしまうのはちょっともったいないなとも思います。

また、ある程度の規模の会社になると自分が入るチームを選ぶことが難しくなり、やりたいことができなかったり、合わない上司のもとで働かなければならない場合もあります。

なので、
それ、就職してからでもできるやん!?!?!?!?
と一通り社会人経験を積んだ身としては思うわけです。

もし私が大学生に戻れるとしたら上記で紹介したようなアシスタント募集に応募して、フリーランスとして働くということについて学びたいし、「付き合う人を変える」ってきっとこういうことがきっかけだよなとも思います。

特に、自分のやりたいことが明確になっていない人ほど、1つの会社でインターン経験を積み続けるより、人に付いていろんな会社や仕事のスタイルを見る方が、自己理解が進むのではないでしょうか。

私自身、就活の時に「その会社がやっていること」と「自分が会社でやる仕事」を混同していたなという反省があったのですが、就活前に世の中の会社というものが誰のどんな仕事で出来上がっているのかを覗き回ってみる経験は、そのあとのキャリアプランにも役立つはずです。

そして何より、個人のアシスタントをするということは、当たり前ですが「人を選べる」のがいいところ。

特に、今表立って「アシスタントを募集します!」と掲げるような人たちはライターや編集者など何かしら発信している人たちが多く、相性を判断するための素材がたくさんあります。

「こんな風になりたい!」と思えるような人と、卒業までの数ヶ月ではなく、その先の長い関係を築いていくこと。

個人のアシスタントになるということは、師匠のコミュニティに参加するということなので、想像以上に広く濃い人脈につながるのではないかなあ、と思います。

ただ、一方でメリットばかりではなく、双方に気をつけなければならないことはたくさんあります。

上記のツイートには私も完全同意で、人に付くということはかなり属人性が高く、相性によって教育コストも大きく変わってきます。

個人事業主の場合は契約なども自分で行っていることが多いため、企業に比べるとあらゆる部分が整備されておらず、トラブルが起きるリスクもあります。

また、定型化した作業ではなく常に違う仕事が降ってきたり、業務内容がどんどん変化していく可能性が高いため、変化への適性も求められます。

アシスタントへ応募する際には、そうしたリスクや適性を理解しておくことも重要だと思います。

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以前、「素敵な大人はみんな『あなたは何がしたいの?』を丁寧に聞いてくれる」という趣旨のツイートをしたことがあります。

いい師匠やメンターを見分けるコツは、この「あなたは何がしたいの?」をきちんと聴いてくれる人かどうかと言っても過言ではないと私は思っています。

それは社会貢献や慈悲の心ではなく、相手がやりたいことや、そこに繋がることをやってもらうのが一番効果的だからです。

私の周りでアシスタントを募集している人たちは、言ったことだけを淡々とこなしてくれる人が欲しいわけではなく、一緒に仕事を大きくしていってくれる人を欲している人ばかりです。

ただ、企業の募集と違うのは、自分の事業を大きくする部下がほしいのではなく、そのコミュニティに属する人たちがそれぞれにやりたいことを実現する中で、みんなで組んだ方がもっと楽しいことができるから、同じような力をもつ「仲間」を増やしたいという意識が強いような気がします。

こういう、ただの上下関係ではなく、労使関係でもなく、ゆるやかにつながって一緒に仕事をする仲間で集まって、また新たな仲間を生産していく流れは、これからますます盛り上がっていくのではないかと思います。

社会人だけではなく、学生のインターンも一社独占からパラレルへ。

そんな流れが今後加速していくのではないかなあ、とぼんやり考えているここ最近です。

(ちなみに私もそのうちアシスタントほしいな…と思っているものの、出会いに運命を求める派なのでご希望の方はどうにかコネを使って私との運命の出会いを演出してください…!)

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(Photo by tomoko morishige

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