死にたい。


そう言うと、じゃあ死ねば？
早く死ねば？と言う人がいる。

面と向かって言ってくる人はなかなかいないかもしれないが、主にSNSでの話だ。

確かにそれはそうだ。
早く死んでしまえれば、この鬱々とした状況から解放される。

伊達や酔狂で言ってるわけじゃない。
本気で死にたいと思っている。

…が、そう簡単には死ねないのだ。
死にたくても死ねないから歯痒い気持ちになるのだ。

死ぬのが簡単でない理由としては、やはり死への恐怖が一番大きいだろう。

加えて、残された者が悲しむということ。

私の場合はその割合が大体7:3くらいだろうか。(死への恐怖が7)

その他、人によっては確実に死ねる方法を知らないという人もわりといると思っている。
一応自殺の方法などの情報は規制がかかり、簡単にはたどり着けないようになっている。

本気で調べればいくらでも見つけられるが。

じゃあ死ねば？のような極論は、他にも多々ある。

恋人の愚痴←じゃあ別れれば？
仕事辛い←じゃあ辞めれば？
結婚生活辛い←じゃあ離婚すれば？

どれも簡単な話ではないのだ。

もちろん顔も名前も知らないネット上の意見なんて極論になりがちだ。
SNSの構造上仕方ない部分でもある。

ただ、仕事を辞めるにしても手続きというものがある。
引き継ぎもあるし、円満に辞めさせてくれるような会社とは限らない。

辞めたとて、その後の生活はどうする？収入は？ローンは？家族はどうやって養う？新しい仕事の当てはある？

様々な障害を乗り越えなければならない。
精神的にも制度的にも。

結婚生活にしても、多くの場合は相手に惹かれるところがあって結婚したと考える。
その場合、相手にも良い部分はある。

収入や周りの人からどう見られるか問題、子どもはどうするか、家具は？そもそも配偶者と揉めずに別れられるか？

やはり簡単ではないだろう。

世知辛い世の中。

「◯◯したい」と思ってもすぐにはできない、という事が往々にしてあるのだ。

ただし、SNS上での短絡的な極論とは別にして、適切なアドバイスとして「じゃあ◯◯すれば？」となるケースは存在する。

例えばヒモDVモラハラ男に身も心もぐちゃぐちゃにされているなら、一刻も早く別れた方がいいだろう。

残業100時間超え残業代未払いパワハラモラハラ上司つきの会社で働きうつ病になっているなら、一刻も早く仕事から離れるべきだろう。

こういった本気で危険な状態に晒されている人がもし周りにいるのなら、「じゃあ別れた方がいい」「じゃあ仕事から離れた方がいい」は適切な意見だと考える。

話を「死にたい」の場合に戻そう。

「じゃあ早く死ねよ」はこちらとてわかっているのだ。頭ではわかっている。でも死ねない。死ねない自分がさらに嫌になる。死ぬこともできないのか、と。

本気でやろうと思えば数秒で終わるのに。
それもままならない。だから辛い。

結論としては、「じゃあ◯◯すれば？」と言われても簡単ではないということだ。

生きてくって大変だ。