死と向き合わなくてはいけないのか
2週間ほど海外にでていて、少し余裕ができたので久々に母と電話した。
仕事の話をしたり、近況報告したり。
何気ない会話をしばらくしてた。
母はいま祖母の実家を訪れているようだった。2年前に祖父が他界してから、祖母は家政婦さんと暮らしていて、すぐ近くに母の妹が暮らしている。
ふと電話口で、母が声を震わせながらこんな話を始めた。
「昨日、おばあちゃんの呼吸が止まった。飲んでた水を突然吹き出して、急に苦しみだして。もうお母さんどうしたらいいかわからなくて、泣きながら叔母ちゃんと、おじさん(叔母の旦那)と、家政婦さんで背中を激しく叩いて。でもおばあちゃんの顔色はどんどん変わって、もう駄目だと一瞬思った。」
歩きながら電話してたけど、気づいたら信号の前で泣いてた。
「それでも背中をたたき続けて、祈り続けて、そしたらね、息が戻ったの。今は何もなかったかのようにピンピンしてるけど、本当に昨日はもう…。」
電話越しに母も泣いてた。
***
私は小学生の頃から、祖父母の死が怖くて、いつも会うたびにこれが最後なんじゃないかって恐れてた。
そうなったきっかけは小学校2年の頃。ひいお祖母ちゃんがなくなったことをずっと秘密にされてて、いつも「遠い国に旅行に行ったんだよ」と聞かされてた。
でもある日、親戚で集まったときの車内でそれが嘘なんだと知ってしまった。「ひいおばあちゃんが亡くなって、もうX年経つのか…早いね。麗華ちゃん(私)まだ知らないんでしょ?」
みんなは私が寝てると思ってたみたいだったけど、私はしっかりとこの会話を聞いていた。今でも忘れない。小学生だったけど、寝たふりを続けながら泣くのを必死で我慢してた。
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それ以来、自分の知らないうちに大好きな祖父母も急にいなくなるんじゃないかと、怯え続けてきた。死が怖い。自分の大切な人が死ぬのを見届けなきゃいけないぐらいなら、自分が一番先に寿命を終えたいってずっと思ってきた。小2のころからずっと。
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昨日も、私の全く知らないところで祖母の命が危なかった。幸い救われたけど、もう怖くて怖くてしょうがない。すぐに祖母に電話をしたら、いつも通り元気な声が聞けた。
でもその日はこの先必ずくる。後悔のないように一緒に過ごそうとか、できるだけ連絡しようとか、そんなことぐらいわかってる。
私は小5で父方の祖父、高2で父方の祖母、そして2年前に母方の祖父を亡くしている。そのたびに全細胞が張り裂けそうなぐらい、頭がおかしくなるぐらい、苦しい思いをした。
人間は、本当にもろい。
たった数分で、80年の人生に幕が閉じることがある。
人の死が避けれないのは当たり前。だけど、それでも私はずっと向き合えないでいる。写真を撮ると、これが最後な気がして、一緒に写真も撮れない。
こんなこと考えてるのもバカバカしいってわかってる。
そんな自分が大キライだ。
サポートすっごく嬉しいです、元気出ます(´;ω;`)ありがとうございます!