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1時間半かけ風を見せてやる

シリーズ・現代川柳と短文NEO/036

 まだあと10分ある、という油断が遅刻につながる。10分間もあればあれもできるぜこれもできるぜ、とわけのわからない強気が顔を出し、ついあれこれやってしまうのだ。「壺を焼く」「落語を覚える」「飼い犬に四則演算を教える」「ヒノキの角材から木刀を削り出す」「銀行の決済システムに侵入する」「結婚詐欺」「熱帯雨林を回復する」むろん、どれもこれも10分ではむりだ。最低でも11分間はかかる。そしてまた遅刻してしまう。

【本日の現代川柳】
1時間半かけ風を見せてやる
/今田健太郎

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