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【超短エッセイ】5円以上の5円玉の価値

とあるエッセイコンテストに応募した原稿です。

結果が出次第、別な形で公開するかもしれませんが、ひとまず置いておきます。

タイトル「5円以上の5円玉の価値」。ベトナムの話です。


私がベトナムに住んでから初めて迎える旧正月。テトと呼ばれるこの時期、親戚や近所の子供にお年玉をあげる習慣がある。私のマンションの隣人が親戚の10歳の女の子を連れてきたので、私はお年玉をあげてみることにした。
事前に調べたところだと、相場は50000ドン(250円程度)ぐらい? でも、ベトナムは外国の珍しい紙幣や縁起のいい動物がかかれた紙幣をお年玉にすることもあるらしい。
そこで私は、50000ドンに加え、財布で眠っていた日本円のうち5円玉もポチ袋に入れて、彼女に差し出した。
ベトナムには紙幣しかないからコイン自体が珍しいし、さらに穴の開いたコインとあって、彼女は5円玉に興味津々だ。彼女が5円玉の穴をのぞき込んで私を見た時のいたずらっぽい笑顔。
彼女は5円玉の価値以上に5円玉を楽しんでいたし、私は5円玉を財布の中に寝かせておくよりはるかに価値あるものを、彼女からもらった。



渋澤怜(@RayShibusawa

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「わたし遺産」エッセイコンテストに応募しました(2019年2月15日締め切り)。『「わたし遺産」として、未来に伝えのこしたいと思う大切な「人」や「モノ」、「コト」。その理由やエピソードを400文字の文章にまとめご応募ください。』とのこと。ネット応募受付が最終日だけ早くて(しかもめちゃめちゃ変なところに書いてあって応募直前に気付いた)、締め切り守れて応募できた自信がないんだけど、、応募できてるといいなー。だめだったら来年出す!笑

スキを押すと、短歌を1首詠みます。 サポートされると4首詠みます。