バツイチなんだが、果たしてこのままでいいのだろうか？今は良くても、一生このままというのは、果たして大丈夫なのだろうか？いや、その今ですら別に良いという訳ではないのではなかろうか…？

　わたしは一人で過ごすことにストレスを感じないので、パートナーがいないということに関しては、あまり気にしていない。しかしさすがに、全く考えないという訳でもない。

　離婚した元妻が（珍妙な手法で）こちらを支配してくるタイプだったので、グイグイ来る人はなんか怖いと思ってしまう。

　じゃあこちらから見初めた人にグイグイいくか！と思って、お付き合いできたこともあったが、結婚するまでには至らなかった。やはり一度は失敗した身、そこには心理的な壁があった。

　そんなことより、今現在のわたしは鬱と金銭問題による生活再建の真っ只中。たぶん、これを解消しても元のレールには戻れない。復職しても、メンタルの安定を第一にするため、今以上の出世は望まないだろうし、復職しなければ無職である。需要なし。

　需要、と言ったな。現代は恋愛市場という言葉もあるくらいで、自由恋愛の果てが美人・不美人、高収入・低収入といったステータスでトレードされる世界になってしまった。わたしは尚更やる気をなくす。人間より犬とか猫のが可愛くない？という考えすらある。

　しかし、今時は犬猫を飼うにも相応の資格がいるものだ。世話をするためには独身よりも夫婦の方が望ましく、医療を受けさせるための収入もなければならない。冷酷に聞こえるかもしれないが、わたしは基本的に動物にも医療を受けさせるべきだとは思うが、終末期の介護には反対だ。（あくまで死期を引き延ばす行為に関してだ。脚を一本失ったとか、そういうケースのことではない）

　『僕のワンダフル・ライフ』（たぶん…記憶が正しければ…）という映画で、動けなくなった愛犬に獣医師が注射を打ち、安楽死させるシーンがある。悲しいことではあるが、あれでいいと思う。人間とは違う。こういう考えだから、なおさら動物は飼いにくい。

　話を変える。２０代の頃、家電量販店でバイトしていたときに接客した、とあるカップルが忘れられない。二人は明らかに美男美女であったが、女性は顔の半分が、崩壊していた。これは比喩ではなく、文字通りの表現だ。

　昭和世代にしか通じない話だが、ビートたけし氏がバイク事故で入院後、整形手術を受けずにメディアのインタビューに答えたことがあった。（確か、本人が「このままでいいよ」と言っていたのを周囲が説得して、その後手術を受けた）あの時の顔と同じだった。

　おそらくは何らかの事故に遭い、長期に渡る入院を終え、楽しみにしていたショッピングに訪れたのであろう。彼女の方は、とても楽しそうだった。彼氏の心情は分からないが、そのカップルは仲睦まじい様子に見えた。なんだかんだ言って、これなんだよなあ、と思う。

　わたしだって、今の会社でもう少し出世すれば、平均年収を上回ることができた。社内で年周りの近い女性を捕まえて結婚すれば、世帯年収1,000万円のパワーカップルも夢じゃなかった。実際、そうなることを勧めてくる先輩社員もいた。

　でも違うんだ。今まさにわたし自身が鬱病によるキャリアの停滞（おそらくは、その後没落する）を経験している。顔がよかろうが金があろうが、そんなものは一夜にして変わってしまうのかもしれんのだ。五体満足でなくても、その愛は続きますか？と問われると、もう一人でいっかと思ってしまう。面倒がすぎる。

　結婚式はしたくない（あれ見せてどうするの？）し、指輪も嫌いだ。指輪をしていると、手が気になって仕方がない。苗字はまあ、変えてもいい。これまで女性ばかりが苗字を変えさせられてきた、その不便をあえて体験するのは勉強になりそうだ。お互いのプライベートは確保したい。趣味や楽しみは共有できることも、そうでもないことも当然あるだろう。あと、タバコは吸わない人がいい。喫煙者と交際した時点で、わたしも100%喫煙する。あと、歳は近い方がいい。若い子と付き合うと、捨てられる恐怖がつきまとう。

　とはいえ結局、そんな妄想をふっ飛ばすのが「出会い」というやつだ。社会が「かくあるべし」とする恋愛の条件など全部抜きで、「この人が好きだ！」と思えることが最も重要で、唯一の要件だ。

　…などとほざいてみたが、理想はアレだな。公園のベンチに一人で座っていると、汚い子猫がやってきて「何だ、お前も一人か…」とか言って牛乳を分け与えるやつ。アレがしたいけど、ペット禁止物件なので連れて帰れませんでした。というオチかなー。それ、悲しすぎるからやっぱりいいわ。

　まあとにかく、恋愛どころか動物も含めた他者と付き合う能力に欠けているのかもしれんね。おかげさまでオキシトシンが常時欠乏状態ですよ。IKEAのサメ抱いて昼寝しよ。