特別支援学校のこと

今回は特別支援学校について書こうと思います。
息子が白血病になって初めてお世話になったのが病院の院内学級でした。そこの先生たちには本当にお世話になりました。病気の治療中だったから精神的にもしんどい時に、時間がある時は勉強が出来なくても病室に顔を出してくれたり、長期入院で遊びらしい遊びもなく退屈しているだろうからと、いろんなボードゲームも仕入れて頂いて一緒に遊んでもらったり。すごく支えてもらいました。

初めての登校

退院後に訪問学級を経て学校に通うことになりました。病気のことがあったのでものすごく不安だったのですが、病院の院内学級の本校で知っている先生もいたから、少しは不安が和らいだのを覚えています。

息子も同じくらいの年齢の子どもさんたちと一緒に学校に通うことは初めてだったので、最初こそ緊張していましたがだんだんと慣れていくことが出来ました。
生徒の人数もそんなにたくさんいる訳ではなく、みんな何らかの病気を持っている子どもさんたちばかりです。だからこそそんなに乱暴なことを言う人もいないし、ずかずかと踏み込んで来るわけでもなく、どちらかというと他人に対して気遣いが出来るからちょうど良い距離感を持って人と関わっていたように思います。プライバシーのこともあり、誰がなんの病気かとかは分からなかったけど、それを無理矢理聞き出すようなこともしなかったし。ただ、うちの息子は「僕、白血病なが」と最初からカミングアウトしてましたが。

特別支援学校というと重症の子どもさんが行くところっていうイメージがあると思いますけど、息子たちが通っている頃は心の問題で普通学校に通うのが難しい子どもさんや発達障害の子どもさんも来ていました。
息子たちの通うもっと前には確かに重症の子どもさんっていう前提があったみたいですけど、そこは時代に合わせて学校も変わって来ているみたいです。

普通学校との違い


特別支援学校と普通学校、何が違うかって言うと、そんなに大して変わりません。なんとなくいろんな行事がないんじゃないかとか、勉強は普通に出来ないんじゃないの、とか思われるかもしれませんが、本当にそんなに変わりません。

参観日も普通小学校よりは少ないかもしれませんがちゃんとあるし、校外学習でいろんな所に行ったりとか、文化祭とかもあります。
唯一違ってたことは、運動場がなくて、体育の授業がなかったことです。体育館はあったけど、病気の子どもさんが多くてそもそも運動が出来ないっていう子が多かったから。でも今はそんなことはなくて、運動場もあるし体育の授業もあるみたいです。
校外学習では息子たちの頃は美術館や郊外の牧場に行ったり、テレビ局に見学行ったこともあるし、ピザ作りをして来たこともありました。

普通学校と大きく違うのは、病気の子どもが来る前提なので、そういった面でのサポートが充実しているところです。
例えば息子は一時期頭痛がすごく酷くて学校に行けないとか早退する日がけっこうありました。そんな時教室の後ろにベッドを置いてくれて、そこで授業を受けてもいいよって言ってくれて、時々はベッドで授業を受けていたみたいです。

苦手を克服

それから当時は電車で来られてる生徒さんがいて、学校が終わって先生が電停まで送ってくれたりとか。

今は苦手なことを克服しようってことで通学も1人で出来るように訓練(練習)してくれたりするみたいで。電車に乗って、電停から家まで自分で歩いて行ってっていうのを何度か先生と練習して、それから1人で出来るように先生が少し後ろからついて行って見届けてくれる、みたいなこと。なかなか親御さんが忙しくてそういった練習は出来なかったりするのですが、学校でそれをカバーしてくれたり。

あと、教室に来られない子どもさんにはリモートで授業に参加したり、卒業式もリモート参加、みたいな。なかなか教室に行けない生徒さんにとってはすごくありがたいことですよね。
行きたくないわけじゃない、行きたいけどどうしても行けないっていう子どもさん、けっこういると思うので。
子どもさんの症状に合わせて対応してくれるっていうのは本当にありがたいと思います。

安全基地

息子が行っていた頃は、今のように時代に合わせて変わって行く前身の頃だったから、今よりは手が足りてなかったかもしれません。それでも息子や同級生のお友達は、特別支援学校に救われていたんだと思います。
今でもその時の同級生のお母さんと「あそこは子どもたちの安全基地だったよね」ってお話しすることがあります。
普通小学校の方で拒まれて行くところが無くて困っていたところに手を差し伸べてくれたところ。そこに行けば無条件で自分達親子を引き受けてくれたところ。行っている時はいろんな心配をすることが無くて、痒い所に手が届く支援をしてくれたところでした。

発達障害もすごく研究されて来て、今まで以上に病気のことが詳しく分かるようになって来ました。他の子どもさんと同じことが病気のために出来ないとかも分かって来ているので、そこは無理して普通小学校へ行かせるのではなく特別支援学校を頼ってもいいと思います。
それから普通小学校に通ってていろんなことにぶつかって、学校になかなか行けなくなった子どもさんとか。

どうしても今いる環境が辛くてしんどいのであれば逃げても全然良いし、身体を壊してまでそこに居続ける必要は全くないと思うから。
もちろんそこに入るためにはいろんな条件をクリアしないといけないとは思います。でも特別支援学校にはそういった困っている生徒さんや親御さんたちの受け皿になってもらいたいと切に願います。

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