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女心と春の空

あーあ。またやらかしてしまった。
どうして僕はいつも。


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先日、女の子とデートに行ってきた。二人で会うのは二回目。
僕史上最も髪型を決めて行った。前日に美容院に行ってきたばかりなのに、待ち合わせの一時間前にセットしてもらうためだけに再度訪問。髪のセットに10分もかけるなんて人生で初めて。さすが美容師さん。美容に疎い僕には到底再現できない、まさしく"デート用の髪型"になっていた。

色んなところに行って、美味しいご飯を食べ、景色を眺め、ツーショットを撮り、二人でたくさん話した。楽しかった。前回よりもその子のパーソナルな一面を多く知れたと思う。
でも、家に帰ってきた時、どっと疲れた。
なぜだろう。

現在、僕には他に気になる女性がいる。しかし今のところは諦めているし、デート中にその人のことを思い出して気が漫ろになることは全くなかった。むしろ純粋に彼女との時間を楽しんだし、一緒にいてかわいいと思う瞬間はたくさんあった。それでも、帰ってきた後、なぜか疲れた。

それに、もう次はないだろう。
あの日の自分の言動と彼女のリアクションを振り返ると、僕はとんでもない過ちを犯していた。

ご飯を彼女よりもだいぶ早めに食べ終えてしまったこと、
不案内な土地で彼女が先導した場面がまあまああったこと、
よくある恋愛トークができなかったこと。
いずれも結構な反省点だが、それよりもっと重大なミスをしていた。

『彼女の体調を気遣えなかったこと』

彼女は何度か咳をしていた。それも軽いものではなく、ぶり返す感じの。
この前、久しぶりに風邪を引いたらしい。でも今はすっかり治ったと。僕はその言葉をすっかり鵜呑みにし、彼女が何度咳をしようと「治ったと言っている割には多いな」と内心思いながらも、特に声かけや配慮はしなかった。一度だけ「大丈夫?」と訊いたが、大丈夫と言われたのでそのまま。本当何してんのよ自分。。女子の言う『大丈夫』は大丈夫なわけないのに。

2回目のデートだから、ちょっとでも関係を進めたいという邪な心がどこかにあったんだろう。僕は恋バナをする機会を伺っていたし、ツーショットをお願いされた時は(よっしゃ!)って思った。向こうから誘ってくれた。だからちょっとやそっとでは離れないだろうっていう慢心が、心の奥底にあった。彼女へのリスペクトが足りなかった。こんな僕と、二人きりで居ることを許してくれる彼女への。

自分の思いやりのなさ、女心の疎さ、彼女への罪悪感、この歳になってまだその程度の次元で藻掻いているという己の恋愛レベルの低さ。そのすべてをまざまざと感じさせられて、自暴自棄になりそうだ。


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何だか違和感があったのよ。前回はあんなに目をキラキラさせて、僕の発する一言一句にあらゆる感情表現で応えてくれたのに、今日はどこか落ち着いているなぁと。もちろん楽しそうにしている様子は確かにあった。まだ帰りたくない、いっぱい話せて楽しかった、そうぼやいていたのを僕ははっきり覚えている。ツーショットだって向こうから撮ってくれた。

でも、一緒にいた7時間の中で僕の名前を呼んでくれることは一度もなく、次の会う約束もしなかった。

公園の芝生のベンチに座り、GWでたくさん家族連れがいたからそういう人たちを見ながら結婚や恋愛の話をするタイミングはいくらでもあったけど、なかなかそういう空気にならなかった。世間話のノリで恋愛/結婚の話をしてしまい、一般的に付き合う前の男女が交わすような「どんな人がタイプ?」みたいな話はできなかった。

ただ彼女は自分は結婚できないみたいなことをちらっと言っていて、中学や高校の時の話を聞かせてくれた感じ、あまり明るい過去をお持ちではないご様子で、話を広げるのが若干憚られた部分はある。言い訳に過ぎないがね。

前回のデートよりも内面的な部分を多く話してくれて、彼女のことをより深く知れたのはよかったと思う。だが、前述の僕の失敗と相まって、これ以上二人の仲が進展することはないだろう。どれだけ僕の返信が遅くても2時間以内には返ってきた彼女の返信もだいぶ遅くなったし、ツーショットもまだ送られていない。


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結局、僕は彼女をどうしたかったんだろう。
単に仲の良い後輩なのか、恋人候補なのか、どちらでもない存在なのか。
ハッキリしないのを向こうも感づいていたのかもしれない。

異性って難しい。かわいいだけで近づいても、その「後」を保たせるスキルがないとすぐに燃え尽きてしまう。

あんな記事を書いていた時を思えば見違えるほど成長したと思うけど、それでも人並みにはまだまだ及ばない。
僕が彼女とラブホに入る日なんていつになるのやら。(真面目に言ってます)








これ以上、誰も失いたくないよ。。

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