輪廻、或いは劣化していく車輪

仮に寝るとしよう。
そして起きる。寝る前の自分と起きた自分、
果たして同一人物なのだろうか?
そこにいるのは自分の記憶を引き継いだだけの自分で、寝る前にいた自分は死んでしまったのではないか?

少なくとも、人間の体は多くの細胞の集合体である。
古くなった細胞は死に、新しい細胞が埋まる。
細胞の記憶情報を引き継いで、そっくりそのまま。
何が言いたいのか?つまり、つまりだ、
人間の身体ないし精神、意識というものは一つのように見えて、細胞の集合体であり、生き死にを繰り返しているというわけだ。
そろそろ寝るつもりだ。
明日の自分は何を考えるだろうか。
そしてさようなら今の自分。
辛さや寂しさまでは引き継がないでくれ。