見出し画像

連載:城東の奇跡~大激戦!東京15区選挙レポート 第4節:演説

 告示前最後の土曜日、私は豊洲へと向かった。

 豊洲駅前の交差点にて、パートナーズ街宣が行われるのだ。私はそこで、人生初の演説を行った。正直なところ、大変緊張した。スクリプトを作成してはいたものの、それを見ながら話すというのは自分のプライドが許さなかったので、結局何も見ずに演説を始めた。

 「豊洲駅前ご通行中の皆様、こんにちは。」
 挨拶のあと、江東区の古石場や東陽町、森下、豊洲などの様々な施設に足を運んだことを「マクラ」にして本題に入っていった。
「ここ江東区では、まもなく衆議院の補欠選挙が行われます。江東区の代表者が汚職でいなくなるという非常事態が起きています。しかし、ピンチはチャンス。江東区の皆さんが自らの手でこれまでの政治を転換する機会なんですから。」
 裏金問題や江東区における汚職問題は、他のスピーカーや政治家の皆さんが話してくれるので、私は酒井さんの実績や政策を江東区のスローガンや今の日本の課題と絡めて紹介することに専念した。
「さて、みなさん、先日、2023年に前年比で日本の人口が83万人減ってしまったというニュースが流れました。83万人ですよ?少子高齢化社会と呼ばれて久しいですが、これじゃあ日本、先細ってしまいます。世界に遅れちゃうじゃありませんか。ここ江東区のスローガンで素晴らしいなと思ったものがあるんです。こどもまんなか江東区、ってスローガンです。それを、『こどもまんなか日本』にしなきゃいけないんじゃないですか?そこで、酒井なつみさんはそれを体現する政治家です。区議会議員として子どもの権利の保証や子どもの医療福祉の充実に取り組んできました。まさに、『こどもまんなか』を実現してきたのです。それから医療に関して。新型コロナで医療機関が逼迫していました。今は随分収束してきましたけれど、またいつあんなパンデミックが来るかわからない。老若男女が安心して医療にかかれる環境整備は大事ですよね。それには現場の経験のある酒井さんはずばり最適な方だと確信しております。」

 とまあ大体このような内容のことを話した記憶がある。夢中で次の言葉を探していたので、実際には同じようなことを2度話したり、話を行ったり来たりしていただろう。しかし、何とかよどみなく話せたのは自信になった。そうとはいえ、私は野田佳彦元総理や枝野幸男前代表の演説が大好きなのだが、その足元にも及ばない。野田さんの肩の力の抜けたユーモアある格調高さに枝野さんの気迫みなぎる重厚感。あのふたりの政治家に対する尊敬が深まった経験であった。

 街宣には、地元江東区の方や早稲田大学の小原隆治先生も参加されており、にぎやかな「市民のナマの声」が豊洲にこだました。「市民の政治参加」が体現された瞬間で、個人的にも非常に楽しい思い出になった。

 こうしてパートナーズ街宣で場を盛り上げたところでいよいよ「真打」登場である。酒井なつみ街宣カーが、やって来たのだ。長妻昭都連会長(政調会長)に続いて車から降りてきた酒井なつみさんの凛とした姿に私は鳥肌が立った。

 この人なら、江東区の政治を変えてくれる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?