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話題の「やせ薬」のパーキンソン病治療薬としての実力やいかに?

日本でも「奇跡のやせ薬」として話題の「セマグルチド」が、今度は早期のパーキンソン病の進行を遅らせる可能性があるという早期の臨床試験データが発表された。パーキンソン病とは脳に進行性の(元に戻らないで悪くなっていく)変性の起きる病気で、震えやこわばり、動作の緩慢、認知症などさまざまな神経症状を示す難病だ。米俳優マイケル・J・フォックスが20代で若年性パーキンソンにかかったことを知っている人もいるだろう。難病情報センターによれば、日本では1000人に1~2人、65歳以上では100人に1人がこの病気にかかり、約20万人の患者がいる。

一方、「日本人の国民病」とも呼ばれる糖尿病の薬として開発されたセマグルチドは、新たに肥満治療薬としてのとしての承認を得てブロックバスターとなったが、その後もパーキンソン病薬やアルツハイマー病、依存症治療薬などとしての治験も進められている期待の化合物だ。こちらのnoteに詳しく書いたので参照して欲しい。

一見、何も関係のなさそうな糖尿病とパーキンソン病だが、糖尿病の人は、糖尿病でない人に比べてパーキンソン病の発症リスクが40%も高い。また、

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