Teen Vogue 2023年4月号 テミンインタビュー 翻訳

テミン除隊後初のインタビュー:「生き方を学んだ」
K-POPアイコンが義務である兵役を終え初めてのインタビューですべてを語った。



By Stacy Nam
2023年4月28日

ダイアモンド型のペンライトの海を見つめるテミンの表情豊かな瞳は、感情でいっぱいだった。2023年4月22日、2時を少し回ったところ、慶熙大学平和の殿堂で4度目のファンミーティングRE:ACTが始まった。テミンがファンと直接会ってパフォーマンスをするのは3年以上ぶりだ。

1年10ヶ月と5日の兵役を終えてからほんの数週間しか経っていないが、テミンは完璧なパフォーマンスを披露している。時の経過を感じないと言うより、離れている間も様々な形で成長し続けてきたという感じだ。テミンのステージを見ていると、天職という言葉が思い浮かぶ。ステージに立つことが天職であるようだ。ステージ上をゆっくりと歩きながら、会場にいるすべてのファンに手を振る。彼の歩みに合わせて上がる歓声や揺れるペンライトを見て、彼の顔にはスウィートな笑顔が輝き頬を丸くする。ようやくステージ中央に立つと、咳払いをし、深くお辞儀をする。「こんにちは 皆さん、SHINeeのテミンです。」と挨拶をする。アイドルのアイドルがついに帰ってきた。

4月23日の公演の間に行われた除隊後初のインタビューで、「活動休止が辛くて苦しくて、とても恋しさを感じていました。」とテミンは語る。会話の間、K-POPのアイコンは物腰柔らかく雄弁で、全ての感情が彼の目に映し出される。「でも、その永遠に感じていた活動休止期間も過ぎて、終わりを迎えました。戻ってきたら、より強い人間になって戻ってこれたような気がします…イテミンという人間の内面にある基盤がさらに強固になったように感じます。」

テミンのステージ上での存在感は、静かだが威圧するような激しさを持ち、しなやかな官能と優雅な動きが特徴的だ。休止の間に、彼の歌声はさらに力強くなった。テミンの場合、指のスナップや顔に触れるなどいかに小さな振り付けの変化も、彼がステージ上で創り出す詩を理解するアーティストであり、それらを緻密に付け加えているものだと信じて良い。

RE:ACTは、パフォーマンス、トーク、ゲームコーナーを組み合わせて構成され、テミンとファンが再会を果たすのに最適なアットホームな場となった。本人曰くINFPであるテミンが、全4公演のMCを務め、遊び心のある掛け合いや、本心がこもった回想、ファンのメッセージの読み上げなども行った。また、귀여워서 미안해 챌린지(かわいくてごめんチャレンジ)やNew Jeansの”Hype Boy"ダンスなど、流行りのチャレンジも披露した。さらに、約1時間半の公演のセットリストには、"Climinal"や"Advice"のみならず、"Black Rose"や"Snow Flower"といった名曲も含まれた。その他にも、“Pansy” “SAD KIDS” “Think of You” “Flame of Love” “Rise” そして “I Think It’s Love” のメドレーも披露した。

“I Think It’s Love”の音楽がフェードアウトする中、テミンは柔らかく微笑みながら手を振って別れを惜しむ。「ありがとうございます。皆さんのおかげで僕はとても幸せです」そして「大好きです」という最後の一言とともに、彼はステージを去る。瞬間、真夏の夜の夢から覚めたような虚しさを覚えたが、これからは四つの季節全部を一緒に過ごそうというテミンとの約束が脳裏に蘇る。現代において最もアイコニックなアーティストの新しい幕に、楽しみや期待を寄せている。

以下、入隊前について、人生に対する考え方の変化について、それから、未来に向けて準備している新しい音楽についてテミンに聞いた。

Vogue(以下V):入隊前、多忙を極めていたことを覚えています。入隊日を目前にして、どんな心境でしたか?
TAEMIN(以下T):すべてのことに全力疾走していました。目の前のことに集中しすぎて、周りがよく見えませんでした。過去の思い出たちが、万華鏡を見ているかのようにフラッシュバックしました。それらの思い出たちに別れを告げているような気がしました。虚無感もありました。僕にとって、それは辛い現実でもありましたが、より強くなるチャンスでもあり、自分を安定させてまた立ち上がれるチャンスでもありました。活動休止が辛くて苦しくて、とても恋しさを感じていました。でも、その永遠に感じていた活動休止期間も過ぎて、終わりを迎えました。その時間があっという間だったと感じる人もいるかもしれませんが…

V:あっという間ではなかったです。500年くらいに感じました。
T:(笑)戻ってきたら、より強い人間になって戻ってこれたような気がします。簡単には崩れ落ちない、成熟した人間に。イテミンという人間の内面にある基盤がさらに強固になったように感じます。

V:イテミンという人間についてもう少し聞かせてもらえますか?
T:自分を客観的に振り返る時間を持つことができました。これまでの生き方は、極めて主観的でした。自分が考えていることが例外なく正しいと信じていました。でも、自分がどういう人間なのかがわかりました。自分にとって、何が難しくて、何がストレスで、何が原動力で、何が僕を本当に幸せにして、何が僕を満たしてくれるのかがわかりました。振り返ってみると…これらは非常に簡単な質問です。もし誰かが、「あなたの好きなものは?」と聞いたら、「ああ私は、〇〇、△△が好きです。」と答えるはずです。誰かが、「人生で最も大切なものは?」と聞いたら、僕は何と答えたら良いのかわからなかったと思います。それまで生きてきた中で、そのことについて考えたことがなかったからです。僕はいつも忙しく、慌ただしく過ごしてきたので、自分が好きなものや趣味など、基本的なことが「わからない」ようでした。1日の残りの時間をどう過ごすかと聞かれたら、僕は有意義にその時間を過ごす人間ではなかったと思います。僕はただ「ああ、どうしよう?」と思うだけで、そこで止まっていました。でも活動休止中に、そういった部分を少しずつ学ぶことができました。今では、自分の性格や人間性が、同年代の人に近づいたと思います。

V:自分の好きなものや趣味を探ることができたとおっしゃっていましたが、どんなものが好きですか?
T:これは本当に大事なことだと思います。以前は、日常生活を送りながら、「僕はステージで生きて死んでいくんだ。」というような漠然とした考えを持っていました。でも正直なところ、24時間ずっとステージの上にいるわけじゃないじゃないですか。もし誰かが、「じゃあ(ステージ以外の)残りの時間は何に費やすんですか?」と聞かれたら、今はその答えが見つかりました。生き方を学んだと思います。趣味を開拓すること、アクティビティをすること、新しいことを学ぶこと、友人と会うこと、美味しいものを食べることだったり。僕はこういったこと全てに時間を費やしました。夜、友人と会うこともありました。一度、映画館で一人で映画を観たこともありました。顔を隠して、たくさんの人がいる所に行って、「わあ、ショッピングモールでこんなに沢山の人の中にいるんだ。」と思ったりしました。

V:誰かあなたのことに気づいた?
T:誰も!誰も僕に気づきませんでした!

V:本当に?
T:はい!ああ、それから自転車にもたくさん乗りました。毎日を有意義に過ごす方法を学ぶことができて、とても楽しかったです。もちろん、家でのんびり過ごす日は誰にでも必要ですが、以前はあまりにも無意味に日々を過ごしていたような気がします。

V:ファンミーティングの中で、夜な夜な自分の過去のステージをモニタリングして評価していたとおっしゃっていましたね。どんな評価を下していました?
T:例えば、SHINeeの“Don’t Call Me”と“Code”のステージを見ました。“Atlantis”がその後に続いて。正直に言うと、“Atlantis”の準備をするのにあまり時間がなかったんです。もっと練習できていたら、たとえ辛くても、完成度はもっと高かったはずです。最近は、どの音楽番組でもソロのチッケムがあって、曲の振り付けを最初から最後までフルで見ることができます。それを見ながら、「ああ、もっとちゃんと練習しとけばよかった」って思ったりしていました。長い間活動してきたので、カメラが僕にフォーカスしている時としていない時が、あまりによく分かるんです。カメラが僕に向いていないと、僕はちょっとこう[腕を振り回してふざけ顔をする](笑)

V:でも今はどの音楽番組でも4Kカメラを導入しているので、全部を撮られちゃいますよ。
T:そうなんです(笑)

V:除隊してすぐにファンミーティングの開催を決めましたね。しばらく休止されていたのに、こんなに早く公式のスケジュールが決まるのは簡単ではないと思います。なぜこんなにも早くファンミーティングを開催することに決めたのですか?
T:(離れていた期間が)長過ぎました。僕の活動休止期間が他の人よりちょっと長かったんです。2022年のクリスマスに再会しようとファンに約束したことがずっと頭にありました。この約束を守れなかったことがとても申し訳なかったです。それから、「(僕のファンに)早く会いたい。できるだけ早く会いたい。」と渇望していました。緊張もするけれど、急いで会いたい。そんな想いが僕の頭の中を駆け巡っていました。焦っていたとも言えるかも?SHINeeのアルバムリリースが控えているので、SHINeeとして再会できるとは言え、それだけ長い間また待たせてしまうことになるので。その間に何もしないのは正しくないのではと思ったんです。

V:除隊した日のインスタLiveで、ファンの前にまた姿を出すのは緊張するし恥ずかしいと話していましたが、1公演目のファンミーティングでもその姿が少し現れていたと思うんです。最初にステージに出てきた時の感動がよく伝わってきました。3公演目にもなるので、もうその緊張はなくなりましたか?ファンの心を奪うステージの王、テミンに戻りましたか?
T:感動が押し寄せてくる場面が何度かありました。今はもう緊張さえ心地良いレベルです。少しずつファンとの距離が縮まってもっと気楽でいらるような気がしますし、見ている方にもそれが伝わっていると思います。

V:パフォーマンス部分では、少しリミックスしたバージョンや、“Hypnosis”の場合はコンサートバージョンで披露した曲がありましたね。特に、“Criminal”のナレーションが、「もっと壊して」から、「僕の全てを破壊してこそ君の世界にとどまることが出来るのならば、僕のいる地の底まで君を引き摺り下ろせば良いだけだ。もっと壊して。」に変わった部分が気に入りました。いつ、またどうして変えようと思ったのですか?
T:もともと、“Criminal”をあのようにコンサートで披露できたら楽しいだろうなと考えていました。通常、コンサートではステージが延長されているんです。ナレーションが始まったら、そのナレーションに反応しながら延長ステージに進んでいくんです。演劇やミュージカルのようなレベルで、この曲を披露したいと思っていました。(コンサートができなかったので、)ファンミーティングで披露できたら良いと思って提案しました。“Criminal”の作詞家がこのバージョンも作成しました。この新しいナレーションのバージョンで、“Criminal”のバリエーションがうまく作り出せたと思います。今までと同じようにやるのが嫌だったんです。

V:SHINeeのアルバムを準備中だと思いますが、もちろんソロのアルバムもそのうち出るでしょう。新しくやってみたいことはありますか?
T:SHINeeとしては、これまで沢山のことを試してきました。ひとつとしては、SHINeeらしい爽やかなコンセプトで、キラキラ輝いて格好良いものをやってみたいです。また、ヒップホップもやってみたいです。ヒップホップベースで、SHINeeではまだやったことのないようなものを。80年代、90年代の音楽からインスパイアされたベースサウンドで、ソウルのあるヒップホップ曲。僕のソロとしては、他のアーティストとコラボレーションしてみたいです。アルバムの収録が始まったら、また考えが変わるかもしれませんが、今はそう考えています。

V:テミンの次のチャプターを待っている間に聴くべき曲として、一曲勧めるならどの曲ですか?
T:“I Think It’s Love”です。温かみを持っていて、何度聴いても飽きない曲だと思います。バックグラウンドで流しておくだけでもいい曲だと思います。

V:最後に、ファンにメッセージをお願いします。
T:待っていてくださってありがとうございます。大好きです。これから一緒に過ごせる時間をとても楽しみにしています。同じように楽しみにしてくださると嬉しいです。SHINee Worldであることを誇りに感じてもらえるように頑張ります。

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