名誉


静かな朝

それはとても静かな朝

わたしの呼吸だけが

部屋に淀んでいる

まだ何も知らない今日が

あの日の白百合のように

白いまま

ゆっくりと弧を描きだした


光が射す

光が射す

光が射す

目が眩むような陽を見たのは

どれくらい前のことだろう


夢に出るほど

母に縋りたくなったのはいつぶりだろう


窓から見えた海を

思い出しています


静かな目覚めには

朝の音があった

遠くから聞こえた

優しい音


光が射す


光が射す


光が射す


光が射す


光が射す


光が射す


光が射す


光が射す


光が射す


静かな朝

それはとても静かな朝


わたしの呼吸だけが
光に揺蕩う



rui ogawa

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?