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1. Bill & Melinda Gates Foundation, India Office

はじめに

 自分が感染症により強い興味を持つきっかけにもなったBill GatesとMelinda Gatesが共同議長を務める財団です。財団は"ALL LIVES HAVE EQUAL VALUE"をVisionとして掲げています。1,736人の職員を抱え、2021年の支援総額は$6.7 billion(67億米ドル)、開始以来$65.6 billion(656億米ドル)を支援しています。

Our mission is to create a world where every person has the opportunity to live a healthy, productive life.

BILL & MELINDA GATES foundation

財団のGrantmaking areas(助成分野)

インドにおける活動について

 ゲイツ財団は2003年にインドで、HIV予防プログラムであるAvahanをパートナーとして活動を開始しました。また、UNICEF, WHO, Rotaryなどとパートナーシップを結びインド政府のポリオ撲滅を支援し、2014年のポリオ根絶に貢献しました。
 現在は、結核、リーシュマニア症、リンパ系フィラリア症などの感染症に特に取り組んでいるそうです。結核ではインド政府が掲げる2025年までに結核を撲滅するという目標に向けて、電子処方箋制度などを活用して長期にわたる治療薬の服用を支援しています。
 特に印象的であったのは、男女平等とdigital financial inclusionへの取り組みです。デジタル口座を作ることによって、性別に関係なく資金的に自立することを手助けしたいとのことでした。

リンパ系フィラリア症の制圧活動

 リンパ系フィラリア症はフィラリアという寄生虫が原因になる蚊媒介性感染症でNTDsの一つです。感染するとリンパ系に影響を与え、足が象のように大きく腫れる象皮症を発症します。リンパ系フィラリア症の蔓延を防ぐためには、年1回4-6年間継続して感染地域で集団投薬する必要があります。

リンパ系フィラリア患者さんからのお話

 私たちが訪問した際に、リンパ系フィラリアの患者さんとZoomを利用してお話を伺うことができました。パートナーと共に、患者さんへ社会的なサポート(自助グループ)を実施しています。象皮症の症状を持つ方には症状を緩和するようなケアを実施しています。また、患者さん自らmass drug vaccinationの重要性を訴え、次の患者さんを出さないように取り組んでいました。

感想

 ゲイツ財団はインドの中央政府・州政府との連携を強固にしつつ、専門家と共に活動を行っていました。どれほどの命を救うことができるか?ということを大切にして、費用対効果を強く意識して活動されていると感じました。また、結核対策をはじめデジタルツールを積極的に活用していました。さらに、政府や国連組織、NGO、患者さんの自助グループなど様々な組織と連携し、「命を救うため」の活動を行っていると強く感じました。

参考資料


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