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Agile Japan 2022 北陸サテライトに登壇しました

この記事は株式会社LabBase テックカレンダー Advent Calendar 2022の12日目です。前日の記事はこちら
先日、下記イベントに登壇したので感想を記したいと思います。

基調講演: Joy,Inc. in Japan 北陸サテライト特別編

今回の基調講演はクリエーションライン株式会社 代表取締役社長 安田 忠弘さんによる「Joy,Inc. in Japan 北陸サテライト特別編」でした。

基調講演の内容はクリエーションラインさんのこれまでの歩みの紹介でした。会社の状況が最悪な状態で「会社を閉じること」を一度は考えつつも、諦めず会社を良くするためにお互いのことを知ることから始めたという話が非常に生々しく聞き入ってしまいました。

個人的に強く刺さったのは「リーダーには笑いものになる覚悟が必要」という話です。下記の「TED. ムーブメントの起こし方」に出てくる話ですね。

この動画では下記のようなことが伝えられています

  • リーダーには笑い物にされる覚悟が必要

  • 真の立役者は最初のフォロワー

  • 最初のフォロワーは実は一種の指導者でもあり、1人の変人をリーダーに変える

  • 最初に踊り始めるタイプの人は初期のフォロワーを対等に扱う大切さを覚えておいてください

  • 志の高い変人の最初の仲間になってあげてください

安田さんは毎月最終金曜日に社内懇親会を開催することから始めたそうです。ただ、徐々に参加者が固定化するようになりマンネリ化し、ひっそりと終了してしまったと。「場を作っただけではダメ。目的を明確にして周知が大事。もっと自分自身が踊らなくてはいけない」と思ったとのことでした。その後は社員と一緒にヴァル研究所を見学しに行ったり、外部から講師を呼んで「強いチームの作り方」のワークショップを開催したりと、自分自身で積極的に動いた結果、徐々に社内の雰囲気が良くなっていったそうです(自発的な改善チームが増えたとのこと)

自分の発表でも理想を描いて課題に対して解決策として小さな変化を起こすという話をしたのですが、変化を起こす側は不安(無関心やシニカルな反応があったら辛い)になるんですよね。今回の話を聞いて勇気づけられた気がします。大事な点を補足すると自分は一緒に働いている仲間からそういった反応をもらったことはないと感じています。感謝ですね。

また、動画でも最初のフォロワーが大事と言われているように、安田さんが最初に踊り始めた際にちゃんと当時の仲間がフォロワーとして一緒に踊ってくれたんだろうなと。そういった仲間が今でも在籍しているという話を聞いて温かい気持ちになりました。自分も周りのメンバーが変化を起こそうとしている時は、話をちゃんと聞いて納得したならば率先して最初のフォロワーになるぞと思いました。

とても楽しそうに自社のことを語っていた安田さん、日本のJoy,Inc.になりたいクリエーションラインという会社を応援したくなりました。

私自身はJoy,Incをまだ読んだことがなかったので、年末休暇で読んで見たいと思います(安田さんからイベント参加者のうち希望者に贈られました。ありがとうございます!)

セッション1: チーム全員で目標に向き合うために~チームを繋げるスプリントフェスティバル~

セッション1は株式会社北國銀行 中川 沙希さん、奥村 惇平さんによる「チーム全員で目標に向き合うために~チームを繋げるスプリントフェスティバル~」でした。

北國FHDが目指すシステム開発と開発体制の紹介があり、プロジェクト規模が大きくなるにつれて生まれたモヤモヤに対して、取り組んだことを紹介していただきました。

まず、総勢139名(19チーム)でアジャイル開発(2週間スプリント)を進めているという話を聞いて大規模開発大変そうだなあと感じました。やはり、徐々にモヤモヤは出てきたそうです。そういった中でどうありたいかを改めて考えてみたそうです(むきなおりですね!)

ありたい姿からのギャップとしては下記のようなものがあったそうです

  • まだまだ受動的?

  • 目先の作業で精いっぱい

  • 作業の背景を理解していない

  • 他チームがやっていることへの関心が薄い

これらの課題に対する解決策としてスプリントフェスティバルが生まれたとのことでした。

スプリントフェスティバル = スプリントレビュー のお祭りVer.
• スプリントで達成されたこと (約10分)
• デモ (約15分)
• ホールディングス内でのトピック共有(約10分)

まず名前がお祭り感あって良いですね(名前大事)。チームのインクリメントを讃えあい、その際に投票でMVPを決めているそうです。投票は参加している感が増して良い取り組みだなと思いました。

また、デモの時に業務部門の人に実際に触ってもらうことで、お客様目線でどう便利になったか?を知ることができるとのことでした。自分達もスプリントレビューにステークホルダーを参加してもらうことはしていますが、実際にプロダクトを触ってもらうことまではやっていなかったので、要所要所で取り入れていきたいなと思いました。

最後にスプリントフェスティバルに取り組んだ結果、チームが変容し、また違う課題が見えてきたという話があり、みんなで課題に向き合う喜びと苦しみを共有して強いチームになっていきたいという思いを語っていただきました。自分の発表でも小さな変化を繰り返して理想に至るというアプローチを話そうとしていたのでわかるなあと思いながら話を聞いていました。

質問では「株式会社デジタルバリューを設立してから短期間でどうやってこんなに開発者を採用できたのか?」といった内容がありました。これに関しては採用を北陸に絞らずリモートワークを可能にしたという点と発信を頑張ったという回答がありました。自分もある時期からアジャイル系のイベントで北國銀行さんの登壇やスポンサードを見かけ始め、金融系でアジャイル開発を積極的に取り入れてすごいなあと思っていました。採用に関する課題は他人事ではないので発信を地道に頑張っていこうと思います。

セッション2: 小さな変化から始めるアジャイル

セッション2は自分の発表でした。リアル登壇は久しぶりです。緊張しやすいのでマイクを持つの嫌だなあと思いつつ、なんとか乗り切りました。発表内容はスライドを読んでいただくとして、ここでは登壇風景を置いておきます。

金沢らしい古風な会場での発表でした

セッション3: 2つのスクラムチームPOと、デザイン部門責任者を両立するために、大切にしているたった1つのこと。

セッション3は株式会社Schoo デザインユニットマネージャー 井上 誠さんによる「2つのスクラムチームPOと、デザイン部門責任者を両立するために、大切にしているたった1つのこと。」でした。

プロダクトオーナーが忙しいことに起因してチームとの認識ズレが発生してしまうというあるある話を踏まえつつ、デザイン部門責任者と2つのスクラムチームプロダクトオーナーを兼任している状況で、見通しを良くすることでコミュニケーションの質を上げることができているという話でした。

実は井上さんは合同会社DMM.com時代の元同僚でデザイン本部UX部 → 合同会社EXNOA プラットフォーム開発本部と一緒に仕事をしてきた仲です。今回は急な登壇依頼にもかかわらず快諾していただき感謝です。

冒頭では「デザイン部門責任者やりながら2チームのプロダクトオーナー兼任しているのすごい。忙しすぎて厳しいのでは?」と思っていたのですが、基本に立ち返り工夫を凝らすことで実践できているという話を聞いて、さすだがだなと思いました。予定が埋まっているカレンダーの画像をぼかした状態で見せてもらいましたが、スクラムに関する予定はスクラムイベントしかない状態で、コミュニケーションの質の高さを伺えました。

スクラムガイドにも下記のように記載されており、不要な会議は最小限に抑えられるなと感じています。

スクラムにおけるイベントは、規則性を生み、スクラムで定義されていない会議の必要性を最小限に抑えるために用いられる。

スクラムガイド 2022年11月

ただ、リファインメントや開発を進める際の認識合わせは必要なので、スプリント期間中にどれくらいどのタイミングでどうやって行うのか?というのは各チーム工夫しているところだと思います。

井上さんは下記を工夫しているそうです。

  • タスクの見通し

  • スケジュールの見通し

  • チームミッションの見通し

それぞれの工夫についてはぜひスライドをご覧いただきたいのですが、個人的には「凝ったインセプションデッキより、日常チームの達成感がチームを形作る」というのが刺さりました。もちろんインセプションデッキもしっかり作るべきだと思うのですが、日々の達成感がチームを形作るというのは本当にその通りだなと思います。自分のチームではスプリントレビューにおける完成したユーザーストーリーやスプリントゴールの達成をふりかえりなどで讃えあうことにより達成感を醸成したいと考えています。

最後に良いスクラムチームにはスクラムを理解したPOが絶対必要!という熱いメッセージをもらいました。プロダクトオーナーは意思決定を担う人なので本当にそうだなと思います。

ふりかえり

最後にふりかえりを実施しました。自分のグループでは下記のような内容を話しました。オフラインのイベントに久しぶりに参加できてよかったという感想や、それぞれのセッションで得た学びについてお互いの状況を踏まえて会話することができました。

ふりかえりの際に机に付箋をペタペタ
ふりかえり後の記念写真

まとめ

アジャイル開発に関してガッツリ話をすることができて楽しかったです!
イベントの運営側に回ってみていろいろ考えることが多いなと感じつつ、良い経験ができたなと。北陸のアジャイル開発ムーブメントの盛り上げに少しでも貢献できていたら嬉しいなという感じです。
ご参加いただいた皆様、スポンサーになっていただいた永和システムマネジメント様ありがとうございました!
次回もおそらく開催されると思うので、引き続き登壇してくれる方を募集しています!

明日は@hotwatermorningさんです。よろしくお願いします。

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