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人生の重要スキル!PMS・生理との上手な付き合いかたを学ぶ

私は次世代ファミリーコーチングという、親が学べるコーチングスクールで活動をしています。今年の6月には定期的にコーチメンバーで受講する勉強会が開催されました。

私たちコーチはクライアント様の様々なお悩みに接することも多いため、ファミリーづくりだけではなく、さまざまな社会課題や心身の健康にまつわる知識のアップデートが必要です。

コーチングの中でお悩み解決のための適切な窓口だけでも紹介できるようになれば、クライアントさんのみならず、私たち自身もより良い人生を生きるためのスキルを身につけられるからです。

毎回様々な分野の専門家の方から講習を受けているのですが、今回は児童精神科医で、最近" PMSと生理痛のセルフケア"という本を出版された上領直子先生を講師としてお招きし、この本について詳しく解説して頂きました!

私自身、女性であることの苦痛を毎月感じてきた生理問題。。経血対応だけでも行動が制限されるのに、その上普段通りの生活が阻まれるほどの酷い生理痛に長年悩まされてきました。

私の学生時代の風潮としては、生理はしんどいものけど"病気じゃない"ような認識だったし、隠すべきものとして過ごしてきました。でも確実に生理痛は痛くてしんどい。上手くコントロールしようにも医療機関の処方薬すら効かず、ただ耐える日々でした。

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生理痛もPMSも身体的だけでなく精神的にも不安定になり、周囲にイライラをぶつけたりするケースも多くみられます。家族関係に影響を及ぼすこともしばしばあると見聞きしたり、体験した方も多くいるかと思います。

ましてや、まだ10代女性の未発達な心身の状態でそれをコントロールするのは難しい。家族全体の半数は女性です。私たちコーチは女性の生理由来で崩れる心身のバランスを整えることが、健全なファミリーづくりにも必要なことだと感じていました。

1. なぜ児童精神科医なのに生理とPMSを学ぼうと思ったか?

直子先生は、児童精神科で長年勤務するうちに、摂食障害で生理が止まってしまったり、生理の時に特に悩みが酷くなる女の子が多いことをとても気にかけていました。その悩みをなんとかしてあげたい。

かといって、10代の女の子が産婦人科に行くのはとてもハードルが高いものです。そのため、女の子たちも自宅で、自分で生理やPMSの対処ができる方法を勉強しようと思ったきっかけだったそうです。

そんなふうに自分の専門外のことを研究されて患者さんのQOLを改善したいと思ってらっしゃるなんて…本当に優しい先生だなあと話を伺っていて感動しきりでした…

また、ご自身も生理痛に悩まされて服用したピルで、様々な副作用(シミ、肝斑、肝機能障害!)を経験した後にその原因を知られたのこと。その為、生理痛対策には一概にピルが良いとは思えず、自分自身で学びを深め、悩みを抱えている患者さんや全ての女性に向けて正しい知識を広げたいと決心して著書を書き上げられたのです。

2.月経のしくみ

月経と月経痛のしくみについて非常に詳しく説明してくださったのですが、長くなるのでここでは割愛して画像を添付します。ご興味がある方は直子先生の著書か、下記参考リンクをみて頂けたらと思います。

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2. 自分の月経が正常かどうか判断するには?

自分の月経が正常化どうか判断する方法としては、下の2つ。

①基礎体温を測定する
②経管粘液の変化をみる

①は知っていましたが、②は初めて聞きました!粘液が卵白のような透明で伸びる質感に変わることが、排卵が2週間後程度にくるサインだそう。

また、無月経は文字通り月経が来ないことですが、

①病気、外傷、手術
②炭水化物摂取が少なすぎ

などの理由でも起こってしまうことがあるそうです!女性の糖質制限はほどほどに。。とのこと。せめて夜はご飯やじゃがいもなどを摂るようにして下さいね。

月経が重いかどうかについては

①経血量トータル140ml以上
②血塊ができやすい(サラサラにできない)
③出血が6日以上続く

などが目安だそう。経血量を測るにも、普段使いとしても月経カップという生理グッズが非常に便利だと絶賛されていました!より快適な生理用品のリンクはこちら。

3. 何となくピルを飲むのは推奨できない

生理が重い、と婦人科を受診すると勧められることもあるピル。生理時期をコントロールでき、避妊目的にも低容量ピルを利用している方も多いようですが、ピルは生理を軽くしているのではなく、無くしています。そのため、直子先生自身、5年ほどピルを服用した頃、シミ、肝斑、肝機能障害の副作用があったそうです。

悩みながら論文や書籍にあたるうち

1. ピルを飲むとミネラルが欠乏                         2. ピルは生理を止めているだけで軽くしているだけ

という衝撃的な事実に巡り合い、それまでの体調不良に納得した直子先生。

その後はピルをすっぱりやめ、栄養バランスを整えることで、如何に生理やPMSの辛さを改善できるか?に注力して学ばれたのです。

直子先生がビタミン、ミネラルバランスの改善をした結果のシミの消え方は凄いです!

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4.なぜ月経で辛い症状が起きるのか?

月経に関連して特に重要な役割を果たしているホルモンが

エストロゲン と プロゲステロン

なのですが、普段は聞き慣れないこの2つのホルモンのバランスが非常に大事なのだそう。

月経に関してトラブルがある場合の多くが、エストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモンが過剰の可能性が高いとのこと。

エストロゲンは骨、筋肉、脳、心臓、皮膚などにも良い作用を及ぼし、幸福感を促すセロトニンやドーパミンの分泌を刺激する陽のホルモンなのですが、一方でエストロゲンは子宮内膜の成長を促して厚くさせるため、分泌が多いほど月経が重くなることになり、乳がんを促進する傾向にあります。

つまり、過剰なエストロゲンを体外に出し、プロゲステロン作るのが重要で、それには全身の健康度が影響するため、栄養、腸内環境、ストレス、睡眠をしっかり取るという当たり前のことが超重要なのです。

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5.生理痛・PMSに負けない身体の作りかた

まず、身体作りの大前提として重要なもの2つ!

1. タンパク質
卵、納豆、肉、魚などをしっかり摂り、身体の基盤をまず作ることが大切。人の身体の水分以外の約7割(筋肉、臓器、皮膚、骨、髪、ホルモン、酵素、抗体など)がタンパク質でできています。

身体の全ての構造は分解と合成を繰り返しているため、常に取り続けないといけないのです。また、ストレスがかかるとタンパク質を壊されます。

必要なタンパク質の目安としては、50kgの大人なら、毎日卵3つ、お肉200gが必要です。食事だけで難しい場合はプロテインパウダー併用がお勧めです。直子先生の推奨プロテインはこちら。

2. ビタミンB群

神経伝達物質の合成にもビタミンB群は重要ですが、特にB6は不可欠。B50は便利なので、常備しておくと良いそうです。

しっかり栄養素を摂った上での三大対処はこちら!

1. プロゲステロンを増やす
2. エストロゲンを抑える
3. 炎症を抑える

6. プロゲステロンを増やす方法

1. 砂糖を減らす 
糖化が進むと最終糖化産物になり、身体が炎症と判断するので、特に精製された糖(果糖ブドウ糖液糖など)や、フレッシュジュース、ドライフルーツにも注意して下さい。

2. 牛乳を減らす                              ホルスタイン牛乳に含まれるタンパク質、A1βがPMSには深刻な影響を及ぼすそうで、また、炎症を悪化させ、エストロゲンを増加させるヒスタミンを多く含むため、発酵食品もPMSを悪化させるそう! これは知りませんでした。。(乳製品でもジャージー乳、バターや生クリームはOK) 

3. ストレスを減らす
ストレスを自覚する時は特にビタミンCとE、マグネシウムをしっかり摂るのがお勧め。ビタミンBもEなどの抗酸化物質も病気や老化を防ぐのに有効で、炎症を軽減します。

また、運動はストレスにも炎症にも効くので運動習慣を身につけましょう!PMS対策にも有効です。運動はなんでもOKで、エクササイズでもヨガでも、お好みのものを是非!

4. チェストベリーを摂る
下垂体に作用し排卵を促進します。プレフェミンにチェストベリーが入っており、海外のサプリの方が含有量が多いのでお勧めです。

5. 皮膚から摂取する                            天然プロゲステロンのクリームがあり、PMSにも偏頭痛にも有効とのこと。Iherbなどで購入できます。

7. エストロゲンを抑える方法

1.  炎症を起こす食品を減らす                                                                                              小麦タンパク質のグルテンが小麦に影響受けることを7割。腸管の状態を悪化させるため、避けるほうが無難です。

2. 健康な腸内細菌を維持する

腸内が健康な状態に保たれると、エストロゲンがうまく排出されるので、腸内環境の維持は生理痛・PMS対策にも必須と言えます。そのためには

1. 抗生物質の使用は避ける
2. 小麦、牛乳、アルコール、果糖を避ける
3. プロバイオティクス / プレバイオティクスを上手にサプリで摂取する

などに気をつけることが重要だそうです。

3. 内分泌かく乱化学物質を避ける

農薬、殺虫剤、水銀、鉛、工業汚染物質、溶剤、難燃剤など様々な化学物質はエストロゲンの代謝・解毒を阻害してホルモン受容体に様々な悪影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。

8. 炎症を抑える

PMSにとって炎症を抑えるのは大事!方法としては
1. 炎症を起こす食品を減らす
サラダ油(菜種油、紅花油、ひまわり油など) これらはω6脂肪酸が多く、炎症を起こすので摂取を控えるべき食品です。また、ショートニング、マーガリンもトランス脂肪酸が含有されているため、控えて下さい。推奨されるオイルは、アマニオイルになります。

2. 炎症を抑えるサプリメント
ネイチャーメイドの亜鉛は、最強の抗炎症サプリだそう!プロゲステロンもGABAも増やし、男性ホルモンを抑え、ニキビ改善も期待できます。

9.重い月経対策のまとめ

月経が重いというのは、実は年齢によっても原因に差があります。
10代はエストロゲンに不慣れ、40代以降はプロゲステロン不足で起こっている可能性が高いそうなので、個々人の年齢によっても対策を調整する必要がありそうですね。

対処的方法 イブプロフェンを飲む 

日常生活で気をつけること

1. 牛乳を避ける
2.インスリンを低く保つためにブドウ糖を取りすぎない            3. 運動する
4. 健康な腸内細菌を維持する
5. 鉄をサプリで摂る(鉄の吸収を阻害するので、牛乳、お茶に含まれるタンニン、卵のタンパク質と一緒に摂らない)
6.タバコに近づかない

月経痛に対処するサプリ

1. マグネシウム 月経痛を予防し、軽減させる効果もある。         2. 亜鉛 月経痛を予防する作用がある                   3. ビタミンB1   ビタミンB群は協力して働くのでB50コンプレックスがお勧め

10.終わりに

講座ではスライド100枚で多くの情報を教えて下さったのですが、かなりシンプルにポイントをご紹介させて頂きました。これだけでも毎月の生理痛PMSに悩む方には、重宝する情報が盛り沢山ではないかと思います。

これらを一気に全て取り組もうとせず、少しづつ生活に取り入れることで月経だけではなく皆さんの心身の健康状態が向上するきっかけになれば、私たちにとってもこの上ない喜びです。

直子先生、本当に長時間の講演、有難うございました!

10代の終わり頃、あまりの生理痛の酷さに親に大学病院に連れて行ってもらったものの、全く改善せず、嫌な思いだけしたので、正直2度と行きたくないと思って帰ってきたあの頃の私に参加させてあげたかったです。。

この投稿が一人でも多くお悩みの方に届きますように。

そして、もちろん直子先生の著書を読んで頂き、より理解を深めて頂けたら嬉しい限りです!


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