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2023年後半に、みた映画。そして2023年のベストは。

「2023年前半にみた映画の記録」は以前記事にしました。

「2023年後半にみた映画の記録」も書いてみます。試写会はのぞいて、映画館で自費でみたものは19本。みた順に、それぞれの短めの感想と、後半の中でのベスト、そして「2023年映画の個人的3本」をラストに。ものすごく長くなっちゃいました!
なので、気になる映画だけ、目次から探していただく感じで大丈夫です。

TAR

港南台シネサロン、好きな映画館で。

ベルリンフィル初めての女性マエストロになったター。最高の名誉を得て、とても素敵な家に住み、恋人も子供もいる、美しい女性…という外から見た彼女と、彼女の実情の乖離。そのズレによって、どんどん狂っていく彼女の世界。150分超えの長尺があっという間、一瞬も気が抜けない緊張感のまま一気にまさかのエンディングまで。ターはいったいどうしたらよかったのかなあ、あれはハッピーエンドなのか、それとも。私は、あそこからもう一度なんかやりそうな気がしてるんですけどね、彼女なら。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

ステッカーもらいました

「インディがおじいちゃんになったらこうであってほしい」がすべて詰まってるし、瞬きする暇もないし、映画館でみたかったのはこういうやつー!って感じ。
なんとなく同窓会っぽいというか、ファンサービスっぽい映画。応援上映あったら楽しそう。

リバー、流れないでよ

ポスターにすべて描かれているような気がする「リバー、流れないでよ」

貴船の川沿いの旅館でなぜか繰り返される2分間、ループにつぐループ、何をどうしても2分前の世界に戻ってしまう人々。「私たちさっきも同じことしましたよね?」と全員が気づいて、さあどうなる。同じ時間にいるのに、繰り返すうちにどんどん変わっていくみんなの気持ちと行動。それを追うカメラがすごい、みんなの動きがすごい、そして物語はかわいい。私なら…あの2分を使って変なこといっぱいしてしまいそう、そして絶対あとで後悔する。雪の貴船がとてもすてき。行ってみたいな、あの旅館。

タワーリング・インフェルノ

「午前十時の映画祭」にて。何度もテレビでみて大好きな映画を、スクリーンでみられてうれしい。
高層ビルの完成披露パーティーが華やかに行われる中、設計通りに作られてなかった場所からボヤが出て、そして…。
小さいミスや悪をごまかしているうちに、積み重なって重大な火災につながっていく過程がこわい。悪い人にバチが当たって善人が生き残るわけではないという事実がつらい。懸命に消火に走る設計責任者はポール・ニューマン、消防士はスティーブ・マックィーン。2人ともかっこいい。そしてなんといっても、フレッド・アステアと猫です。

君たちはどう生きるか

この絵しか情報がないのに観にいくの、すごいですよね。

カヘカッカヘカカッカカッカヘッ カヘカカカッへカカヘカッヘヘカヘカッカヘカヘッカヘッ
…公式アカウントが消えてしまうと、このツイートの意味もわからなくなっちゃうんですよね。ネタバレしないように感想をモールス信号でしゃべるのおもしろかったなあ。
一度では内容の全体が飲み込めない。またみに行きたいなあと、先日の宮崎駿さんのドキュメンタリーを見て感じました。

ミッション:インポッシブル デッドレコニング

映画みた後だと「なぜこれをポスターに?」って思うシーン

「いやそれは無理だろ…やっちゃうんかーい!」「なぜこんな、命がかかってるシーンで笑わせてくるの?」「世界が滅びてもイーサンだけ生き残るのでは?」
びっくりしたり、脳内ツッコミしてるうちにあっという間に終わる。楽しかったなあ、早く続きをみたい。


ミツバチのささやき

スペインの小さな村、お父さんとお母さん、幼い姉妹のイサベルとアナ。「フランケンシュタイン」の映画を観たアナは、あの怪物のことが忘れられない。ある日、小屋に知らない男が隠れているのを見つけ、映画で怪物に優しくしていた女の子のように、お父さんのコートやリンゴを差し入れるのだけれども…。
美しい映像、「無垢」をそのままかたちにしたようなアナの可愛らしさ、そして物語の残酷さ。当時のスペインについて知っているとより理解できる、はず。とにかく、大好きな映画です。

Barbie

映画館に撮影スポットとしてバービーのケースが。

バービーがかわいいし、仲間たちが素敵だし、そしてそして、ケンが、ああ。バービーが楽しそうなほど、ケン(的な人たち)のしんどさが際立って、「もういいから、みんなでしあわせになろうよー」と肩をぽんぽんしたくなる。あのバービーランドで暮らしたいけれど、それは私にとって真のしあわせなのか、と思っていたら、ラストにバービー自身が「彼女のしあわせ」について答えを出す。みんないろいろあるよねー。

福田村事件

素敵な映画館、横浜シネマリン。
映画館へ降りていく階段に、場面写真が貼ってありました。

関東大震災後の混乱。個人ではどうにもできない大きな災害があった時、何か「わるいもの」を頭の中で作り出して「やっつけよう」と攻撃することで、恐怖心をなんとか抑え込もうとする人の心の弱さ。それはきっと誰にでもある、私にもある。善とは何か、悪とは何か。私があの場にいたら、何をしたのか。わからない。わからないことを考え続けさせる映画。

CLOSEクロース

主演2人の男の子がとても美しい。

大親友の男の子ふたり、レオとレミ。とても仲良しで、お互いの家に泊まりに行っては同じベッドでくっつきあって眠る。けれど13歳になり進学した中学で、クラスメイトたちにその仲の良さをからかわれたり、恋人同士として扱われたりするように。戸惑うレオは、レミにそっけなく接するようになり、それが元で大げんかに。そして…。
思春期の男の子たちの心の揺れ、子どもならではの残酷さ。美しい風景の中でそれらが際立つ。あそこにもし自分がいたら、彼らの助けになれただろうか。大泣きして映画館を出ました。

ミステリと言う勿れ

キュートな整くん。

原作大好きなので、テレビドラマ版を見ては小声で文句を言ってたんですが(ごめん)この映画はよかった、素直に楽しめました。「いやそれはありえないだろ」とツッコミたくなるのを見事にねじ伏せる説得力。テンポいいし、配役もぴったりで、とても豪華。
もしテレビドラマの2期があるなら、こんな感じでぜひ、お願いします。風呂光さんをたいせつに。

Gメン

メンバー全員好きー。

おバカな高校生たちの喧嘩の日々、たーのーしーいー!。
スタートしてすぐ「瑠東監督だー!」とわかるカメラワーク。マシンガンのようなセリフに笑っているうちに、それぞれの抱える悩みが滲んでくる。アクションシーンの快感、振り切れたギャグ、これは傑作!最高の吉岡里帆さんに会える!

アンダーカレント

横浜ブルク13のポスターはサイン入りでした。
サイン読めず。

夫が突然失踪してしまった女。彼女が営む銭湯に、ひとりの男が雇われる。そして探偵が夫の行方を探す。いろんな嘘と秘密を抱えた人たちの日々。
みんな、相手のことをわかっているつもりでわかっていない。自分のことすらわからない。 悲しいことも秘密も、ひとりで抱えるのは重すぎるので、わからないもの同士でおずおずと手渡しするしかない。そしてその先何があるかもわからない。ゆっくりと、熱い浴槽かもしれないし、深い沼かもしれない、流れない水の中に沈んでいくような映画でした。

ゆとりですがなにか

人生ゲームなポスター。でもゲームと違って、ゴールがない。

ドラマ放送から年月が経って、みんな大人になった…わけないじゃん、私だって全然ダメダメなまんまだよ!それでいいよね!!
笑ってドキドキして、時々マジ泣きして、そしてラストでものすごくびっくりした!!マジか!!! 茜ちゃん大好きだよ!山路がんばれよ!!みんな元気で何よりでした。これからも、数年に一度くらいで近況報告してくれたらいいな。特に山岸。

ザ・クリエイター

かっこよかったなあ。

超おもしろかった!!!ごつい男や強い女が、無垢な子どもをぼやきながら守る話、大好きー!
全然違う世界の話のはずなのに、「なんかこの人たちの言ってる言葉わかるぞ?」「看板が読めるぞ?」「日本語?」ってなるのも楽しい。 そして物語が「今」とリンクしててつらい。ラストのささやかな希望がありがたい。

ゴジラ-1.0

ゴジラ、超残虐で、容赦なくおっかなくて、ダメだこいつには絶対殺されるって感じがすごくよかった。うん、ゴジラが出てくるところは、全部よかったんですよね…でも、人が出てくるところで「んー」ってなってしまった…ごめんなさい、「朝ドラならこんなに簡単にこーなったりあーなったりしない!」って思っちゃった朝ドラ脳で。

ナポレオン

こわかったね。

「あの漫画で見た!」「あの小説で読んだ!」という話がいっぱい出てくる、有名人ナポレオンの人生。英雄か悪魔か…とポスターに問われているけれど、「ただの人」が、美しい女と名誉の欲に惑わされて人生の方向がどんどん狂い、たくさんの人を死に追いやる話だったかなあと。 容赦ない戦場の描写にかなり精神的にダメージ受けたので、そういうのに弱い人は気をつけて。でもいい映画。

アアルト

ポスターもかっこいい

建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルトのドキュメンタリー。彼が作った建築をたくさん見られてうれしい。見ていくうちに、実は、同じくデザイナーの妻・アイノの力が大きかったんだなとわかる。彼女が亡くなった後、アアルトが結婚した若いエリッサは、とてもアイノに似ている。そういうの、お互いにどう思っていたんだろ。いろいろ考えてしまう。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

このポスターからは内容がわからないよねえ

あまりのエモさに座席でのたうちまわりそうでした。
予告を見て「怖そうだな」ってスルーしてたのに、SNSでみんなが話題にしてるから「…じゃあちょっと見てみるか」とふらりと。…なんだこれ最高じゃん?ミズキたまらんなミズキ。そしてアクションシーンがやばい。動きすごい。大きなスクリーンでみられてよかった。

そして2023年の映画トップ3は

ものすごく悩んだんですが
「もう一度みたい」
と思うものということで、29本の中から3本選びました。

・エゴイスト
・君たちはどう生きるか
・鬼太郎誕生

終わったあとで「あ、最初からもう一度みたい」と思ったのは、この3本。自分の中に映画の何かが残ってて、ざわざわと呼ばれる感じ。そういうのが好きみたいです。

2024年もいい映画がいっぱいみられますように。

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