オーディション情報

私は4月10日から5月5日まで足かけ約1か月東京から九州まで旅をしながら「ラン・フォー・ユア・ワイフ」という芝居に出演しておりました。
 ご覧になった方はおわかりかと思いますが、相当に面白い芝居です。東京でも九州でも、大、大、大好評の出来栄えとなりました。ただの大好評ではありません。演劇関係者、演劇評論家、観劇ファン、一般のお客様、演劇を生まれて初めて観る人、みなさまから「面白い!」と言っていただけた作品でした。大げさではなく、そんなことは私の演劇生活の中で初めてのことです(これまでも面白い作品に出演させていただきましたが、演劇ファンには好評でも一般のお客様から「難しい」という所感をいただいたり、その逆もしかりだったりが多いのです)。とても印象に残っているのですが、終演後のお客様がみなさま本当に本当にいい顔をして劇場を後にされていました。それは作者レイ・クーニーの天才がなせる業としか言いようがありません。
 そんな「ラン・フォー・ユア・ワイフ」がこの秋、再演されることが決定しました。それだけではありません。実は「ラン・フォー・ユア・ワイフ」には「コート・イン・ザ・ネット」という続編があるのですが、この2本を同時上演するという企画なのです。
 続編である「コート・イン・ザ・ネット」の存在自体、あまり知られていないのですが、この二本を同時上演するのは、日本で初めての試みなのです。
 私には、この企画が絶対に面白いことになるだろうという確信があります。
 その理由は二つあります。
 
一つ目は、何といっても脚本が面白いということ。私は演劇人として、かなり脚本至上主義の人間です。つまり脚本が面白くなければ、どんなに役者が魅力的でもダメになる可能性が高いという考えの持ち主です。そんな私が脚本を読ませていただいて1秒で「絶対出演したい」と心から思えた芝居でした。出てくるキャラクターも一人残らず、人間臭くて魅力的な人物ばかりです。
 
 二つ目は演出家の野村かおり氏の感性です。野村かおり氏は、故愛川欽也氏の愛弟子で、ABsunの全ての公演の演出を担当しています。彼女の演出で印象的なのは「嘘をつかない」演技にこだわるところです。レイ・クーニーの作品は一見するとドタバタ喜劇にも見えるシチュエーションコメディです。ともすれば、役者がリアルから遠く離れて笑いを取りにいきたくなってしまうような作風です。でも、コメディというものは、役者が「面白く演じてやろう」と企んだら、その瞬間その場の面白さは死んでしまうものなのです。それをよくよくわかっている野村氏は、徹頭徹尾リアルな芝居にこだわります。「今の芝居だと、隠しごとが周りの人にバレるよね。もっとちゃんと取り繕って」という類のリクエストが何度も飛び交います。そのような執拗ともいえるこだわりが、脚本の面白さを忠実に表現しうる芝居の質を担保するのです。
 
 この二本立て、11月13日~17日、都内の劇場で上演されます。ぜひご期待ください。
 そして、この作品、出演者募集のオーディションを5月18日土曜日に行います。役者ならば全身全霊をかけて挑戦する価値のある作品です。私が自身をもっておすすめします。
 5月18日、お時間のある役者は、ぜひ!オーディションを受けてみて下さい。
 写真と連絡先、簡単なプロフィールを 
 
absun333@gmail.com
 
までお送り下さい。
 なお「ラン・フォー・ユア・ワイフ」の魅力はこちらの記事をご覧ください。

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