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歩くスピードと糖尿病リスク


これまで報告された研究の多くはウォーキングの歩数や歩行時間に注目していたが、近年は歩行速度も全身の健康状態の指標として信頼できること、速度が速いほうが健康への利益は大きいことが示されてきた。

医学ジャーナリストの大西淳子さんが、 文献データベースに2023年5月30日までに登録されていた研究の中から、成人の歩行速度と糖尿病の関係を検討していた長期的な観察研究を選び、条件を満たした10件の研究のデータを統合して分析したところ、歩行速度と糖尿病リスクの間には線形関係が存在することがわかった。

これら10件の研究は米国、日本、英国で行われたもので、計50万8121人を3年~11.1年(中央値8年)追跡しており、うち1万8410人が糖尿病を発症していた。

歩行の標準的な速度は時速3.2km~4.8km。これより遅い、時速3.2km未満の人たちを参照群として比較したところ、参照群に比べ、時速3.2km~4.8kmの標準速度で歩行していた人たちの糖尿病リスクは15%低く、発症者は100人あたり0.86人少なくなっていた。

急ぎ足となる時速4.8km~6.4kmで歩行していた人では、標準速の人に比べて糖尿病リスクは24%低く、発症者は100人あたり1.38人少なくなっていた。さらに早歩きとなる時速6.4km超で歩行していた人のリスクは、39%低く、発症者は100人あたり2.24人少なくなっていた。

 歩行速度が時速4km以上になると、糖尿病のリスク低下は統計学的に有意になった。以降、歩行速度が時速1km分速くなるごとに糖尿病リスクは9%低下していた。

 今回得られた結果は、因果関係の存在を示すものではないながら、1日あたりの全体的な運動量や歩数とは無関係に、歩行速度が速い人は糖尿病発症リスクが低いことを示唆している。日常生活の中で、いつもより早歩きを心がければ、追加の健康利益を得られる可能性がる。

これなら、ジムへ行けない人にもできる。早歩きを心がけること!!




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