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セビーの日日是好日(5/9)

朝から荷物が届くかも知れないという淡い期待を抱きながら、スピーディーさが求められる(日本のクライアントの)編曲の仕事をしていた。
今回の作業の猶予は一日しかない。「世界的に有名だけど私は知らない曲」を歌わなければならないのだが、相変わらずポップソング音痴の私なので、歌い慣れてない感じをどれだけ払拭できるのかが最難関。歌唱には苦戦した。

歌うと言っても最終的には歌い手さんが練習するための仮歌なのだが、クオリティの低い仮歌を入れたら歌う人のモチベーションも下がるだろう。更に今回歌われるのは俳優さんとのことで、自分が歌う前提の時のようにニュアンスで乗り切ることもできない。

さらに今回は慣れない言語なので、拭いきれないフランス語訛りを心ばかりごまかす。それでも何とかベストを尽くしたい、と最大値を目指していく。

24時間の間に80回くらいは歌い方のトライ&エラーを繰り返し、最後に提出したデモは多少歌に歌わされている感じが軽減されたのではないかなと思う。(若干の願望を含む)

さて、パリに限ったことではないが、私は一日中自宅にいることが本当に大の苦手である。毎日外に出たい。2万歩くらい歩きたい。だから住居はコンパクトで全然良くて、むしろ立地の良さの方が重要だったりする。

届くわけもない荷物は今日も届かなかったので、デモの提出を終えてから街に繰り出した。

今日は昨日の籠城生活リベンジも兼ねて1区とか4区の方まで足を運んだ。途中でお腹が減ってしまったので、17時に早めの夜ご飯用に野菜のサンドイッチを買う。

サンドイッチはパリ市庁舎前の広場で食べた。フランスは連休中なので、いつもにも増して街中がバカンスモードだった気がする。
物価高と言われるパリだが、このように4,8€のサンドイッチでちゃんと美味しく外食ができる。

家で作るサラダとサンドイッチ、それからデザート(お菓子はそんなに食べない)があればそれ以上に求めるものはあまりない。勿論、並んでまで食べたいものも個人的にはない。友人と一緒にいる時も本音で言うと「わざわざ並ぶなら大戸屋で良くない?」という決まり文句が喉まで到達するのには一秒もいらないくらいだ。(妥協のような言い方になったが、私は大戸屋さんが好きです!)

ところでささやかな報告だが、今日からオート機能を一切使わないでカメラを扱うことにした。光の取り込み方が難しくて、如何にオートがオートしてくれていたのかを知る。

帰りに火災事故からの修繕が続くノートルダム大聖堂にも立ち寄ったが、毒にも薬にもならないどうしようもない写真が撮れたので、すぐに消去した。

撮りたかったのに暗すぎたり、セッティングに手間取って「今だ!」を逃してしまったり、折角撮っても思った見え方にならない。たまにそんな悔しい気持ちになったが、そういう失敗も含めてカメラは面白い!早く成長したくてたまらない。

カメラを撮るという行為そのものが勿論楽しいのだが、私にとって自分が成長するということが人生の大きなモチベーションなのだな、と、じゅんわりと噛み締めるのだった。

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