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さまざまな林業の今と林業者の姿を描きながら、家族のありようを丁寧に探っていく内藤裕子の筆致は観客の心に切々と訴えかける力を持つ…★劇評★【舞台=光射ス森(2020)】

 農家が舞台の「初萩ノ花」や天然染め工房が舞台の「藍ノ色、沁ミル指ニ」など自然に根差した家業を営んでいる家族を連続的に採り上げてきた演劇集団円の演出家・劇作家の内藤裕子が、今度は、産業として危機的状況に置かれる中で、個人的、社会的使命を感じながら森や木々の世話にいそしんでいる林業に携わる人々を描いた舞台「光射ス森」を上演した。自分が見届けられないかもしれない未来のために黙々と仕事をする者、自分のスキルを上げることに集中する者、無策や余計な国策に振り回される者など、さまざまな林業の今と、林業者の姿を描きながら、家族のありようを丁寧に探っていく内藤の筆致と的確な演出で時代の一側面が描き出されていく様は観客の心に切々と訴えかける力を持ち、一流の文明批評としても成立していた。(写真は舞台「光射ス森」とは関係ありません。イメージです)
 舞台「光射ス森」は12月19~27日に東京・両国のシアターX(カイ)で上演された。公演はすべて終了しています。

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★舞台「光射ス森」公演情報=公演はすべて終了しています

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