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カンボジア スタディーツアーでの学びを通して

こんにちは、カンボジア事業の有満です。プレアビヒアでは連日35度を超える猛暑が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今月のカンボジアブログは今年の3月に現地事務所の活動を見学して下さった神奈川県立保健福祉大学 国際交流ボランティアサークル アナーコットさんにご報告いただきます。

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神奈川県立保健福祉大学 国際交流ボランティアサークル アナーコットの清澤と申します。私達アナーコット(注)は、大学のボランティアサークルであり、メンバーは看護、栄養、社会福祉など、保健医療福祉系の学科に所属しながら、主にカンボジアへのボランティアを行っています。毎年計画している、「カンボジア スタディーツアー」にて現地に赴き、カンボジアに対する学びや、ボランティア活動を行っています。

SHAREの母子保健活動を拝見し、カンボジアなりの母子保健のニーズはどういったところにあるのか、また、カンボジアの人々の医療・生活などをツアーの目的の一部として学ばせていただきたいと考え、今年3月のツアーで、乳幼児健診を行う農村へ見学に伺いました。SHAREに携わる様々な方々が、このような貴重な機会を用意してくださったことに大変感謝しています。私たちが学んだことについて、報告させていただきます。

(注)クメール語で「未来」という意味で、カンボジアの子どもたちが大人になった時も、正しい知識をもち健康で過ごせるようにという意味が込められています。

問題意識を感じてもらうことの大切さ

現地では、栄養不良の子どもたちが保健センターを受診しても、養育者が農業に忙しく再診には来ないことや、そもそも子どもが痩せていると言われるのを恐れて検診に来ないということもあるようです。痩せている子どもの母親も、食生活が偏ってやせている場合が多いことも伺いました。自分が問題だと感じていないことや、本人が自分達にとって当たり前の生活を過ごしてきたからその子供も必然的にその状態になっているのだと分かります。

SHAREの方々が、アウトリーチを行いカンボジアの人々の認識を変え、行動変容を促そうと活動している姿を実際目にして、このように遠く離れた国で行動している人たちがいるのだと実感しました。そのことは決して日本に住む私たちと無関係ではなく、今、私達にできる精一杯のことは、「当たり前」を過信することなく、興味を持ち、正しく理解し、自分なりに考え、より多くの人々に伝えていくことなのだと感じました。そして、ニーズの把握については、現地の人がニーズと感じていないこともあるため、本人達に問題意識を持ってもらう段階から始まるのかもしれないと思いました。

乳幼児健診であやしながら子どもの身長を測る様子

カンボジアの家族や社会の現状課題などについても教えていただきました。子どものスマートフォンの長時間使用の問題、離乳食、粉ミルクの栄養、二重の栄養不良(注)など、私の想像していなかった問題が多いと感じました。小学校や学び、生活用品についても、余った時間で実際に目にでき、さらに学びを深めたくなりました。

(注)二重の栄養不良とは低栄養と過栄養が 個人内・世帯内・集団内で同時に見られたり、 一生涯の中で低栄養と過栄養の時期が存在するなど、低栄養と過栄養が併存する状態のことで、地球規模の課題となっています。

現地の人たちを育てる活動

SHAREカンボジアの活動は、カンボジアの農村地域だからこそということも感じました。未来に渡って活動を続けていくには現地のボランティアやスタッフ、養育者などの存在が欠かせません。現地のカンボジア人の女性スタッフは、「女性と子どもの健康をよくしたい、自分が子どもたちの健康を守っていきたい」と話している方がいらっしゃって、とても熱い想いで取り組んでいるのだと分かりました。SHAREでは、支援を終了しても自分たちで活動を続けていけることも大切にしているそうなので、大丈夫だと思いました。

支援は決して一方向から行うものではなく、支援を提供する側、提供されて実際に行動を起こす側の双方の歩み寄りが必要です。問題だと感じている側だけではなく、その地域全体の人が問題として捉え、何ができるのか一人一人が考え、未来へ繋いでいけるような支援を提供するという、とても困難ですが素敵な支援の形を実現している団体なのだと分かりました。現地の人の想いに寄り添う姿に、尊敬でいっぱいです。

誰も取り残されない地域社会をみんなでつくっていく

また、現地で感じた「地域の皆で子育てをする」「子どもの成長を皆で見守る」という暖かい雰囲気は、カンボジアの地域だからこそできることだと感じました。母親が集い、子どもや生活の悩みを相談する場所にもなっていたり、子ども同士の触れ合いもあったり、様々な人の居場所になっているのではないでしょうか。誰も取り残されない地域社会をみんなでつくっているように感じました。カンボジアの良い部分を変えることなく、母子保健の正しい知識を普及できるような環境整備を支援する。保健医療福祉を学ぶ私達の心に大変響き、学ぶことの多い訪問になりました。

最後に、SHAREの活動に携わる皆様や、ボランティア、女性子ども委員さんの益々のご活躍をお祈り申し上げます。現地の子どもたち、その養育者の皆様も、どうかこれからも健康に過ごせますように。忘れられない経験と学びをありがとうございました。

現地スタッフと記念撮影

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