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好きなことや得意なことをやったほうがいい。それはよく言われる話だ。- 自分を変えるコスト

僕は、新卒で入った会社を1年で辞めてしまったせいで、一般的なビジネススキルや素養がなかった。未だにExcelすら使えない。そのおかげで、得意の一点突破で生きてきた。好きなことを仕事にしてきた。それが結果として会社になった。

それはとても幸せなことなんだけど、一方で、大きなことを成し遂げるためには、自分が変わらなきゃいけないだろうとも感じるようになった。結局、たった数年間積み上げてきただけの、自分の好きや得意の範囲なんて小さいからだ。

ただ、頭で分かっていても実際に行動に移すのは簡単じゃない。一度何かしらの自由を獲得した人が、自分を変えることは難しい。周りや設定を変えてしまうことを覚えるからだ。そのほうが自分にとってはスムーズだから。

しかし、妻はそうじゃなかった。

掃除機のかけ方も洗濯物の畳み方も知らず、一回の風呂掃除で洗剤一本まるごと使ってしまうような僕を「じゃあ新平はやらなくていいよ。得意な仕事してくれたらいいから〜」なんて甘やかすことはなかった。家事とは何か。そのマインドセットから教えてくれ、やったことには常にダメ出し、いや、フィードバックし続けてくれた。

最初の頃は、自分を変えることのコストが高く、妻とは相当ぶつかった。自分を変えられない精神こそがおじさんだと詰められた。しかし今では家事子育てすることも、お酒をやめることさえも、新たな設定として楽しむことができるようになった。

今でもできないことは多々あるが(料理もできないし、この前はコーティングされたフライパンをタワシで削ってしまい怒られた)それでも一応、3人の父親をやれている。妻は「いつの日か、“使えない夫はいない”という本を出版して、世の中の奥さんに希望を与えたい」と言っている笑

僕が結婚生活の中で得たのは、家事子育てのスキルではない。自分を変えていく自信だ。今の僕は、自分を変えるコストが限りなくゼロに近い。中途半端なノスタルジーもプライドもどこかに置いてきた。

社会人になって10年経つが、本当に自由に、僕の得意なことばかりを仕事としてやらせてもらえた。気がつけば「ビジョニング(VISIONING)」という独自のメソッドもできた。独自の仕事があるということは、唯一無二の幸せだ。

しかし、本当に世の中をビジョニングしていくためには、自分の仕事のあり方を非連続的に変えていかなければならない。かつての僕はどこかで自分が可愛くて自己否定できなかった。でも今ならできる。脱“高木新平”が次の10年のテーマだ。妻と結婚して本当によかった。

妻のパンチライン

​妻の参考記事 :  

個性と惰性を履き違えるな

Abemaに出たらボロクソにダメ出しされた話

妻のパンチライン5選