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黒猫の旅、そして庭仕事

 ロバート・ウェストール『猫の帰還』を読み終えました。スマーティー賞受賞作です。

 舞台は第二次世界大戦下のイギリス。
 空軍に所属する飼い主を追って、黒猫が旅をしていく物語です。旅先で出会うさまざまな人の視点から、リアルな戦争が描かれていきます。
 陸軍の軍曹、出征した夫を待つ婦人、村で馬車屋を営む老人、爆撃機で飛ぶ空軍の兵士たち、海軍の夫を海で失った未亡人…。
 イギリスでは、黒猫は幸運の知らせと言われているそうで、日本みたいに不吉だと感じる登場人物はいません。
 それでも嫌がる人は嫌がるし、好意的に受け入れてくれる人もいるし。
 猫好きの兵士がサンドウィッチを投げてくれるので、近寄っていったら不発弾が爆発…といったエピソードも描かれます。
 海岸に兵士の遺体が打ち上げられているシーンでは、それがイギリス兵であろうとドイツ兵であろうと猫には関係ない、という内容も。

 10代~の児童文学とされていますが、大人が読んでもじゅうぶん読み応えがあると思います。というか、私はこういうジャンル?の小説が好き。
 児童というと小学生のイメージがあるから、それより青少年文学といった呼び名がフィットするでしょうか。
 作者はカーネギー賞も複数回受賞しています。
 映画化してほしい、と思うような良作でした。

***
 夫がミニトマトなどの苗を買ってきたので、今日は午後から夫婦で庭仕事。さわやかに晴れたお天気で、気持ちよかったです。
 ただ、それなりに疲れました。
 心地よい疲れではあるものの、明日1日、ゆっくり休んで回復したいと思います。
 

◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから
miciluceさんの作品を使わせていただきました。
ありがとうございます。

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