見出し画像

コロナで現代忍者界はどうなるのか…?何をしたらいいのか考えてみる①(忍者教室編)

緊急事態宣言が5月いっぱいまで延長となってしまいました。2020年に入ったときはまさかこんな事になるなんて思ってもいませんでしたよね…。

もう2月下旬頃から思うような活動はできなくなり、観光や教室、ショーやテーマパークなどのリアル中心の忍者界は、どこも営業ができず多大な影響を受けています。とっても悔しひ。

自分は企画・事務やネット系の仕事のため、在宅勤務でできる仕事が今はたんまりあるのですが、この先どうなるかわかったものではありません。

エンタメや旅行業界全般がそうですが、平和な時に人々に夢や活力を与えていたものが、非常事態には今までと同じようにやろうとしたのではその価値を提供することが難しくなってしまいました。これは忍者界も同じです。

歴史的な忍びはむしろ非常事態の時こそ活躍し、平和になると仕事がなくなっていったのに…忍者をとりまく時代はその存在意義さえ逆転させるほどに変化してしまったのですね…。

仮に5月いっぱいで事態が収束したとしても、この先の生活はきっとこれまでとはだいぶ変わったものになるのでしょう。「withコロナ」とか「アフターコロナ」とかいわれていますが、果たしてこの先、忍者界はどのようになっていくのでしょうか?どのように生き延びていったらよいのでしょうか?

劇的に変わっていく時代の中における今後の忍者界のこれからを考える上で、社会変革の予想とそれに応じた必要なことを、思考の整理がてらしっぽりと認めていこうと思います。

忍者とひとことでいっても多数の業種がありますので、何回かに分けて記載していきます。

① 国内向け忍術道場や訪日外国人向け体験教室
② イベント・ショー・観光分野
③ コンテンツと研究
④ 飲食店とテーマパーク

今回は国内向けに忍者道場を開いている個人の方や、訪日外国人向けの忍者体験教室を運営している方向けのものです。別に自分が運営しているわけではないので「何も知らないくせに勝手なこと言いやがって!」というのもあると思います。そう思われたらすみません。ひとつの参考までに捉えてくださいまし。

※10年以上ネット業界で働いていたので、基本的にネットの可能性をかなり信じているのでそのバイアスがあることを前提にお読みください。あとこれはあくまで個人的な思考の整理なので、この通りならなくても責任は持てませぬ…!

道場や体験教室への影響

ここ5~6年にかけての訪日外国人の増加に伴い、数多くの忍者体験施設や忍者教室が開かれました。10年前の時点では、おそらく訪日外国人に特化した忍者体験教室は、東京都にある江戸隠密・武蔵一族しかなかったと思いますが、2018年にピークを迎え、それはそれはかなりの数になりました。観光庁や政府観光局(JNTO)も、オリンピックイヤーの2020年には訪日外国人4000万人達成!を目指して様々な施策を行っていた最中でした。

しかし、ここに来て訪日外国人の数はパッタリと途絶えてしまいました。この感染拡大が日本だけであれば、東日本大震災の後の観光客増加のように盛り返しも見込めたと思いますが、今回は世界レベルの事象なので、渡航客が戻るのは経済界の中でも本当に一番最後になるのではないかな、と思っています。旅が安全の上に成り立っていたものなのだとあらためて思い知らされますよね。

国内の日本人向けの教室については基本的に個人規模のものが多いと思います。ですが現状は密室で接触する稽古を伴うものですから、自粛期間中はリアルでの開催はなかなか難しいでしょう。忍者農園と称して外での活動に切り替えていらっしゃる忍者の先生もいらっしゃいます。

これに対して、個人的には今こそオンラインによる稽古提供・体験提供を行うべきだと思っています。それもなるべく早く…!

理由は2つあります。

世界の人々は新しいオンライン体験×和コンテンツに飢えている?

1つ目の理由は、世界中の人々がいま家にいて、家でできる体験に飢えていることです。海を越えた向こうの国の人達の方が厳しい外出規制を受けているので、きっと何か新しいものを求めていると思います。

ここで、あの民泊のプラットフォームだったairbnbを見てみてください。

世界各国のいろんなプロフェッショナルの人達が、世界に向けてオンライン教室を開いています。多いものだと、500人を超える口コミがついています。日本のフリーランス坊主(そんなのあるんだw)の方がやっているこちらの「お坊さんとオンライン瞑想」というクラスは、すでに400人以上の口コミが寄せられています。

ちょっと生なましい話で恐縮ですが、リアリティを出すために…。仮に口コミ書いてくれた人が50%と見積もって800人の参加があったとします。一回1,000円なので単純計算で80万円くらいのグロス収入があることになります。(手数料など引かれると思いますが)十分食べていけそうな予感がしますよね。

airbnbの中でもこの体験はだいぶ人気なようですが、ざっと見る限り他の日本人がやっている体験はなさそうです。こちらのレビューを見ると、英語もそれほど上手くないようですが、これだけの人気を博しているんです。他の体験と比較すると和のコンテンツがほぼありませんので、欧米系の人達に和文化体験は人気なのかもしれません。

申請してから承認まで結構時間がかかるようですが、これもプラットフォームのひとつ。たぶん忍者の先生であれば、「OSU!」とか間違った挨拶をしながらFacebookで承認申請してくる人も多いのではないでしょうか。(自分は勝手にエロ動画をタイムラインに上げられてから一切承認していませんがw)

もしそのような友達が多いひとであれば、その人達向けに「10$で特別に忍者体験教室やるぜー!」と言ったら、おそらく10人くらいは来てくれるのではないでしょうか。決済はPaypalを使えば簡単に外貨の収受もできます。

zoomの利用者数は、今はもう4億人を超えているようです。4か月前は1000万人くらいだったのに。幸いにして今全世界の人々が、オンラインによるコミュニケーションが当たり前になりつつあります。このうちに一つのレッスンの形を試行錯誤しながらでもやっておくと、きっとその後の世界で優位に立てると思います。ぜひどなたか一度やってみてほしいです。

リアル道場はいずれにせよリーチが狭い

2つ目の理由は、そもそも普段においても道場などの施設が存在する場合、そこに通える人は限られていたのが、オンラインを活用することによってリーチできる人が何百倍以上になることです。

そもそも昨年外国人が日本に来ていた人数って、世界人口のうちのたった0.4%なんですよね。国内でも潜在的なリーチ層が隣の市や区くらいだったとしても、地域にもよりますが最大でリーチできる母数は100万人がせいぜいじゃないでしょうか。

そしてコロナがなくても日本の人口はどの道減っていきます。今年のこどもの日にちなんだ調査では、こどもの人口も昨年より20万人減っているようです。しかも、平成初期以前の大衆がみな同じものを見て、同じように働けば生きてこれた時代から、現代は多種多様な趣味や価値観が乱立し、情報も氾濫している中で、忍者という価値観がマスをとるということはほぼないと思っています。

このニッチな分野の中でどれほど多くの人にリーチしていったらいいのか。近くにいる人達にチラシとか使って「忍者やっているよ!」といっても刺さらないでしょう。

でも潜在的にそういうものに興味がある人は、地域や国境を越えれば必ずいます。自分の道場には毎週は来れない、そもそも日本にも滅多に来れない、そういう人達にもオンラインで忍者の素晴らしさを届けることができれば、きっとリアルの垣根を超えた信頼関係は築けるのではないかと思っています。

オンラインで関係構築・維持とお試し、リアルで会えることに最高の価値を持ってくる

「いやいや、それだとちゃんと教えられないよ。やっぱリアルじゃないと絶妙なところは無理なんだよ」という声もあるかと思います。

それはその通りです。

でもだからこそ、逆にリアルの価値が上がるんだと思うのです。

この後しばらくなかなかリアルで対峙する機会というのは頻繁に持てないかもしれません。でも、全く知らない先生に習いに行くよりも、オンラインでずっと習ってきた先生に会いに行きたいな…ってなると思うんですよね。

本来だったら普段はヨーロッパにしか旅行していなかったアメリカの方も、オンラインで繋がったあの先生に会いに行きたい、となって、2年に1回は日本に来るようになるかもしれません。

それに国内だって、忍術が習える道場なんてそうそうたくさんはありません。北海道の人が東京の道場に習うチャンスにもなるわけです。それは新しい生徒さんの開拓であり、もし自体が収束したとしても、その後も定期的にオンライン教室を開催して、以後3か月に1回はリアルで確認の指導をする、という形もとれるようになるのではないでしょうか。そうすれば本来は生徒になりえなかった人が生徒になる可能性が増えてくる。0が1になるわけなのです。

今、人に会えないことが人々のフラストレーションになっている。これにより、コロナが収束した暁にはきっと爆発的にリアルへのより戻しが来ると思います。その際に対面を喜び、これまで伝えづらかったことを丁寧に教えるということができるのではないでしょうか。これは国内でも海外でも一緒だと思うのです。

もちろん教える内容や教え方にはかなりの工夫が必要になると思います。普段教えていたことのダウングレードとして捉えるのではなく、新しいオプションの追加としてプラスに捉えれば、逆境ではありますが未来につながる資産になっていくのではないでしょうか。老人向け、お子様向けなど、いろんな方法があると思います。

ここで動いたことはアフターコロナでも生きるはず

知っている限りでは1人の忍者の先生はすでに動いていて、もう数十人の生徒さんにオンラインで毎週指導をされています。もう1人先生も、もうすぐはじめるようです。

きっと世界はこれを機にダイナミックに変化すると思います。オンラインONLYになることはないと思いますが、オンラインの比重は劇的に増すだろうと思っています。

オンラインの世界には縄張りとか地理的制約はありません。このタイミングで動くか動かないかで、きっとその後コロナに気を付けなくてもよい世界になったとしても、世間におけるポジションにも影響があると思うんです。決して煽っているわけではないのですが…やってる人はやっているので、その辺りも踏まえてぜひ今後の参考になればよいな、と思って書いてみました。

自分としてはとにかく忍者の皆さまがもっとご活躍できる世界になったらいいな~!と常々思っているので、「全然何したらいいかわからないよ!」という方はお気軽にご相談ください。別に自分も何か成し遂げたわけではないですが、ある程度のWEBサービスなどについては相談に乗ったり、一緒に考えたり、動いたりすることはできるかと思います!

次回は観光・イベント・ショー関連を考えてみたいと思います。駄文にお付き合いくださりありがとうございました。

最後まで御読み頂き忝く存じ奉り候。 忍者のことしか書いてなくてすみませぬ。 更に忍者の詳しい情報はこちらでどうぞ〜 https://ninjack.jp