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香港留学記 #12

今週は、疲れてたり、期末課題、インターンのタスクのせいで書くのが遅くなっちゃったけど、書きたいことはたくさんあるから今更ながら書きます。
ちなみに、最近は12月だっていうのに暑くて、なんと今日の最高気温は27℃。暑い暑い。

最近見つけた香港大学の最上階にあるmusic libraryから執筆中。
期末期間だから机と椅子が増設されてるけど、それでもほぼ満席。

日本から友達が遊びに来た話

今週は、日本から友達が遊びに来てた。9月の初めに、イギリスに行くための乗り継ぎで一晩だけ遊びに来た友達を数えないと、初めての訪問者だった。彼は、大学の授業で仲良くなった先輩で、狭く深くな交友関係を好む自分にしては珍しく、薄く長く交友関係が続いている。彼は、飛行機と旅行が好きっていうのと、休学中っていうのもあって来てくれた。丸3日間一緒に観光したのだが、めっちゃ疲れた。トラムでビクトリアピークに登ったり、マカオに行ったり、旧空港の跡地付近を散策したりした。1つずつ軽く振り返る。

まず、ビクトリアピーク。香港と言えばの観光地だが、実は初めて行った。面白いのが、最寄りがセントラル駅で、香港の中心地にあるのだ。ハイキングでも行けるが、せっかくなのでトラムを使った。上からの景色は絶景だった。改めて、都会と自然がごちゃっとコンパクトにまとまってる香港って面白いなと思ったし、よくこんなアップダウンの激しい場所で都市が発展したなと思った。

そりゃ人口密度高いわと思わされる風景。
今度は夜行きたいな。

次に、マカオ。マカオが一番面白かった。行きはフェリー、帰りはバスを使ったが、それぞれ3000円、1000円くらいで、パスポートは必要だけど国内旅行みたいな感覚で行ける(まあどちらも中国だから厳密にいえば国内)。今回のサムネの写真もマカオで撮ったものなのだが、香港とは別世界だった。香港は銀、マカオは金って感じ。香港はイギリス、マカオはヨーロッパって感じ。香港は経済・金融、マカオはカジノ・娯楽って感じ。さすが、元ポルトガルの植民地ということもあって、標識も、広東語→ポルトガル語→英語の順で面白かった。もちろん、香港との結びつきも強く、香港ドルが使える店も多くて、クレカ、オクトパス、香港ドルだけで半日過ごせた。気軽に行けるし、異国情緒を感じられるので、香港にいる間に何度か行きたい。

有名な聖ポール天主堂跡。昔は教会だったが、火事で焼け落ちてここだけ残ったらしい。
よーく見てみると、アジア風な模様もあって、ポルトガルの黄金時代にマカオで東西文化が融合し、繫栄したことが垣間見えて、歴史のロマンを感じる。
関係ないけど、こういう観光地が楽しめるようになったの大人になったなと思うよね。

最後に、旧空港跡地。ほんとは、ディズニーに行く予定だったけど、友人の金欠と、友人が飛行機好きということもあって、旧空港跡地に行った。原寸大の飛行機の模型がある公園に行くつもりだったが、台風で壊れてしまったらしく、公園に入ることすらできなかった。空港跡地は、再開発が進んでいて、今はフェリー乗り場になっていたが、全然人はいなかった。でも、景色が最高だった。

ここもっと有名になってもいいと思う。

今まで、就活、課題で忙しかったり、暇なときはディズニー行ったりしてたから色々観光できて楽しかった。けど、めっちゃ疲れたし、体の衰えを感じた。最近、1日中活動できなくて、半日が限界。運動しなきゃ。

やっとアナ雪エリアに行った話

最近オープンした香港ディズニーのアナ雪エリアに先週末やっと行ってきた。さすが、世界初のアナ雪エリアってこともあって、香港ディズニーらしからぬ混雑で、エリアに入るのに15分くらい並んだ。アトラクションは2個あるのだが、どっちも100分待ちとか。しかも、エリアが想像以上に狭くて過密状態。一回断念してエリアを出たが、時間を置いてから行ってもあんまり混雑度が変わってなかったので、結局 "frozen ever after" に100分待ちで乗った。実際は、1時間ちょっとしか待たなかった気がするが、待ち列も凝っていて、アトラクション自体もアナ雪の名曲が楽しめたし、ちょっぴりスリルもあって楽しかった。でも一番は、やっぱり香港のビッグサンダーのグリズリーマウンテンかな。ちなみに、アナ雪エリアのもう一つのアトラクションはジェットコースターなのだが、めっちゃしょぼいらしい。

アナ雪出来立て+土曜っていうのもあって、今までで一番混んでた。長時間並んだせいで、滞在時間は短いのにめっちゃ疲れた。香港ディズニーに慣れると、ほんとに東京ディズニーとかユニバとかに行けなくなる気がする。

いつまでこの混雑が続くんだろ。

めっちゃ攻めたセミナーに参加した話

昨日、結構前に応募して、楽しみにしていたセミナーに参加してきた。
タイトルは、"One Country Two System in the Hong Kong SAR in the National Security Law era"。日本語に訳すと、「国家安全維持法の時代における香港の一国二制度」。まず、香港大学でこんなセミナーができることに驚いた。香港に来る前に、ICUのアカデミックアドバイザーから、香港の大学の政治学の授業が政府により監視されているらしいというのを聞いていたので、こんなにcotroversialな内容について大学が公に言及できるんだっていう。法学とか香港政治の用語とか知らないものもたくさんあったので、全ての内容を理解しきれたわけではないが、以下考えたこと、学んだことを書いていく。

まず、少し悲しくなったのが、意外とセミナー参加者が少なくて学生はほぼいなかったこと。てっきり、香港大学の学生がたくさん参加するのかと思ったら全然だった。期末期間で忙しいっていうのもあるかもしれないし、大学からのメールを確認していないのかもしれないけど、残念だった。

次に、セミナーの内容について。いくつか、印象的な部分があった。
1つ目が、アジアの都市の比較について。シンガポールは香港に経済規模で敵わないし、東京には多くの外国企業が進出しているが、それはアジア市場を狙っているのではなく、日本の市場を狙っているだけだと。だから、中国の影響もあって経済規模が大きく、英語が公用語でグローバルである香港はアジアの都市の中でも優位であると述べていた。最近は、アジアのハブとしてのシンガポールの地位が上がってきている現状を踏まえるとなんとも言えないが、まあ一理ある。
2つ目が、香港にとっての国家安全維持法のメリットについて。恥ずかしながら、国家安全維持法について詳しくしらないのだが、この法律のおかげで香港は崩壊しない、守られる、と言っていた。
3つ目が、香港の行く末について。これについては、わからないとしたうえで、2つのパターンを提示していた。1パターン目が、香港の自由がどんどん奪われてしまうというもの。2パターン目が、自由なglobal cityとしてさらに発展していくというもの。どちらになるかは、中国の中央政府次第で、彼らにとってよりメリットの大きい方になるという。
4つ目が、香港と中国の関係について。以下で述べる質疑応答の時間でも、教授は、「basic lawに書いてあるが、香港は中国の一部であり、香港政府は中央政府の下にある地方政府である。だから、香港政府の役割は、①香港市民に奉仕すること(教育など)、②金融都市を運営すること、の2つであり、外交に関する権限は中国の中央政府にある」と述べていた。
4つともなかなかcontroversialで、終始「んー」と思いながら聞いていた。

そして最後に、一番興味深かったのが、質疑応答の時間。
真っ先に手を挙げたおば様が、「私は、先日の選挙で政府により出馬を認められなかったdemocratic partyの者です。」と。そこまでは、会場も和やかなムードだったのだが、次第に険悪な感じになった。そのおば様が、「国家安全維持法について楽観的すぎやしませんか?多くの香港市民が苦しんでいることを理解してますか?理解したうえでそのような意見を述べているのか、その現実を過小評価しているのかどちらですか?」と言ったのだ。自分も、意外にも国家安全維持法に肯定的な内容だったセミナーに違和感を感じてたので、「それな」と思う一方、会場の空気が急に張り詰め、ドキドキした。そして、少しそのおば様が感情的になり、教授もどぎまぎ答えている中、司会者から"Please don't record"との指示が会場に入った。ちょっと焦った。やっぱり、公に政府批判はできないのだろう。

その後も、オーディエンスからの質問というより、批判的な指摘、意見が寄せられた。そして、教授が、論点をずらそうとしてかイギリス統治時代の話などに言及すると、彼らは容赦なく"You are not answering my question"と遮る。ちょっと怖くなって、自分がこの場にいていいのか、安全なのか少し不安になった。最後に質問した別のおば様の意見も印象的だった。「一昔前までは、香港における表現の自由の重要さを訴える人が多かった。でも、教授が仰ったみたいに、香港の行く末は少数の政治家、実業家などの特権階級によって決められるでしょ。だから、今や市民の表現の自由なんてあってもなくても変わらないようなもの。今、いくら教授に質問したっていくら意見をぶつけたってどうしようもないわけよ。」って。ちょっとcontroversialなセミナーから、白熱した質疑応答をきれいにまとめてくれた。

要はそういうことなのかもしれない。香港人の本音を聞けた気がした。今までの3か月間で、香港にはびこってる無力感、諦めを度々感じてきたが、このおば様の意見がその真ん中をついてるような感じがした。色々と考えさせられたし、1月日本に帰るとき香港についての本を買って今更ながらちゃんと勉強しようと改めて思った。

ちなみに、先週末に香港で選挙が行われ、街中もポスターなどで溢れかえっていたが、投票率は2019年の71%から急激に低下して、中国に返還されて以降最低の27.5%だったらしい。恐ろしいほどの急低下。4年という短期間で民衆は変わってしまうのだ。恐ろしい。

香港に来た甲斐があったと思えるいい経験だった。

今までで一番長い気がする

今回のnoteは、真面目な内容から不真面目な内容まで割と盛沢山だったのでは。ちなみにこれ書くだけで、3時間以上時間過ぎててすっかり暗くなっててびっくり。
今週は、期末で一旦ストップしてた読書を復活させたい。

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