映画感想『STARWARS EPISODEⅠ THE PHANTOM MENACE』
僕のポンコツな記憶を信じるのならば、生まれて初めて観た洋画は、この「ファントム・メナス」です。(もう一人の自分が「ロードオブザリング」だと言っています。真偽のほどは不明です)。
まだDVDではなく、ビデオテープの時代でした。父の誕生日に母が買ったのが「ファントムメナス」のビデオテープで、何度も何度も、僕は父と一緒にこの映画を観たのです。
そのせいなのか、そのせいではないのかわかりませんが、僕はスターウォーズシリーズで最も好きなのは、ファントムメナスでした。色合いがまず好きです。ナブーの緑と青、タトウィーンの橙、宇宙の黒、コルサントの灰色。鮮やかな舞台で物語が展開されるのが好みです。
それから疾走感です。この映画のアクションの速度がいいですね。ポットレースも、セイバーバトルも、僕がワクワクできるテンポで作られているのかというくらいに好みでした。
しかし、僕も歳をとり、人の意見を見てしまうようになり、また、人の意見に影響されるようになってしまいました。
あれだけ面白いと感じていたファントムメナスが、批判されまくっているではないですか。やれCGが、やれジャージャーが、やれプロットが、僕が気にもしていなかった部分が取り上げられて、酷評されていました。酷評が悪いとは言っていません、ただ、落ち込みました。
僕が好きな映画がこんな風に批判されていることにではなく、酷評されてなお、いや好きだと言える自分がそこにいなかったことに、です。
何故か苦手意識も生まれてしまいました。次観たら、いよいよ嫌いになってしまうのではないかという恐怖すらありました。
なんという悲劇でしょう。自分が好きな映画のことも信用できなくなってしまうだなんて。
話が暗くなってきました。
そんなわけで、一つ勇気を出して、今回ファントムメナスを観てみた、という話です。
よかった....。とっても面白い作品でした。確かに、あの時に比べたら映画を多く観てきたせいか、明らかに初見殺しの単語の羅列や、終盤戦の駆け足はひしひしと感じました。よくよく考えれば、終盤戦って、4場面の同時進行なんですね。そりゃあ、目が回るし、何が起こっているのかわからずに、置いていかれますね。見返してみると、ドロイドの電力源を壊す爆発も、クワイガンの死も、グンガンたちの抵抗も、あっさりとしていました。
でも、やっぱり楽しい。映像で楽しませようという気概が伝わってきませんか?未知の宇宙が、こんなにも身近に、こんなに子ども心をくすぐるように存在しているのが奇跡的です。
ポットレースのカメラワークと、あとは効果音が大好きですね。改めて観ても僕はジャージャーというキャラクターが面白くて好きですし、水中を移動して、怪物が怪物を食べるシーンも結構好きです。
なんというか、平和ぼけしている世界が少しずつ戦乱に巻き込まれている感覚がして、たまりませんね。
映画そのものの評価は、低くなるかもしれません。それは、僕がこれまで見てきた批判的なコメントに侵食されてしまっているからです。でも、犯されていない部分もちゃんとありました。色や、音や、一場面のかっこよさや、ワクワク感や、笑いなどの、子どもの頃の素直な感覚です。
映画って、伏線やプロットで観なくても楽しんでいいんだと、改めて思った次第です。
今でも僕は、ファントムメナスがスターウォーズで1番好きです。
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