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HSPの100%は120%くらいあるから仕事で力を抜いても大丈夫という話

HSP気質のみなさん。日頃から、仕事に全力投球してクタクタではありませんか?
毎日本当にお疲れさまです。

突然ですが、わたしは新卒で入社した大手医療系商社で、営業事務として約9年間働いていました。

営業事務というと、営業の手となり足となり……。発注の締め切り時間に追われるなか、営業の代わりに取引先やお客様とのやり取りも発生し、毎日ストレスMAX状態で働いていました。
入社してから1年半は、定時で上がれる日はほとんどなく、多いときで月に60時間ほど残業していました。月60時間って、事務職で考えるとけっこう多いですよね。

でも、それから半年後には、月の残業時間を40時間も削減することに成功し、最終的にはどんなイレギュラーな事態が発生しても、残業時間ほぼゼロを達成できたんです。

残業を削減するために、本当にいろいろなことを試しました。今回はそのなかで気づいた、HSP気質がゆえに、仕事に時間がかかってしまう原因とその対策について書いていこうと思います。


1.メールの返信に時間がかかりすぎる

「今日はありがとうございました。また後日、あらためてご連絡させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。」

よし、メール打てたぞ。あ、友達じゃないし「今日は」より「本日は」の方がいいか。直そう。ん? 「ご連絡させていただく」ってなんかヘン? 調べてみよう……。ほうほう、「ご」と「いただく」で二重敬語なんだ。じゃあ「ご連絡差し上げます」でいいのかな? え、「致します」ってひらがなが正しいんだ! じゃあここも修正して……。

なれなれしくないか、日本語は正しいか、失礼はないか、とにかく細かいことが気になって、やたら時間をかけてメールを作成していませんか?
過去のわたしにも言ってあげたいのですが、そこまで誰も気にしていないので安心してください。

もちろん、Webライターとして活動する際には文章にはじゅうぶん気をつけなければなりません。
しかし、事務OLが作成したメールについて、「ここの日本語の使い方おかしいから取引やめるわ」なんて言い出すひとは、まずいないでしょう。
正しい日本語かどうかよりも、ビジネスメールにおいては、簡潔にわかりやすく書かれていることの方が重要視されるはずです。

簡潔にわかりやすく書く方法については、ライティングについて勉強するなかで学んだ「PREP法」を使うことをおすすめします。
PREPとは、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point (結論)の頭文字を取った手法のことです。
結論をあたまに持ってくる手法は、メールに限らず簡潔に伝えるために有効なので、ぜひ試してみてくださいね。

ここまで、メール作成についてそこまで気にしなくて大丈夫、とお伝えしてきましたが、1つだけ注意してください。
それは、宛先まちがいです。宛先の誤りは、内容によっては情報漏洩にもつながる重大なミスなので、じゅうぶん気をつけるようにしましょう。

2.プラスαの仕事をいくつもしてしまう

営業からたのまれごとをされた際、わたしはいつもこんな風に考えていました。
「ついでにこれも調べたほうがいいよね。あと、先回ってこの資料をまとめたら喜ばれるかも」
営業からしたら、助かっていたと思います。けれど、本来は言われたことさえきちんとすれば誰も文句は言わないはずです。

共感力が高いがゆえに、相手が求めていることがわかってしまうHSP気質の方は、過去のわたしと同じように、プラスαで2つも3つも仕事をしていませんか? つまり、自分で自分の仕事を増やしているとも言えます。

もちろん、フリーランスで働いている場合は、プラスαの提案が案件の継続につながることもあります。しかし、もしもあなたがそれなりに大きな会社で働いている会社員の場合、そのプラスαの仕事が評価に直結する可能性は、そんなに高くないかもしれません。
だとしたら、言われたことだけをきちんとこなし、定時で帰って副業や趣味の時間にあてる方が生産的です。

ただ、それだと「気が利かないな」と思われないか不安だ、という気持ちをお持ちの方もいると思います。
その場合は、プラスαの仕事を1つだけにしてみてください。2つも3つもしなくて大丈夫。たのまれた仕事にプラスして1つのことができていれば、100点どころか120点です。

3.一つのことを終わらせないと次へ進めない

HSPは細かいことに気がつきやすいことから、完璧主義になってしまう傾向があるようです。
そのため、中途半端を嫌い、一つひとつの仕事を完璧に終えてからでないと、次の仕事に取りかかれない……ということはありませんか?

一見、きちんと仕事を終えているのだから問題ないように思えますが、この仕事の取り組み方には大きな弊害があります。
それは、優先順位と時間配分がまったく考えられていないことです。

たとえば、今取りかかっている仕事よりも、しめ切りが早い仕事が舞い込んできたら、あなたはどうしますか? 普通だったら、途中で切り替えて期日が短い仕事に取り組むと思います。しかし、過去のわたしにはそれができませんでした。
なぜかというと、優先度の高い仕事に切り替えても、まだ完了していない仕事が気になって仕方がなくなってしまうからです。

その結果、残業が多くなってしまうことにも気づかず、わたしは優先順位と時間配分を無視して仕事を進めていました。

そもそも、優先順位を考えないと、なぜ残業時間が増えるのでしょうか? わたしはあまり頭がいいほうではないので、同じ仕事をするなら順番を変えたところで残業時間は変わらないと思っていました。

たとえば、定時が18時の会社で働いてるAさんとBさんがいると仮定します。そこで、期日が3日後の業務①に取りかかっているなか、15時頃に当日中に仕上げなければいけない業務②が発生したとしましょう。

< Aさんの場合 >
Aさんは、あと1時間くらいで業務①が終わりそうだと予測し、16時~18時で業務②をこなせばいい、と考えました。しかし、実際には業務①に2時間、業務②に3時間かかったことで、Aさんの退社時間は20時になってしまいます。
< Bさんの場合 >
一方、Bさんは15時の時点ですぐに業務②にとりかかり、Aさんと同じく3時間かけて業務②を完了させます。この時点で18時。業務①の納期は3日後なので、業務①は翌日に回すことにして、Bさんは定時で退社しました。

このように、優先順位を無視して働くと残業しなくてはいけない状況になってしまう可能性があります。
それどころか、もし業務②のボリュームが3時間ではなく、6時間かかるものだった場合、終電で帰ることになったかもしれません。

このことに気づいてから、私は業務単位ではなく、時間単位で仕事に取りかかることを意識するようにしました。
その日の仕事を優先順位の高い順に並べ、それぞれにかかる時間を短めに予測して時間を割り当てる。時間がきたら、完了していなくても次の業務に取りかかり、また時間がきたら次の業務……といったように、業務の完了ではなく、時間を守ることにフォーカスするようにしたのです。
そうすると、「時間を守って業務を進められている」という充足感を得られ、業務が未完了であることがあまり気にならなくなりました。

この仕事の進め方についてはポイントがあります。15時までにすべての仕事を終えるつもりで時間配分をすることです。
そうすると定時の18時までに3時間の猶予ができますよね。この3時間は、15時までに完了できなかった仕事や、途中で急ぎの仕事が発生したときのための調整時間です。もしも15時までにやるべき仕事がすべて完了した場合は、普段後回しにしてしまう書類やデータの整理といった作業にあてるのもいいでしょう。

もし、完璧主義がジャマをして仕事の切り替えがうまくいかないときは、時間で仕事を考えることを意識してみてくださいね。

まとめ

過去のわたしは、すべての仕事に対して可能な限りの力を注いでいました。会社にとってはいい人材かもしれません。けれど、そのせいで必要以上に体力を消耗し、仕事以外の部分がとてもおろそかになっていました。

仕事ですべての体力を使い果たしていたなか、ある先輩社員にこう言われたことがあります。

「しょぴーさんって、いつも120%で仕事してくれるよね」

100%でやっているつもりが、ひとから見たら120%に見えていたようです。
わたしはこれを都合よく解釈し、じゃあ、80%の力でやっても100%に見てもらえるのかも? なんて思ったわけです。
けれど実際、先輩社員のこの言葉がきっかけで、少し肩の力が抜けた気がします。

そもそも、100%のクオリティーで仕事に3日かける人より、60~80%くらいの完成度で1日で仕上げる人の方が優秀に見えるものです。

「仕事ができない」「気が利かない」と評価されないか気になっているHSPのあなた。大丈夫。HSPの100%は他の人から見たら120%です。
だからもっと肩の力を抜いて仕事をしてください。普段のあなたがむしろやりすぎなくらいですから、適当なくらいできっとじゅうぶんです。

あなたが無理をせず、仕事以外のことも楽しめますように^^
それでは、また別の記事でお会いしましょう!

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