見出し画像

【第3話】アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」感想とまとめ

2023年6月よりAbemaにて先行放送、7月より地上波放送が始まった、アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」。

ラブライブ!サンシャイン!!の公式スピンオフ作品も3話目。

とは言え、この記事をアップした時点で、本放送はだいぶ先を行っています…。
追いつこうと頑張っていますが、しばしの間、少し前のお話を振り返る感じでお付き合いください。

Aqoursメンバーも、第1話のハナマルを皮切りに、第2話も次々登場しています。

ある日、ハナマルがヨハネを仲間のところへ案内します。
ウチーラの旅館で働くチカと、ヌマヅ行政局の執務長官ダイヤ。
年は同じぐらいなのに、みんなしっかり働いています。

そんな中、ヨハネが始めた占いの館に、ご近所さんや街中の人たちが声をかけてくれます。
占いではなく、荷物運びを手伝ったり、庭木を剪定したり…。
すっかり、なんでも屋さんになってしまったのでした。

それでも、お手伝いの報酬を得たヨハネ。
最初に買うものはハナマルのお菓子と決め、夜遅いにも関わらず家を出て歩き出しますが…。

第3話、特に前半は「文章を読む」よりも「映像を見て感じる」お話かもしれません。
でも、あのスペクタクルなシーンをどこまで言葉で表せるか。
そこに挑戦しながら書いてみたいと思います。

第3話「団結 Are you ready?」

ヌマヅの危機を救うヒーロー?

闇に覆われ、赤い目が怪しく光る4匹の鹿たちに囲まれてしまった。
自身も闇に包まれて身動きが取れないヨハネ。
絶体絶命のピンチ!

「誰か…誰か助けて…」

すると、1台のミニバンが勢いよく止まった。
「大丈夫?」「怪我はない?子猫ちゃん」
「私たちが来たからにはもう大丈夫」

覆面姿の3人娘が飛び出し、アクロバティックにジャンプ!
満月の下でポーズを決める!

「ミリオンダラー、参上!」

あっけに取られるヨハネ。
3人は腰のケースから武器を取り出す。
スターターを引っ張ると、ダクトから空気が取り込まれる。

トリガーを引くと、圧縮された空気が弾のように飛び出す。
高圧の空気銃「バップガン」。

「子猫ちゃん、動かないでね」
もう一人がヨハネめがけて空気弾を放つと、ヨハネをつむじ風が包み、取り巻いていた闇が吹き飛んだ。

3人はなぜかヨハネを「子猫ちゃん」と呼ぶ。
でも、どこかで見たことあるような…??

バップガンを構えるミリオンダラー
左からトミー、ケイティ、メルシー

「ねぇ、さっきの飛び出しポーズ、私に被ってたよ!お姉ちゃん達!」
真ん中のオレンジ色の子が二人に文句を言う。

「お姉ちゃんって…あ、あの旅館の!」
すっかり正体がバレてしまった。

すると、小型テレビに足が生えたようなロボットが目の前に現れた。
「おか…じゃなかった…ビッグマム!」
完全に「おかあさん」と言いかけている。

3人を指揮する「ビッグマム」

「状況は?」
「人的被害なし。対象は鹿型のミディアムが1、スモールが3、ステージはいずれも1」
ビッグマムへ冷静に状況を報告するトミー。

どうやらヨハネ達を襲っているのは、鹿型のモンスターというわけではなく、森に住む鹿が何かに操られているようだ。

したがって、冷静に対処するように3人に注意を促すビッグマム。

で、当のビッグマムは旅館の番台の裏で彼女達に指示を出しているのであった。
「すべては、愛すべきヌマヅのために!」
緊迫した状況なのに、近くでシイタケが呑気に寝っ転がっている。

「行くわよトミー!」
「頼んだわ、メルシー!」
早速、次の作戦にとりかかる。

メルシーが1匹の動きを弱めると、トミーが反対側へ駆け込み、その場でかがんで両手を前に掲げて準備する。

「カモン!ケイティ!」
「任せて!」

ケイティが走り込み、トミーが掲げた両手をジャンプ台にして空高く舞い上がった!

「鹿さん、今助けるからね!」
空中でオカリナのような笛を吹くケイティ。
すると、鹿を包んでいた闇が静かに解け、真っ赤な目も普通の瞳に戻った。

鹿を傷つけることなく、正気に戻して森へ帰す。
不思議な笛の音と、3人娘のコンビネーションでピンチを救った!
「ふふん、どんなもんだい!」


同じ頃、ヌマヅ行政局でもアラームが鳴る。
「長官、また街で動物が暴れているようです」
コハクからの情報を腕のウェアラブルデバイスの映像で受け取ったダイヤ。

「出動準備を!」
すっくと立ち上がる。
「行きますわよ、ルビィ!頑張りましょう」
ダイヤの腕に飛びつき、不安そうな表情の妖精ルビィ。

行政局の一角が、巨大なピットになっている。
クルーが真紅のバイクを整備し、出動準備を整える。
そこへ、パワードスーツに身を包んだダイヤがバイクにまたがった。

暗闇にアラームが鳴り響き、建物から巨大なカタパルトが現れた。
バイクを乗せた射出台が空めがけて伸びてゆく。
先頭にはシャボン玉のような、光の膜がきらめいている。

「スカーレットデルタ、出動!」

ルビィを肩に乗せるスカーレットデルタ

深紅のバイクがフルスロットルでカタパルトを駆け抜け、光の膜を突き抜けて夜空へ。
そのまま、ヨハネ達のもとへ急行する。

現場では、ミリオンダラーの3人のおかげで2匹目の鹿が正気に戻り、最初に助かった仲間のもとへ駆け寄る。

残るは2頭。
「カモン、ケイティ!」
さっきの要領で勢いよく飛び上がる。

しかし、闇に包まれた1頭の鹿が同じようにとびかかる。
空中で交錯しそうになり、鹿に触れてしまった。

手の先についた闇はみるみる広がり、ケイティを包み込む。
「しまった…」
あまりの苦しさに、手に持った笛を落としてしまう。

狂暴化した鹿はトミーとメルシーにも襲い掛かる。
突進を受け、一発で吹き飛ばされてしまった。

一瞬にしてピンチを迎えてしまったミリオンダラー。
その時、森の中に響くエンジン音!

木の幹をジャンプ台にして、深紅のバイクが飛び上がる。
空中で刀を抜き、ケイティの闇を一刀両断!

解放されたケイティはそのまま落ちてしまうが、猛スピードのバイクは横滑りしながらその場に止まった。

この止まり方…アニメ界では有名なシーンだ。
真紅のバイクもどことなくあの名作に似ている…。

「お怪我はありませんか?」
空中で放した刀をキャッチし、背中の鞘に戻す。
傍らにはケイティを抱きかかえていた。
まさに一瞬の救出劇。

Be as one!!!

ケイティはムッとしながらバイクを飛び降りた。
「ありがとう…でも、ちょっとカッコつけすぎじゃない?ダイヤさん」
「いえ、スカーレットデルタです」
唐突な展開に顔を歪めるヨハネ。

「危ない!」
鹿が今度は二人に襲い掛からんとしている。

スカーレットデルタはバイクを走らせ、ケイティはバップガンをチャージする。
しかし、空気の充填に時間がかかり、苛立つケイティ。

その間にもスカーレットデルタがヨハネの目の前に立ち、刀を抜いて鹿をけん制。

「何度も申し上げていますが、そんな非効率的な武器で、この危機に対処しようとするのは危険すぎます」

ケイティ達が持っているバップガンは、いわば空気銃。
動物たちに危害を与えない、というビッグマムの言いつけ通りに対処できるが、空気が充填されるまで時間がかかる。

その点、スカーレットデルタは最新のテクノロジーを駆使し、移動も俊敏で武器の効果も高い。
だが、動物たちを傷つけてしまいかねない武器でもある。
バイクに乗りながら日本刀を振り回す…映画「ブラックレイン」のようでもあるが…。

「バカにしないでよ!私たちだって、ヌマヅを守る力はあるよ!」
「市民を守るのは私たちの仕事です」
言い争いを始めてしまう二人。

しかし、そんな隙に狂暴化した鹿が虎視眈々と彼女たちを狙う。

「ルビィ!」
「任せて!お姉ちゃん!」

スカーレットデルタの肩につかまっていたルビィが突然バイクのディスプレイの中へ入り込んだ。
すると、バイクとパワードスーツに描かれた白いラインがグリーンに光りだす。

勢いを増したバイクが空中高く飛び上がり、上空から刀を振り下ろすと、稲妻が鹿めがけて飛び出す。
負けじと、ケイティもバップガンを発射。
二人の攻撃は鹿の前で相殺され、無力化してしまった。

「チカさん、邪魔をしないでください!」
「そっちが割り込んでるだけだよ!」
二人が同時に攻撃するので埒が明かない。

木の陰に隠れているヨハネも心配そうに見つめる。
その傍らで、正気に戻った鹿が二頭、仲間のところへ行こうとする。
それをとっさに引き留めるヨハネ。

鹿たちは仲間を早く元に戻してほしい。
その眼差しに、ヨハネが意を決する。

「ちょっと待った~!!」
二人の元へ駆け寄るヨハネ。
目の前で転んでしまったが…。

「言い争ってる場合じゃないよ!怖いけど…でも…その子たち、放っておけない!」

その時、ヨハネの杖がまばゆい光を放ち始めた。
その光を浴び、淡く輝くヨハネ、ケイティ、スカーレットデルタ。

ヨハネの熱意が二人にも伝わった。
今度は、力を合わせて目の前の危機に立ち向かう!

スカーレットデルタが飛び上がり、刀から稲妻を何度も放つ。
ケイティもバップガンで応戦。
その後ろでヨハネはケイティが落とした笛を吹く。

スカーレットデルタの後ろにケイティが飛びつく。
さっきまで言い合っていた二人が積極的に協力し、2頭の鹿に相対する。

ディスプレイの中のルビィが「がんばルビィ」のポーズを決めると、バイクはさらにパワーを増す。
広場に駆け出した2頭の鹿を、上空から狙い撃つ。
満月を背に飛び出したバイクから、ケイティのバップガンが炸裂!
2頭の動きを止めた!

空中でバイクから離れる二人。
バイクが高速回転し、その渦に空気弾と稲妻を放つ!
3身合体の攻撃が、2頭の鹿を包み込んだ!

地上でバイクに飛び乗るスカーレットデルタ。
バイクの砂煙の向こうには、正気に戻った2頭の鹿。
みんなで力を合わせた結果だった。

その活躍を見守ったトミーとメルシーも安堵して喜ぶ。
行政局のビジョンで見守っていたクルーたちも歓声を上げた。

その時、ヨハネの杖の裏側に3つの光る刻印が!


「ありがとう、ダイヤさん」
スカーレットデルタがヘルメットを取ると、昼間に会ったダイヤが姿を現した。
そして、動物の鼻を模したかわいい覆面を取り、チカも正体を現す。

「ヨハネちゃんがいなかったら、ずっとバラバラのままだったよ」
「本当に助かりました」
ヨハネにお礼を言う二人。

ルビィがバイクのディスプレイから飛び出してきた。
ダイヤの役に立てたこと、そしてこの件が解決したことを喜ぶ。

しかし、みんなの顔を見ると、二人の表情が一変。
「い、いや…これは…幻…目の錯覚というか…」

どうやら、普段はルビィを表に出そうとしていないらしい。
必死にルビィを隠そうとするダイヤだったが、二人のことはすっかり街中の噂になっていた。

「では改めて…この子が妹のルビィです」
照れてダイヤの影に隠れようとするルビィ。

ダイヤ達は街の異変に気づいていたが、人々は深刻に受け止めてはくれなかった。
そこで行政局内で有志を募り、異変に立ち向かおうと決意。
秘密裏に活動を続けていたのだった。

それにしても、ヨハネには驚いたとチカ。
突然、淡い光が3人を包み込み、意思をひとつにした、あの力。
ダイヤも杖のことを気にかける。

「その話、私も気になるわ」
今度はタケコプターのようなプロペラで空を飛んできたビックマム。

しかし、自分にも事情がわからないと話すヨハネ。
さっきも、みんなを助けたい一心だった。

「もしかして、ワーシマー島の魔王なら、何か知っているかもしれないわね」

ワーシマー島に住む魔王、マリ

帰宅し、事の顛末をライラプスに話す。
ライラプスの行先を塞いでいた闇が解け、先に進めるようになった時には、既にヨハネ達が一件を解決させた後だった。

ワーシマー島についても話をする。
幼少の頃から、絶対に行ってはいけない、と言われていた。
悪いことをするとあの島へ連れて行かれ、絶対に帰って来られない、とも。

海の向こう、霞がかかった中うっすらと見える島、ワーシマー島。
翌日、ヨハネ達は島へ向かうため、船着場に来ていた。

遠くからでも不気味な姿を見せる島。
「やっぱやめて帰ろうか?」
…と言っていると、一つ目の使い魔のような生き物が、旗を持って現れた。
不気味な島に住む生き物、にしては可愛い。

どうやら、水先案内人らしい。
ヨハネ達の元に一艘のボートが着いた。

ボートに乗って海を渡るヨハネとライラプス。
あまりの不気味さに、ずっとライラプスに抱きついて離れないヨハネ。
可愛い水先案内人を先頭に、船は進んでゆく。

でもこのボート、どうやって動いているのか?
すると、海の中からロープを引っ張るイルカの姿。
キュー、キュー!とヨハネ達を歓迎している。
その姿に安堵するヨハネ。

ワーシマー島には、不思議な植物やキノコが淡く光り、輝くクラゲや魚達が空を泳いでいる。
見るからに不思議な島。
その森の中、歩を進めるヨハネとライラプス。

しばらく歩くと、城のような建物が見えてきた。
水先案内人が扉の前まで案内してくれた。

こんなに大きな建物の大きな扉。
明らかに不気味で、これから何が起こるのか想像すらできない。
中に入るのを躊躇っていると、ギギギ、と静かに扉が開いた。

建物の中にも、淡く光る魚やクラゲたちが浮かんでいる。
エントランスには大きなソファーとテーブル、それを取り囲むように、柱のような不気味なペンギンの置物が鎮座する。

「あの〜、魔王さん?いらっしゃいますか?」

「失礼ね。聞こえているわよ」
大きな階段の一番上に、美しい女性が立っている。
長いローブを見に纏い、美しい金髪。
大きな角が、魔王と呼ばれる所以か。

「私を訪ねて来たんでしょう?ならこっちへ」
冷静な口調で建物の奥へ誘う魔王。

奥の部屋。
巨大なテーブルを挟んで、奥に魔王が座る。

「なんか、全然魔王っぽくないんですね」
「やめて、その呼び方」
自分のことを魔王と呼ばれるのを嫌っているようだ。

自分にもちゃんと名前がある、言いかけると、ヨハネのそばに使い魔が現れた。
使い魔はカードをヨハネたちに掲げる。

「マリ…?」
「え?なんでわかったの?」
ヨハネに名前を呼ばれ、つい驚いてしまった。
使い魔はマリにバレないように、独断で行動したのだろうか?

「失礼。名前を呼ばれたの、久しぶりだったから…」
すました表情だが、少しだけ照れているようにも見える。

「じゃあ、マリって呼べばいいんだね」
「勝手にすれば」
冷たく言い放ったように見えて、少し嬉しくもあり、照れくさいようにも見える。

ヌマヅの「常ならぬ異変」

マリはヨハネをソファへ誘った。
ソファへ腰かけたヨハネをじっと見つめる。

「ふ~ん、あなただったのね、ヨハネって。ライラプスも思ったより大きくて驚いたわ」
マリはヨハネやライラプスの事を知っていた。

会ったこともないヨハネ達の事を何故知っていたのか?
マリは、あなたたちの話す声をずっと聴いていた、と話す。

「毎日聞いているわ、ここで。街から聞こえる、起こる、いろんな音を」

角に手を当て、静かに話すマリ。
遠くの音を、広範囲に聞き取れる能力があるようだ。
意識せずとも聞こえてしまうようで、時には聞きたくない嫌な音も聞こえてしまうという。

「変な角だって思ってるんでしょ?」
ヨハネは首を横に振る。
「飾りとかついてて、かわいいな、って」
驚いた表情のマリ。まったく予想しなかった返答が返ってきたからだ。
彼女の角にはイヤリングのようなアクセサリが付いている。

ヨハネは彼女の角に興味津々。
「もう、角の話はやめて」
「あっ、ごめんね、マリ」
名前を呼ばれるたびに照れた表情を浮かべる。


「それで?聞きたい事があって来たんでしょ?」
話は本題へ。

不思議な力が使えるようになったとマリに打ち明けるヨハネ。
マリはヨハネの魔法が発現したことも知っていた。

マリはヨハネの隣に腰かけ、足を組んだ。

「ねえ、この力って何なの?」
「それは、あなたの心の音」

やはり、マリはヨハネが使えるようになった力の事を知っているらしい。
しかし「心の音」とは、いったい何を指しているのか?

「あなたなら、ヌマヅを救えるかもしれない」
真剣な面持ちでヨハネに伝えるマリ。
だが、ヨハネは半信半疑だ。

「その力で、霧を晴らしてみんなを守ったでしょ?」
ヨハネは、そんなの偶然だと話す。
でも、結構すごかったかも。みんなもヨハネ凄い、とか言ってたし…
そんな感じでヨハネが話していると、マリの表情が変わった。

「聞きたい事はそれだけ?」
ソファから離れ、ヨハネに背を向ける。
使い魔にヨハネ達の見送りをお願いする。

「ねぇマリ、あなたは何者なの?」
「別に…ちょっとヌマヅに詳しいだけ」

ヨハネは話を続ける。
この街に起こっている異変についてもマリに尋ねた。

「私、もう少しこの街に居るかもしれないから、できれば平和な方がいいなぁ…って」
「そんな呑気なことを言っていられるのも今のうちよ」

マリには、このヌマヅの「悲鳴」が聴こえると話す。
街の人はまだ気付いていない。

そして、ヨハネ達を苦しめている「あの音」は、恐らく子供たちや動物たちにしか聞こえない、とも話してくれた。

世界は心に満ちていた。
歓喜も、悲哀も、祝福や憎悪さえも混ざり合い、世界には心が溢れていた。
時は移ろい、流れに淀みが生じた。
淀みは積もり、黒い淀みとなり、常ならぬ異変をもたらした。

古い書物を広げ、こう読み上げた。

過去にも、その「異変」はあったのだろうか?
それなら、過去に起きた「常ならぬ異変」を、どのように解決したのだろう?

「ねぇ、マリはヌマヅを救う事はできないの?」
「私には無理よ。私、こんな変な姿だし、どこへ行ってもこの子たちがついてくるし…」

ヨここに来るまでは怖がり、警戒していたヨハネだったが、マリに初めて会った時から怖がったり警戒している様子は全くない。
むしろ、その容姿を褒め、積極的に会話をしようとする。

「あなた、私のことが怖くないの?」
「う~ん、最初は怖かったけど、話してみたら意外と普通じゃん、って。全然大丈夫だった」
「おかしな人…。みんなあなたみたいだったら、私は…」

どうやら、マリは皆に恐れられ続けていた過去があるようだ。
しかし、ヨハネは違った。
名前を呼んでくれたり、親しく接してくれたり。

「ペラピー、例のものを」
水先案内人としてヨハネ達をここに連れてきてくれたかわいい使い魔は、ペラピーという名前だった。
そのペラピーがひとつの包みをヨハネに渡した。

どうやらお土産をくれたらしい。
ありがとう、とお礼を言うと、横目で照れた表情を浮かべるマリ。

帰りの船の上。
魚たちが宙を舞う不思議な島に行き、そこに住むマリからお土産をもらう。
まるで浦島太郎のようだ。
ひょっとしてマリがくれたお土産は玉手箱…ではなく、可愛らしい洋菓子だった。

何か、不思議な子だったね、とライラプスに話しかける。
「ヨハネ、少しずつ仲良しの子が増えてきたんじゃない?」
「仲良し…なのかな?」
お菓子をじっと見つめて半信半疑な答えを返すヨハネ。

「でもあの子…寂しそうだったな…」

おわりに

前半は一大スペクタクル。
ヨハネのピンチを救ったミリオンダラーの3姉妹と、深紅のヒーロー、スカーレットデルタ。
ラブライブ!シリーズでは見る事の出来ない、壮大なバトルシーン。

相手は闇に包まれた4匹の鹿。
しかも、殺さずに救わなければならない。
そう考えるとちょっと大げさな気もしますが…それでも、見応え抜群な戦闘シーンでした。

ルビィがバイクの中に入り込み、姉妹の力でパワーアップするところも象徴的。
あくまで「姉妹の力」が表現されているのも面白い。

チカたちも3姉妹の力を合わせて敵と相対しますが、最後はチカとダイヤ、ルビィ、そしてヨハネが力を合わせて事件を解決します。

意外な組み合わせでしたが、あくまでメインで活躍するのはAqoursメンバーなところは揺るぎないのが印象的でした。

意外な組み合わせと言えば、バトルシーンで流れていた新曲「Be as one!!!」。

緊迫したシーンにぴったりのハードなサウンドとスピード感と高揚感溢れるリズム!
本編で流れる楽曲としては2曲目。
もちろん12月のライブステージで披露されるのでしょうから、今から本当に楽しみです。

3人のパフォーマンスはもちろん、衣装も!
チカのあのかわいい覆面も、スカーレットデルタのパワードスーツも再現?
じゃあルビィは?妖精?ひょっとしてバイク??

後半はワーシマー島へマリを訪ねるお話。
「魔王」と呼ばれているだけに怪しげな雰囲気でしたが、島の中は使い魔や魚たちがユラユラと漂う不思議な空間。

美しい容姿とは裏腹に、威厳のある角を持つマリ。
チカやダイヤに初めて会った時はずっと警戒感が抜けなかったヨハネですが、マリとは初対面から警戒感もなく、自ら打ち解けようとしていた印象。
ウマが合う二人なのでしょうか?

マリはヨハネの力について何か知っているようでしたが、詳しくは話してくれませんでした。
ただ、前半も含めてはっきりしたのは、ヌマヅの異変は現実にあって、立ち向かわなければならないこと。

そして、ヨハネが親しげに接しようとすると、照れた表情を浮かべてそっぽを向くマリ。
ネット上の感想でも「かわいい!」と大評判。
しかし、ヨハネの最後のセリフのように、彼女にも何か過去がありそうです。

第3話は出会った仲間との絆を深める印象深いエピソードでした。
今後、どんな仲間が増えるのでしょうか?

「沼津」と「ヌマヅ」 第3話

本編がちょっと長くなってしまいましたが、せっかくなので3話で登場したキャラクターについて、ラブライブ!サンシャイン!!を振り返ってみましょう。

トチマン旅館の3姉妹

突然「ミリオンダラー」として現れた、トチマン旅館の3姉妹。
長女のシマ、次女のミト、そして3女のチカ。
ビッグマムことお母さんも含めて、サンシャインにももちろん登場します。

ラブライブ!サンシャインの主人公は千歌ちゃんですから、彼女を中心に物語が進んでいきます。
お姉さん二人とは年がすこし離れていて、千歌ちゃんを何かとサポートしてくれます。

長女の志満さんは、実家である「十千万旅館」を手伝っています。
留守がちなお母さんの代わりに、家の事や旅館の事をいろいろと切り盛りする存在のようです。
自動車の普通免許も取得しているようで、帰りが遅くなった市内在住の曜ちゃんを軽トラで送るシーンもありました。

曜ちゃんを送る志満さん。
千歌ちゃんは「志満姉(ねえ)」と呼ぶ。

次女の美渡さんは千歌ちゃんとすこし年が近く、部屋も隣。
千歌ちゃんが何かやらかすと、烈火のごとく怒って追いかけるシーンが何回か出てきます。
彼女は高校卒業後、地元の企業に就職。

少し意地悪な美渡さん。
千歌ちゃんは「美渡姉」と呼ぶ。

3姉妹が協力して何かをする、といった描写は描かれませんでしたが、お姉さん二人は千歌ちゃんが始めたAqoursをいつも応援してくれています。

印象的だったのは、Aqoursのファーストステージ。
浦の星の体育館をお客さんで一杯にできれば、部として許可すると理事長に条件を突き付けられ、お客さん集めに奔走する中、千歌ちゃんは美渡さんにも「会社の人を連れて見に来てほしい」とお願いします。

最初はそんな千歌ちゃんをからかい、「バカチカ」と額に書いたりしていましたが、千歌ちゃん達が本気で取り組んでいる事を知り、自らが務める会社で大宣伝活動を展開。
雨が降りしきる当日、大勢のお客さんを連れてきてくれたのでした。

駆けつけてくれた美渡姉

その後も二人で修善寺までラブライブの予選大会を応援しに行ったり、決勝大会ではメンバーの家族を連れてアキバドームまで駆け付けたほど。
その時、先頭を切ってバスまで借りて大応援団を率いたのは、3人のお母さんでした。

二人ともすっかりAqoursの応援団
3人のお母さんが大応援団を率いる

ミリオンダラーは、覆面も衣装も武器も可愛くて、いかにもファンタジーな正義のヒーロー。
ビッグマムの存在も、高海家を象徴していて面白い設定。
これからヨハネたちと共に、ヌマヅの危機にどう立ち向かうのでしょうか?

ダイヤとルビィ

執務長官のダイヤと妖精のルビィ。
サンシャインのアニメでは、ダイヤさんは生徒会長、ルビィちゃんは2つ年下で春から浦の星に入学してきました。

姉のダイヤさんは黒髪で凛としているものの、ルビィちゃんは赤毛でちょっと幼い印象。
ふたりの実家、黒澤家は地元の網元で、言ってみればお嬢様というわけです。

ふたりともスクールアイドルが大好き。
μ'sに憧れ、二人の間にはいつもスクールアイドルの存在がありました。

ちなみに、ダイヤさんは絵里ちゃん推し。
憧れそのままに、自分も生徒会長になってしまうほど。
ルビィちゃんは花陽ちゃん推し。普段は大人しいけれど、頑張ってスクールアイドルとして輝く姿に惹かれたのでしょうか。

ダイヤさんは先に浦の星に入学。
もちろんスクールアイドルを始めますが、ある出来事がきっかけで、突然スクールアイドルの事を口にも出さなくなってしまいます。

それを傍で見ていたルビィちゃん。
入学早々、千歌ちゃんたちがスクールアイドルを始めたことを知ると、親友の花丸ちゃんにも背中を押され、しっかりダイヤさんにも話をした上でAqoursの一員になります。

ダイヤさんも、ルビィちゃんが自分の意思でスクールアイドルになったことを喜び、陰ながら応援するのですが…

黒澤姉妹とAqoursの関係性は、3年生のある事件が大きく関わってきますが、それはちょっと後にお話ししましょう。
ファンであれば何度見ても涙してしまう、あの出来事のことです。

ワーシマー島のマリ

最後はマリについて。
魔王と呼ばれるのを嫌う、ちょっと冷たい印象のマリですが、それを見たファン全員がいい意味で裏切られた印象を持ったはずです。

それもそのはず。
サンシャインのアニメでは、まったく逆の印象なのですから。

「二年ブゥリデスネ~!」という印象的なセリフで、留学から帰ってきた鞠莉ちゃん。
彼女は淡島にある大きな高級ホテル「ホテルオハラ」のオーナーの娘。

ワーシマー島のモデルは、沼津に実際にある「淡島」。
ヨハネ達と同じく、島に上陸するには船に乗る必要があります。
もちろんイルカが引く船ではなく、ちゃんとモーターボートですが…。
島には水族館「あわしまマリンパーク」があり、そこでイルカショーを見る事もできます。

沼津にある淡島。
奥にはマリの屋敷のモデルになった「淡島ホテル」が。
※筆者撮影 逆光ですみません…。

彼女が金髪なのは、彼女がイタリア系アメリカ人の親から生まれたハーフだから。
劇場版では、似た容姿のお母さんが登場します。
口調も全く一緒。最初は強引に彼女の将来を決めつけようとしますが、滞在先のイタリアでのライブを観たことをきっかけに、鞠莉ちゃんを認めてくれたのでした。

劇場版に登場した鞠莉ママ

彼女の父親は浦の星女学園にも出資しており、鞠莉ちゃんは同校の3年生ながら理事長として学園に帰ってきました。

そんな時、千歌ちゃんがAqoursを立ち上げ、部として認めてもらおうとしますが、生徒会長のダイヤさんが認めようとしません。

そこで現れたのが理事長の鞠莉ちゃん。
ファーストライブで体育館をお客さんいっぱいにできれば、人数に関わらず部として認めると条件出して来ました。

彼女は、千歌ちゃん達を試していたのです。

その理由は、生徒が集まらない浦の星を、沼津市内の高校と統廃合するという話があったから。
スクールアイドル活動を通して、なんとか生徒数を増やすための活動を始めたかったのでした。

スクールアイドルを始めた千歌ちゃん達に条件を突きつけた

いつもハイテンションな鞠莉ちゃんですが、ワーシマー島の魔王、マリは全く正反対なキャラ。
それでも、ヨハネに親しくされて照れてしまうかわいらしさもある。

そんな難しいキャラをどちらも完璧に演じ分ける鈴木愛奈さんの演技が素晴らしい!
声優としてブレイクスルーを果たしたラブライブ!サンシャインでしたが、その後も様々な役で活躍。そういった経験も生きた演技だったのではないでしょうか。

だいぶ長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
次回はさらに新たな仲間が加わり、ヨハネの周りもにぎやかになっていきます。

※記事内の画像は、アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」と「ラブライブ!サンシャイン!!」の配信動画より使用させて頂きました。

※つづきはこちら


【お知らせ】
ラブライブ!シリーズのアニメの感想とまとめや、キャストライブのレポートなどの記事をまとめた「ラブライブ!シリーズを語る」マガジンを公開しています。
Aqoursはもちろん、μ's、虹ヶ咲、Liella!を扱った記事もありますので、お時間がある時に読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします!

この記事が参加している募集

アニメ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?