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銀梅花

ラブホテル2.5hで作れる絶望が君の感性じゃ地球は回せないよ、恋に狂いたいくせに感情を飼い慣らして体裁も前髪も人為的にキープしてる、お揃いをならして嗜癖を重ねて、ニアピン感想フィルマークスパブサして、でも貴方と違う稀有で生き延びたくて、漠然と愛が燻ってそれすら必殺技に昇華させる。僕よりもずっと柔らかい少女を尻目にそれでも遠くのかんしょくをまとうべきじゃあない? つぎはぎの腑が、くすんだ琥珀色が、僕には美しく見えるの。食傷気味の刹那を得意気に軽んじた名策を再利用する、晒し合えるほど人を信じることもできず、橋を満たす掻き乱した悪夢が今を隔てている。

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口に合わない憧れは等しく苦く、残酷と明暸は相対する、たったを取るか比重で捉えるかだけなのに、意味合いでドレスを買って分岐していたいだけなの。
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季節が巡る、生命も廻る、ネガフィルム越しに脱ぎ捨てて。バレない幸せで満たせるわけがないの。砕けたクッキーが毀れるまではかわいい箱庭で、貴方の倒錯に揺らめく煙も濡れそぼる喉も、なんらかの思い込みで特別の総取りをしていく。律する程に朽ちていく意地やら恋やらが使い捨てた矛先に形は帯びていない、夢を見る度に輪郭をチューニングして、瞳は起伏を通過して置き去りにしていく。ときめきと火花は似ている、そうやって固執をこだわりに置き換える。思い出さなければ光らない宝物、思い出さなければ痛まない傷口、思い出さなければずっと思い出さずにいられるね。君の横暴な笑顔が好きだった。終わりは終わるからこそ美しいものよ、延長線沿いの夏には触れないでいてください。傷つけなければ愛することもできないで、未熟と呼ぶにはあまりにも熟れ過ぎた容気でしょう、罰になり得る合法を探している。
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